劇場公開日 2025年1月31日

「終始落ち着きが無い主人公」邪悪なるもの Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5終始落ち着きが無い主人公

2025年2月8日
iPhoneアプリから投稿

監督の前作「テリファイド」は落ち着きを保ちながらじっとり来る嫌味なホラーで、そこが魅力だったが、本作はその世界観を踏襲しつつ、ややパニック的描写もある様に思えた。その要因の1つとして、主人公は大いに関係しているだろう。主人公は我が道を進み過ぎて人を巻き込んでしまうタイプの"ヤバイ人"である。劇中でも近隣住民や無能な警官らからも良くは思われていない様だ。突然の様に教会が終わった世界という設定であり、かなりの世紀末感があるが、それありきで生活する人々らは中々不気味である。特にナレーションで解説する事なくいきなり放り込まれる為、ある程度慣れていないと置いてきぼりになるかも知れないが、ウイルスの様に広まっていく"悪魔憑き"は明らかに関わってはいけない存在だし、憑かれない為の7つのルールたるものも存在している。それにもろ関わった主人公らの行動に巻き込まれて死んだ人間が何人いるのか。
それを突っ込み出したらキリが無いが、鑑賞後に訪れる何とも言えぬ気分を味わえばそれも吹き飛ぶだろう。

どうもグロ描写が全面に押し出された様なイメージが付いているが、実際はそこまでの残虐シーンは無い様に思える。これらのシーンについては自分の顔に斧を叩き付けるシーンが恐らくベストだと思う。それ以上は予告編を超えて来る事は無かった。観ているこちらが慣れているという事も考えられるが、グロ目的では観なくて良いだろう。
本作の1番の楽しみ方はやはりその世界観にどっぷり浸る事だ。劇場の大画面で鑑賞するか、スマホ等の小さい画面で観るかによって本作の楽しみ方が変わってきそうだ。

Mina