「土地の神様目線」HERE 時を越えて ihatakaeightさんの映画レビュー(感想・評価)
土地の神様目線
アメリカのある場所、そこに建てられた一軒の家とその土地に纏わる関わる人たちの営みを悠久の時を超えた定点視点で描いた壮大なドラマ。
完全な土地の神様目線でストーリは描かれる。レンガ建築物が標準的な社会かつ都市開発から取り残された地域が条件。土地が狭く災害が多い木造建築中心の日本において自宅の百年存続には奇跡的かつ相当な維持費用が掛かる。日本人に共感を得にくいテーマだ。日本なら土地の神様は、今頃駐車場かワンルームマンションの壁の中かとか妄想。
ストーリは「わが人生に悔いなし、ご苦労様」系、普通の家庭を描いたので、話の山も大した事はない。104分の尺を持たせたのは、監督及びチームの映画製作の技量の高さだろう。トム・ハンクスはインタビューで「真剣に遊んだ作品にはパワーがある」と、一理あるが一昔前なら膨大な手間が必要で、これを撮る熱量に感心するが、映像技術の発展が著しい現代で説得力は低く、パワーより編集の妙だけを感じた。
残念ながら共感も懐古も感じられなかったというのが正直なところ。
映画作りを極めたチームの遺言作になるかもしれない作品がこれで良いのですか、と上から目線にて失礼します。
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