「映画が臭う!!」邪悪なるもの Paula Smithyさんの映画レビュー(感想・評価)
映画が臭う!!
この映画には、入り口も出口もない!
Evil comes in many forms, and
whether you are male or female,
that doesn't matter as much as
what lurks in your mind.
ヤングアダルト向け小説家サバア・タヒア(New York Times-bestselling)の語録より そして何よりもこれより
The Man Who Can Scare Stephen King...
の見出しで始まる "American Heritage" による1995年のコラムより一部抜粋
“Lovecraft. . . opened the way for
me,” writes King, “as he had done
for others before me.... it is his
shadow, so long and gaunt, and his
eyes, so dark and puritanical, which
overlie almost all of the important
horror fiction that has come since.”
邪神の名前である「Cthulhu」は、本来人間には発音不可能な音で現在でもハッキリとはしていないので、建前上「クトゥルフ神話」と呼ばれている。その神話の創設者であり怪奇小説・幻想小説の先駆者の一人で、しかし、無名のままこの世を去ったH・P・ラヴクラフトと言う人がいた。付け加えると、何故、このような事を載せるのかというと本作の "悪" が人の理解の範疇を越えた邪神とあたしは捉えている為に
話を映画に戻すと...
Mom: You don't kill evil like that,
it will be worse.
Her son: If you kill him, you die.
Mom: It will take our bodies, it will
take our souls. Don't do it,
please, it will make it worse.
この警告を無視したジミーとペドロの兄弟は、今後、果てしのない悪夢を見続けることとなる。
ストリー展開やシナリオ自体は単純明快で分かり易くできていて、それでも本作『When Evil Lurks』が人々を夢中にし虜にさせるのは、想像もできない "モノ" の設定と精巧にできたギミックによるゴアな表現であり、その巨大化したヒキガエルともジャバ・ザ・ハットとも例えることもできるウリエルの気色の悪さや血生臭さ、そして、彼の体から流れる浸出液のグロテスクさは画面を見ているだけで臭ってきそうにも感じる。ただ、少し誇張ですので失礼しました。(※そんなゴア表現の中でも映画製作者に対して好感が持てるシーンがある。あまり詳しくは言いたくはないが、少女を〇めるところでは、何故か稚拙な人形で代替えをしていた。)
Mirta: Evil loves children.
And children love evil.
ウリエルとは何者なのか?
『ペトロの黙示録』にも登場するウリエル... "最後の審判" の時に全ての魂を席に着かせる役割を担い、「懺悔の天使」または「地獄の支配者」として描かれ四大天使の中でもマイナーで知る人は少ない。何故なら、ウリエルだけが堕天使となった理由かもしれない。天界にいる天使が堕落すれば、追放され地上まで堕ちた天使は人間に、またさらに深く堕ちた天使は悪魔になったとされる。
covid-19を彷彿とさせる最も悪質に残酷で心の深淵をえぐるような不安で不快な際どい映画となっていて、アルゼンチンの日本では敵わない程の特殊効果には拍手を送るほどで、しかも筋書きをシンプルにしたことで、家族の崩壊が手に取るように分かる描き方をすることで最後のツイスト・エンディング的ファクターに活かされているのかもしれない。
前出のラドクリフがこんなことを語っている。
The oldest and strongest emotion
of mankind is fear, and the oldest
and strongest kind of fear is fear
of the unknown.
深淵と言えば「人生や世界は無意味であり、道徳的な基準は存在しない」と表現しているニヒリストで後に若くして病死をしたニーチェの言葉は、映画の本質を捉えている。
"Whoever fights with monsters
should see to it that he does not
become a monster in the process.
And if You Gaze Long into an Abyss,
the Abyss Also Gazes into You"
最後に
7という数字
"Remember the Sabbath day, to keep it holy"
the Sabbath day:安息日
何故一週間が7日になったのかは、ユダヤ教の十戒の第四条からで、もう少し説明を加えると「神は6日間で世界を創造し、7日目に休息し、その日を祝福し聖なる日とした。」
南の島にいた時、日曜日になると大手のスーパーからショッピングモールに至るまでシャッターを閉めて休業をしていた。なれない旅行者が食料品を買う方法といえば、デイリーという個人経営(移民の方が多い)のコンビニのようなショップが、開いていた。そんなことは長続きしないし、天国でしか成立はしないので、経済破綻の結果、現在は、スーパーは日曜日も開いています。(※ジュースなんかを自動販売機で手軽に買えばいいジャンなんて、日本でしか通じません。その当時、島で唯一のコーラの自販機は、ぶっといチェーンでグルグル巻きにされていました。)
そして、キリスト教では別の呼び方をする"七つの大罪"
"七つの大罪" の存在も忘れることは出来ない... のではなくて、忘れることを禁じていると言えるかもしれない。
皆さんは、7をラッキー・セブンとか言って、幸運の数字として捉えている方が多いかもしれないけど、あたしからすると...