「軽妙洒脱ってやつかな」オークション 盗まれたエゴン・シーレ ゆみありさんの映画レビュー(感想・評価)
軽妙洒脱ってやつかな
楽しい映画でした。スリルとかサスペンスとかエロスとか、そういったものとはまったくの無縁。ナチスに略奪されて以来、永く消息不明になっていたエゴン・シーレの名画が発見され、その名画のオークションを成功させるために、オークションハウスの競売人である主人公が東奔西走するというストーリー。競売成功のための駆け引きや、これに関わる人たちの軽妙で洒落た会話、やりとりが楽しい。また名画の発見者である工場で働く青年の無欲で素朴な振る舞いに心癒される。
*ここからは映画と直接には関係のない話。発見された絵の作者が28才で夭折した変態とも揶揄される(芸術家なんて大方そんなものだけどね)エゴン・シーレっていうのもなんかいいですね。ミステリアスな感じがして。またエゴン・シーレが通っていたウィーンの美術学校って、シーレが入学試験に合格した翌年にヒトラーが受験していて不合格になったという話もおもしろい。シーレの絵画とヒトラーの写実的な絵画を見比べるとさらにおもしろいです。
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