「前作と合わせ技で🌟4つ」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)
前作と合わせ技で🌟4つ
恥ずかしいことを覚悟で言うが、お話が進行していく中で込み入った騙し合いや駆け引きが連続するお陰で、物語を見失ってしまうのが私の「ミッション・インポッシブル」シリーズの印象。
前作もまさに見失いながらの観賞だったが、全体通してのアクションと畳み掛けが楽しく、最後の列車アクションはすごく好きなシーンだった。
今回はその後編ということで、観賞前日に前作の物語を整理解説してくれている動画を確認し、一応本編も復習がてら観てから臨んだ。
平日午前中の回、客席は中高年の方ばかり。(前作もそうだった)
さすがに還暦を過ぎたスター俳優のアクション映画、それも上映時間160分以上となると、普段劇場に足を運ぶ若手の客層でも躊躇してしまうってことなのか。
自我を持ち、世界中のネットに侵入し、人類の破滅を目論む最新AI「エンティティ」(字幕版の「それ」ってネーミングはなんなの?)と、それを利用して世界を手に入れたい個人や組織や国家、またエンティティそのものを葬ってやろうと考えるIMFとの戦い。
前作がかなり複雑な駆け引きの元で進んでいたのに対し、本作はキャラクター同士のアレコレは比較的シンプル。
姿のない、デジタルの敵に対して、とことんフィジカルとアナログで挑む主人公イーサン。
見終わっての感想としては、「ま、前作からの流れで楽しめたよ」という感じ。
でもこれを一本の作品として観たら、🌟は3つ程度かな。
おそらく多くの観客が楽しみにしていたはずのアクションに関して、今回みんなどー思ったのかな。
私はかなり『今回は置きに来たな』って感じだった。
「フォールアウト」「デッドレコニング」共に、ラストのアクションは初めて見るドキドキがあったが、今回のはなんだかどこかで見たアクションの焼き直しに見える。
それもあってか、本作の二大アクションシーンはどちらも退屈に感じた。
あと、ストーリーの中でいくつかのタイムリミットが提示されるが、その時間もかなり根拠が怪しく、切迫した雰囲気にはなってない。
で、クライマックスに某キャラクターがそのタイムリミットに追われる中、急にとある病気の症状をうったえ、作業が出来ないから代わりにやってくれ、で、俺を手術しろ、と言い出す。
この映画、こういう後付けされた様な本筋とあまり関係ないスピンオフが多くて、こういうの無かったら2時間に絶対収まるのに。
あ、ヤバい。
どんどん嫌なコト言いたくなってくる。
登場人物も魅力的なキャラクターが並んでる割に、物語においては上っ面な役割しか与えられず、もったいないなあ。
前作で結構あっさりイルサを退場させたのもすごく違和感があった。
(てっきり「実はやっぱり生きてました」だと思ってた」
前作のレビューで私がすごく好きになって「イカれ金髪娘」と名付けた「パリス」にもガブリエルへの復讐のチャンスをあげないってのも中途半端だし。
(この辺りは、ガブリエルとイーサンの関係もスルーされたので、もしかすると続編の因縁にするのかな、と思ってみたり)
エンティティも、人間がオフライン上に移行したら手も足も出ない状態になったのか急に沈黙。
前作ではネットワーク上で人間を騙そうとしたり「確かにこういう敵がいたら怖い」感じはあったのに、本作では能動的に何かをすることはほとんどなかった。
また、ミッション・インポッシブルのトム・クルーズって、トラブルやアクシデント・緊急事態に巻き込まれる度に、天を仰いだり「(まずいコトになってきたな)」とか「(おいおい、そりゃないぜ)」「(それ、俺がやるの?)」みたいな、少し自虐的に困った表情を浮かべてみせる可愛らしさがあったと思うけど、今回はずっと難しい顔したまま。
前後編にしていろいろ盛り込んだけど、結局前作で広げた風呂敷をしまうのに畳み方を間違えて、なんかタンスの中がクチャクチャ…みたいな。
ああああ。
勢いで悪く書いちゃったけど、もちろんエンタメとしては最高に楽しい映画だし、全体のテンポが早くてこの上映時間は決して長く感じない。
観たあとに仲間といろんな話ができそうな映画。
せっかくなら大きなスクリーンで、あのテーマソングにワクワクして頂きたい。
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