「過剰」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
過剰
矢継ぎ早の見どころだらけ「スーパーなアクション」の連続。
ところどころ「それおかしくない?」ってツッコミどころ満載でも、過剰なサービス精神で「いいんだよ細かいことは」的な展開であり、面白いと言えば面白い。
だが、トムの「救世主(メシア)」願望一色で、そこも過剰で胸やけ。
「マーベルやDCのスーパーヒーローよりも、肉体と知恵と友情で戦う俺様最強」みたいなナルシズムフィルムにも思えた。
今回は、これまでの全7作の続きであり、過去の因縁やキャラを繋げて、「最後の試練」と言う形になっていて、どことなくMI版『エンドゲーム』テイスト。
第1作目と、『ゴースト・プロトコル』(2011年)、前作の『ミッション:インポッシブル デッドレコニング PART ONE』(2023年)を覚えてないとわからない内容ではあったこともややマイナス。
そして本作にパーツとして使われてしまった過去作が、むしろ急に色褪せてくすんで見えてきました。
結構面白いという印象を持っていたのに、「最近の俺(トム)、世界のこんなことが問題だって悩んでいるんだけど、俺がかっこいいから解決しただろ?」って自己陶酔ぶりを見せつけられるだけな内容に思えてきちゃいました。
そして本作において、今のトムが問題視している「悩みの種」=「真の敵」として描かれるものは、世界を裏から支配しようと企むAIプログラムと、その狂信者となったSNS陰謀論者たち…ってのは、昨今の映画では陳腐すぎてつらかった。
政治家とインフルエンサーに煽られた米連邦議会襲撃事件や、昨今のSNSに流布されている根拠ない言説に対する不満が下敷きなのかなと。
イーサン=トムに神様みたいな振る舞いをされてもなー
しかもそれを約3時間(本編169分+IMAXトムの挨拶画像+広告)。
長い。
長すぎる。
膀胱がもたない拷問的な。
そこに戸田奈津子の違和感だらけの字幕が加わって、面白い気持ちより、怒りがだんだん増していってしまいました。
吹替で観たほうがよかったかも。
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