ピアノフォルテ

劇場公開日:2025年9月26日

解説・あらすじ

多くの世界的ピアニストを輩出してきた、世界最古かつ最高峰の舞台であるショパン国際ピアノコンクールに挑む若きピアニストたちに迫ったドキュメンタリー。

ショパンの出身国であるポーランドの首都ワルシャワで、5年に1度開催されているショパン国際ピアノコンクール。出場するだけで名誉なことで、入賞すればその後の成功が約束されるとあり、世界中の若きピアニストたちがその頂点を目指し切磋琢磨している。

本作では、反田恭平さんと小林愛実さんという2人の日本人が入賞を果たした2021年・第18回大会の舞台裏を追い、コロナ禍で1年延期となった大会に臨む6人の出場者を取材。審査は1次から本選まで全4回、21日間にわたって行われる。ポーランド、ロシア、中国、イタリアなど国籍も育った環境も異なる6人が、それぞれ葛藤や苦悩を抱えながらも全身全霊をかけて競技に挑む姿を、臨場感たっぷりに映し出す。

2023年製作/89分/G/ポーランド
原題または英題:Pianoforte
配給:コピアポア・フィルム
劇場公開日:2025年9月26日

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映画レビュー

4.0 ピアニッシモとフォルテッシモの間のどこか。

2025年10月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ちょうど一昨日に第19回ショパン国際ピアノコンクールが終わった。入賞者ならびにファイナリストは下記の通り。
1位 エリック・ルー(アメリカ)
2位 ケヴィン・チェン(カナダ)
3位 ワン・ズトン(中国)
4位 桑原志織(日本)
4位 ティエンヤオ・リュー(中国)
5位 ヴィンセント・オン(マレーシア)
5位 ピョートル・アレクセヴィッチ(ポーランド)
6位 ウィリアム・ヤン(アメリカ)
F 遠藤美優(日本)
F  デヴィッド・フリクリ(ジョージア)
F  ティエンヨウ・リ(中国)

2回連続のファイナリストはいなかったわけである。遠藤さんは前回は本選には進めず、でも今回はファイナリストになった。立派である(この映画でも予選のポスターにちらりと顔が出ている)
映画の話をすると、ショパンコンクールのドキュメンタリーというと審査員側や運営側も取り上げて、と考えがちだが、本作品は出場者だけ。清々しいほどシンプルな作りである。
ただ、早く脱落する人、本戦手前まで進む人、本戦に行く人、それぞれを取材できていて映画が成り立つわけで、全員本戦に行けませんでしたでは困る。トータル何人追いかけていたのか分からないけど、うち4人は本戦に進んだわけで、なかなかの目利きといっても良いかもしれない。(マルティンが棄権したのは想定外だったみたいだけど)
もちろん、ドキュメンタリーなのであまり意図的な筋はつくっていないけど、なんとなく、エヴァとラオを対比するような構造になっているような気はする。
この二人は17歳で同い年。かたやモスクワ音楽院所属のばちばちロシアピアニズムの継承者という感じなのに対して、一方はごく普通の高校生で団地の台所の脇に置いてあるアップライトピアノで練習していたりする。
ロシアピアニズムのメソッドでいうと、正しい音というものはピアニッシモとフォルテッシモの間の何処かに「必ず」存在する。それを厳しいマンツーマンのコーチングで身につければ表現だの情念だのもついてくる。ところが、今や、YouTubeなんかで良い演奏は共有される時代となった。それがこの映画でいうとラオ・ハオの善戦に表れているということなのだろう。
ちなみに先行レビューにある「ピアノフォルテ」というタイトルは勝者を表す、という解釈だが少し違う。fとPには別に上下関係はない(技術的には全く違うものだか)ピアノフォルテは大きな音を出せるようになった近代ピアノをそれまでのピアノと区別するため付いた名称である。わざわざこの名称をタイトルにしたのは1台でオーケストラに匹敵するデカい音を出せるこの楽器を弾きこなし、たくさんの聴衆(YouTubeで12万人!)を魅了する全能感がタイトルに込められているから。
作品の時点から五年たった。今回のコンクールではファイナリストは2名を除きすべて東洋系が占める結果となった。中国でのピアノ人口は3000万人という。時代は変わったということなのだろう。

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あんちゃん

5.0 「ピアノフォルテ」の意味

2025年10月20日
iPhoneアプリから投稿
ネタバレ! クリックして本文を読む
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harukazu

4.0 ピアノの受賞レースの世界。。。

2025年10月14日
PCから投稿

チャレンジする若者、挫折する者、

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東條ひでき

4.0 根性なしの自分には刺さる

2025年10月13日
Androidアプリから投稿

最近ちょっとクラシックの公演に行きだした初心者です
もう最初の一音からスゲ~、って思ったけどこのコンクールに出る人はみんなこのスゲ~をやってるんですよね…スゲ~…
私も好きこそものの上手なれ、な仕事をしてますが、頂点を目指すとか、高みを目指す努力ができない人なので、この毎日の鍛錬にはほんと感服しかありません…

レビュー読んでるとちょこちょこ出てくる不満事項についてですが、
カナダの優勝者含めスペインや日本の入選者は個人的な映像使用拒否だったんでしょうね
You Tubeなどで演奏やインタビューは見られるので、別にこの映画でそこに不満を持つことはないのではないかな

ほぼロシアと中国のティーンエイジャーの二人がメインなんだけど、見事に正反対なのが興味深かった
いやーロシアの先生、めっちゃ怖い!どっかもっと褒めてあげて!って泣きたくなるくらいダメ出ししかしない…
中国の男の子は先生とほっこりほのぼの可愛かった
ポーランドの子は開催国だしプレッシャーに押しつぶされちゃったのか、猫とのやりとりが可愛かったので残念だったけど、これからも止めずに弾き続けてるといいな
名前も出てこなかったけど、予選通過せずも帰国前に空港のピアノ弾いちゃう子とか、ミスったー!って反省会してる子とかもね

そしてイタリア勢は三人三様だけどそれぞれ演奏が大好きなのが伝わってきて和んだ
見終わって映画館出る手前に2位のアレクサンダーの日本公演のチラシが!
彼はほんとに1人独特だったので、行ってしまおうかしら

そして現在進行系の今年のショパンコンクールの予選結果(10/133次通過)に、アジア系の台頭すげーな、とええー?!という気持ちになりました!

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kogeru