「レゴを踏んだら痛いよ。」SKINAMARINK スキナマリンク Lhowonさんの映画レビュー(感想・評価)
レゴを踏んだら痛いよ。
初期のレビューが散々だった割りには、観客は多め。
これは、時間の無駄と思う人もいると思う。
ブレアウィッチプロジェクトもネタを明かさせて見れば、つまらない。僕のように特典映像の魔女の歴史を先に見てしまうと、真実味が高くなる。先入観なしに、純粋に作品に向き合おう。
森美術館で聞いたことないモダンアート作家の展覧会に行って、出口近くの個室でみる15分くらいの映像作品に、訳がわからないからといって文句は言わないであろう。
これを見ようと思う方は、オオカミの家を見たか、見ようと思ったことがあるでしょう。あれから、壁に描かれるクレパス画をなくし、「マリーア〜」の声をなくし、彩度を下げ、画像と音声のノイズを最大限に上げる。登場人物よくわからない、ストーリー性なし、前説なし。オオカミの家をしぼって残った、オカラをおいしいと思うかどうか。
僕の感想。小さい頃に親類の家に泊まりに行く。知らない環境なのでなかなか寝つけない。他人の家の臭いが気になる。天井の模様が人の顔に見える。冷蔵庫のコンプレッサーからのハムノイズでビックリする。まだ眠っていない大人の断片的な会話が、サスペリアの魔女の会話に聞こえる。それが、100分間つづき、居心地が悪い。映像のノイズが時間の感覚を麻痺させる。ジャンプスケアが入ると条件づけられるので、余計に身構える。何が起こるか予想が付かないので、ノイズを注視し続ける。固定カメラの映像化と思うと、微妙にパンしていたり、zoomされていたり。今度は眠くなる。ハット気付くと、眠っていたのかそうでないのか分からない。ちょっと、焦る。それが、繰り返される。
「あ〜、早く終わらないかな?」と正直ずっと思っていました。ラースフォントリアのキングダムでもそう思うでしょ?それが、制作側の達成目標であるのなら、大成功です。一緒に見ていた方は、まったく音を立てず、ポップコーンを食べるのをわすれ、ドリンクをすすらず、固まっていました。小さい時以来、こんな体験したことない人には、お金を払った会があります。
監督に才能があるのであれば、次回作も面白いでしょう。