「トムの意志と肉体、マッカリーの重厚な筆運びが際立つ」ミッション:インポッシブル ファイナル・レコニング 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)
トムの意志と肉体、マッカリーの重厚な筆運びが際立つ
誰が呼んだか集大成。その言葉通りの味わいを持つ仕上がりだ。序盤はやや説明に時間を取られる部分もある。が、そこで抑制されたうねりが緩急よく弾けるように硬派なドラマとアクションが展開し、トムの強靭な肉体が舞い、チームやその他の面々が絶妙な間合いで個性を彩る。構成も派手さを捨て上質さを極め、かつて『ユージュアル・サスペクツ』の脚本家として世に知られたマッカリー監督らしく、(やりすぎない程度に)シリーズの様々な記憶を伏線的に織り込んでみせる。その上、ヒッチコック時代から続くマクガフィン手法を巧みに応用し、さらに約30年に及ぶシリーズが単なる再生産の結果でなくハントの「絶対に諦めない/仲間を見捨てない」という意志と選択の集積であるとする骨太な筆運びも胸を打つ。しっかりと血と心が通い、生身の肉体が極限を超える。だからこそミッションを観ると体中の細胞が活性化していくのを感じる。トムよ、今回もありがとう。
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