「「あなたならどうした」の問いかけの強さ」ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
「あなたならどうした」の問いかけの強さ
ナチス政権下のベルリン。自分がアウシュヴィッツ送りにされるのを逃れるために、ゲシュタポに命じられるまま仲間のユダヤ人をナチスに売ったユダヤ人女性のお話です。自己保身と裏切りに引き裂かれる痛みは、人が生きている限り様々な場面に顔を覗かせます。しかし、命を懸けた煩悶と言うのはやはり容易に正邪の判断は下せそうにありません。
こうした物語では、「あなたならどうしましたか?」というスクリーンからの問いが大きな戸惑いを観客にもたらすのですが、本作ではそれが弱く感じました。それは、彼女と周りのユダヤ人たちの関係性の描写が浅かったので、彼らを裏切るという切実さが迫って来なかったからではないかなと思えました。
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