「至るところからウェス・アンダーソン作品臭が漂ってました。」ユニバーサル・ランゲージ かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
至るところからウェス・アンダーソン作品臭が漂ってました。
至るところからウェス・アンダーソンの作品みたいな臭いを感じました。
本作の監督は好きなのかな。
架空の街を舞台にした群像劇。
様々な物語が個々に描かれていき最後に集約された時、何とも言えない感情が心の中を駆け回りました。
「悲しい」とか「寂しい」とか「虚しい」といった単純な感情ではなく、その先の複雑な思いが凍った洗濯物と一緒に強く心に残りました。
映像にはとことん気を使っている作品。
横移動する登場人物を遠くから捉えた映像が多く、まるで紙芝居を観ているかのような錯覚さえ味わいました。
そんな中、子供が登場し、大人と会話するシーンでカメラが子供の目線にまで下がり敢えて大人の顔を映していない映像が強く印象に残りました。
まるでスピルバーグが「E.T.」で披露したシーンのようで、顔の分からない大人が矢鱈と怖く感じました。
物語が一本の線に集約される終盤で大人の顔を映さなかった理由が明らかになり、「成程ね」と膝を打ってしまいましたが怖さは残りました。
あの目線で生きている子供からしたら大人は怖い存在なんだろうなとつくづく感じてしまいました。
クスっと笑えシークエンスもあり、ラストにはほっこりした余韻に浸れる作品。
もう一度、観てみたいという気持ちにさせてくれる作品でした。
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