「悲惨すぎるWW2時のドイツに住むユダヤ人の現実を生々しく」ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 ひでちゃぴんさんの映画レビュー(感想・評価)
悲惨すぎるWW2時のドイツに住むユダヤ人の現実を生々しく
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冒頭の明るいジャズバンド&ボーカルシーンのみ救われる気持ちになるが、
冒頭だから救われるとかではなく、明るいムードはあるが、
ナチスによるユダヤ人逮捕が深刻化してくると、途端にムードが暗黒に一変する。
史実やその時代の実際の映像やナチスを扱った映画を観ても
想像を絶する悲惨な状況だが、本作はそれをユダヤ人ステラの視点で描いており、
実に生々しかった。
ステラがゲシュタポの手先になり同胞の逮捕に協力するに至った変遷を見るに、
誰がステラを否定することができるだろうか?
ナチスによる顔面に傷を負い、歯も抜かざるを得ないダメージを与えるほどの拷問を受け、
絶望せずに生き延びるには、ステラがとった選択は理解できる。
ユダヤ人同胞はステラを軽蔑するが、ステラと逆の立場だったらみんなどうするのだろう?と
思いながら観ていた。
後半、戦後にステラは裁判にかけられるが、自由を得る。
戦後すでにソ連による10年間の禁固刑を受けており、ようやく刑期を終えていたからだ。
しかしながら、ステラの思い・精神状態が自由になって喜ぶといったことはなく、
ずっと心に傷を持ち続け、自死をもって人生を終えるステラの生き方に、
どうしようもなく悲しい気持ちになった。
WW2を取り扱う映画は毎年それなりの本数が公開されているが、
今なお平和にならず各地で戦争が起きている実態について、考えさせられる機会にもなっている。
もう本当に戦争なんてやめてしまって、本当の平和が訪れてほしいと心から思う。
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