「恐ろしいけれど滑稽」異端者の家 nakadakanさんの映画レビュー(感想・評価)
恐ろしいけれど滑稽
シンプルなワンシチュエーションスリラーで主人公たちがどうなるのかと先が気になり、信仰に対する視点なども面白かったです。
個人的に宗教勧誘などは胡散臭いと考えているものですが、主人公たちの普通の若者らしさや真面目さ、偏見に晒されている様子などが冒頭に描かれ、主人公たち個人には好感を持つことが出来たのでスリラー要素にも引き込まれました。
年長男性と若い女性という年齢差や性差など、何気にパワーバランスを見せつける会話の不穏さも印象的です。
この閉じ込められた状況では聞かされる方は恐怖でしかないでしょうし、若い女性を狙って仕掛けている家主はやはりクズだなと。
宗教等に関する家主の理屈には結構同意できますが、その上で人のために祈ることの尊さが示されるのは良かったと思います。
ラストの蝶は、彼女の魂かと思いグッときましたが、このラストが夢という解釈もできそうで。
脱出できたという方を信じたいですが。
家主の行為は恐ろしいものですが、基本的には若い女性にマンスプレイニングをして悦に入っているだけのおじさんのようで、滑稽さもあり見ているこっちがこっぱずかしい気持ちにもなりました。
昔、路上で幸せお祈り宗教に声をかけられた時、「他人の幸せを祈って意味があるのか」「他人を祈ることで自分も幸せになるとか、自分の幸せのために他人を利用しているということだろう」などと言って論破した気になっていた若い頃の自分を思い出したりもしてしまい、こっぱずかしいです。
コメントいただき、ありがとうございます。
路上で声をかけてくるタイプも、結局は頑なに信心を押しつけてくる感じでした。
理屈が通用しないのは怖いですね。
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