「地の果ての村」邪悪なるもの なつ F列さんの映画レビュー(感想・評価)
地の果ての村
「悪魔憑き」が現れた!
しかし、これは私の知ってる「悪魔払い」ではないな〜と興味深かった。
だいたいエクソシストものは教会に認定された神父が聖書や聖水でハラハラドキドキと行うパターンしか知らない。
しかし、この村では教会がない!…だと…
どうする?非常に気になる。
導入からグロい映像の連発でずいっと引き込まれ、続けて起こるショッキングな事件…おぉう…てなる。
悪魔付きとなった男の造形にもビビったが(なんか汁出てる)何より大型犬に噛まれ軽々と連れ去られる子供のシーンは衝撃的だった。だって飼い犬だよ〜さっきまで撫でてたのに。
やたらと犬のシーン多い。真っ二つの死体を嗅いでるのか舐めてるのかわからないけど飼い主に2度追い払われるとか片足の無い犬とか出てきて犬好きとしては辛かった。
地の果てにあるような小さな村でのエクソシストなので、この悪魔付きや悪魔の対処法が正しいのかさっぱり想像できない。
その辺や人間関係も深掘りしないので、想像を膨らませて注意しながら視聴しないと取り残されてしまう。
「殺したらお前の妻のお腹の子供に乗り移ってお前に最初に会いに行くぞ」なんて恐ろしい煽り文句!!
祖母から語られる悪魔付きに対抗する7つのルール。銃で殺してはならない、灯りをつけてはならない、動物に近づいてはならない、悪魔の名前を呼んではいけないなどなどそんなルール知らないぞ。
悪魔の名前なんて調べて呼ばないといけないのがエクソシストの基本なのでは?ウォーレン夫妻も言ってたよ。
子供を連れて首都へ逃げようとするペドロとジミー。
しかし、悪魔の手から逃げられない。
かつて教会を営み詐欺を行い教会を潰し、実際に悪魔払いに出会いそれからは真面目に「悪魔処理」を始めるミルタ。
「払う」ではなく「処理」似ている様で別物だなぁ。
そして、まだ悪魔は産まれておらずそれを「堕胎」させに行く。うーん斬新。
エクソシストとは完全に別ルートと理解理解。
そもそも、十字架もないな。あぁ異次元の村の話ね。
悪魔と子供は引き合うって小学校にやってくるミルタとペドロ。あぁ!入り口に見覚えのある毛布がある!
確実に悪魔の影響をバリバリ受けてる子供達の囁きとミルタの指示に戸惑い焦り、がなり散らかし愚かにもミルタを犠牲にするペドロ。
この時、錯乱していたとはいえ幼い少女にビンタかますのはどうなの?嫌われて最悪な結末を迎えても決して同情されないフラグを立てた瞬間。それ以前にも愚かとしか言えない行動ばかりだったけど。
あの映写機みたいな謎道具を使ってどんな悪魔処理を行うか楽しみだったのに…ペドロめ…
大人なら落ち着いて識者の指示に従いましょうを守れない人間にイライラ。
最終的に血まみれの息子、悪魔となった子と付き従う少年少女たちは朝日に向かって歩き出す。
食い尽くした地の果ての村から都会へと。
そしてもう1人の息子は口から髪の毛を吐く。
それは悪魔付きの証。人間を食べた証。食べられたのはきっと祖母。
絶望と悲しみしかないペドロは空に向かって叫ぶ。いつまでも。
血の刻印の様につけられた額の手形はなんだろう?
次の悪魔処理係になるのかな。
想像は尽きない。
わりかし斜め上のショッキングシーンが多発でこれは良き良き。ストーリーとしてよりネタ的に楽しめたかな。