「全てのアクション映画ファンに手放しでおすすめできる大傑作。」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング 悠さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0全てのアクション映画ファンに手放しでおすすめできる大傑作。

2025年5月22日
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鑑賞方法:映画館

前作を観に行っていようが、観たけど微妙だったとか関係ない。
めっちゃ面白いの。
悔しい。寂しい。
こんな評価を『ミッションインポッシブル』に与える日が来るとは思わなかった。
子供が独り立ちしてしまったかのような気分になる。
ついに不可能な任務は完遂された。
『ミッションインポッシブル』シリーズはここに完成した。
そして、『ファイナルレコニング』こそ2020年代のスパイアクションの到達点だ。

大袈裟に思うかもしれないが、僕だってこんな評価をしたくない。
僕はミッションインポッシブルが大嫌いだった。
トム・クルーズの顔がタイプじゃないからってのもあるけど、このシリーズはスタントを魅せることに執着するあまり、映画の構成としての面白さをかなり犠牲にしている。
だから、好きではない。
けれども常に完成することなく挑戦を続けていた。"最高のアクション映画"という不可能な幻想を求める挑戦だ。
そういうところにこのシリーズの面白さを見出していた(?)

しかし、それも前作『デッドレコニング』で限界に達した。あまりにも冗長で退屈。
もう観なくてもいい。今作だけ観てくれ。前作なんてなかった。
頼みの綱のスタントですら、シリーズの中では微妙。飛行機にしがみついてほっぺたブルブル震えるトム・クルーズを越えることはできていなかった。
『トップガンマーヴェリック』でトムクルーズの魅力に目覚めた矢先のこれだ。
僕は「ミッションインポッシブルなんて無料にでもならない限り絶対に観に行かないぞ!」と決心した。
無料になった。誕生日祝いにサークルの先輩が奢ってくれたから。お陰でこの傑作に出会えた。食わず嫌いは本当によくない。

なぜ全く同じスタッフで撮影された前作に比べて今作が飛躍的に面白かったのか。
おそらく前作はポスプロから公開まで期間がなかったのだろう。
つまり編集に時間が割けなかったに違いない。
だから、冗長だったし、あまりにも洗練さに欠けていた。絶対もっと短くできた。
今作は違う。『RRR』のラージャマウリ監督にアクション映画の王の座は奪わせないぞという気迫があった。
びっくりするくらいテンポがいい。
展開の目白押し。
『RRR』に匹敵する、密度の濃いアクションだった。
スパイアクションの難点はどうしてもストーリーが複雑になってしまい、アクションから次のアクションまで難解な会話シーンを挟まないといけないこと。
ところがこの映画は複雑なストーリーを"誰かを捕まえる"、"物を探す"の二つのアクションだけで説明してしまう。
全てはスーパーエージェント"イーサン・ハント"の作戦通りと言いさえすればどんなトンデモ展開も成立させてしまうのだ。
かなりトム・クルーズのスター性に依存している素晴らしいシナリオだ。トムだからミッションインポッシブルは成立しているは、間違いない。

この素晴らしいアクション映画の魅力はとても言葉にできない。ぜひ劇場に足を運んでほしいが、僕から言えることは映画が始まると最初にトム・クルーズのビデオメッセージが流される。そのときの彼の顔がとても満足そうだった。観終わった今ならその表情の理由がよくわかる。本当に観てよかった。

悠
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