劇場公開日 2025年1月24日

「父と息子が喧嘩別れし、息子が病死しても葬儀にも出ぬ父 四十九日に、...」美晴に傘を woodstockさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0父と息子が喧嘩別れし、息子が病死しても葬儀にも出ぬ父 四十九日に、...

2025年6月6日
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鑑賞方法:映画館

難しい

幸せ

斬新

父と息子が喧嘩別れし、息子が病死しても葬儀にも出ぬ父
四十九日に、その息子の妻と娘二人が来訪、そのまま祖父宅に滞在。

父は寡黙な漁師。
娘二人のうち姉は自閉症で聴覚過敏、姉妹仲良し、母がつきっきり。

出だしは戸惑い、揉めることも何度も。
話して素性が見えてくるにつれ、慣れたのでしょうか
心を徐々に整え、想いを馳せる様子。

それぞれの心中、最後にはすごい量の言葉の洪水のように溢れ出してきて
圧巻でした。

小さな街らしい、誰もがご近所の顔見知りなところ
かつて心当たりがある、懐かしい感じがします。
余市には行ったことは無いのですが。

本作の音声ガイド、チュプキさん制作、特に聞きごたえが濃密でした。
人物の機微,
なにが主語か, なにが注視されるか
ことの順序
監督ご本人が終始ナレーション, とても理解が深まりました.

劇中ですでに、オノマトペの多用、書道の筆順(書き順)など、"言葉" に使う神経がただならぬものを感じてはいましたが。
上映後の監督トークはむしろさっくばらん。ギャップに, いい意味で驚き, 楽しめました。

一点だけ気になったままのところ
ハイデガー "存在と時間" 書籍が複数回登場された、その目論見が気になりました。
(若いころ, 読もうと試みて, 早々に挫けたことが何度も)

woodstock