「善次の思いが変化していく所が良かった」美晴に傘を りあのさんの映画レビュー(感想・評価)
善次の思いが変化していく所が良かった
北海道の小さな漁村で漁師をしてる善次は、20年以上前、詩人になりたいと言った息子・光雄とケンカ別れしてから一度も会っていなかった。その光雄がガンで亡くなったと連絡を受けたが、東京で行われた葬儀にも出席しないまま日が経ち、四十九日を迎えようとしていた。そんな時、光雄の妻・透子が娘の美晴と凛を連れ、光雄の遺骨を持って北海道の善次を訪ねてきた。初めて会う息子の嫁と孫の訪問に戸惑い、また孫娘の美春は聴覚過敏の自閉症で、接し方もわからなかった。そんな美晴を守るのに必死な透子と、外に踏み出したいと思いながらも不安を感じると布団に逃げ込んでしまう美晴。町の人々とも交流するなかで、善次、透子、美春の3人は光雄の事を思い出しながら、自分自身の中から湧いてくる声に・・・そんな話。
亡くなった光雄を通して、善次、透子、美春、そして凛の思い、変化が見所だった。
親は子の事を思い不安定な仕事だと苦労するから反対する気持ちもわかるが、多くの場合、後悔する事になるのが本作でもわかる。
聴覚過敏な自閉症の姉を持つ凛がひねくれずに姉の手助けをしたりして良い子だなぁ、って思った。
美春のユニークな音を感じる発言、詩集とかに出来ないものか、なんて思って観てた。
善次役の升毅、透子役の田中美里ともに落ち着いた演技が良かったし、美晴役は難しかっただろうと思うが、日髙麻鈴が見事に演じてた。
凛役の宮本凛音の家族を思う自然な演技も良かった。
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