「「脱出系オバケ屋敷を期待して入ったらすぐに出口だったけど、途中の展示はけっこう良かった」」異端者の家 自分BOXさんの映画レビュー(感想・評価)
「脱出系オバケ屋敷を期待して入ったらすぐに出口だったけど、途中の展示はけっこう良かった」
劇場予告を見て「仕掛け満載の迷路みたいな家から脱出する話なのかな?」と思ってたら全然違いましたわい。
(YouTubeのCMは、その勘違いを更に加速させる作りになってて、なんともかんとも)
ヒュー・グラントん家にモルモン教の宣教にやって来たシスター二人は快く招き入れられるが、実はヒュー・グラントは、あらゆる宗教を研究した既存の宗教を論破したいオジサンでした。しかも、内面は非常に邪悪なクソ野郎で、二人を招き入れた目的は…。
ホラーと言うより、会話がメインのサスペンス。2つの扉を選んでから脱出までのハラハラを期待すると肩透かしを食らう。実は2つの扉に行く前がサスペンスの山場だったんだよなぁ。
家に入って、にこやかに対応してくれるヒュー・グラントだけど、「あれ、なんかこの状況、ヤバくない?」「でも相手は常識の範疇の振る舞いだし、ここで帰りますって言うのも失礼になるし…」「何とか退室する口実を見つけないと」と、モタモタしている内にどんどん状況が悪化して行く感じは、キャッチセールスや、まさに宗教の勧誘に引っ掛かった時に似ていて、他人事なら無茶苦茶面白いサスペンス。
しかも、ヒュー・グラントの話すモルモン教(他の既存の宗教も)の教義の矛盾点や、バーガーチェーンやモノポリーの普及発展に例えた宗教の話が、「こんな講義授業があるなら聞いてみたいな」と思えるくらいに結構面白くて、聞き入ってしまいましたよ。
「宗教の教え」と「システム」の問題など、観賞後、家に持ち帰って色々考えたりも出来る、小ぶりながらも中々の良作。
例えるなら「脱出系オバケ屋敷を期待して入ったらすぐに出口だったけど、途中の展示はけっこう良かった」という印象でした。
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。