「性悪すぎる主人公」ステラ ヒトラーにユダヤ人同胞を売った女 jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
性悪すぎる主人公
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良心の呵責を覚えるような描写があるものの、断罪されると激昂して言い返す点や、裁判で自由を手に入れながらも晩年自殺するなど、主人公は精神的に不安定で自己中心的な人物として描かれている。
終盤、「主人公は被害者であると同時に加害者である」との字幕が表示されるが、ソビエトの収容所に捕らわれていた10年間を描写せず、裁判中のセリフのみで説明するなど、本作は視聴者が主人公に対してより嫌悪感を抱きやすいように作られているように感じる。
空爆シーンなど背景CGの質が悪いために違和感を覚える箇所や、画面が暗すぎて何が起きているのか分かりづらい箇所があるなど、映像面はいまひとつだと思う。
一方、主人公が保身ために多くの同胞を死に追いやりながらも、自身は綺麗に化粧をして自殺するシーンには強い苛立ちを覚えた。視聴者の感情を揺さぶることには成功した作品だと思う。
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