「さすがにこの感情の動きは」満ち足りた家族 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
さすがにこの感情の動きは
起ちあがりが早いね。あっという間に人が亡くなる。
観てる途中で「このあっという間に亡くなった事件、関係ないんじゃ?」と思うんだけど、一応、効いてくるね。
そこから金持ちというか上流階級の嫌なところを描いてくね。
韓国の人は権力者や金持ちが嫌いなんだろうなといつも思う。
そして金持ちの子供二人が浮浪者襲撃事件を起こしちゃうのね。
それが動画に撮られてて公開されちゃうの。
そこから兄、弟、弟嫁の葛藤が始まんの。
ここの感情の動きは、それぞれの事情絡めて考えるとよく分かるね。
そんなに葛藤しない兄嫁だけど、この兄嫁だけが下層階級出身なんだよね。
だから、兄嫁だけが、作中ずっとまともな判断してんの。
それで、襲撃した浮浪者は亡くなっちゃうのね。子供は殺人犯だよ。
自首させるという弟と隠蔽を主張する兄、弟嫁。
弟が食欲なく食事を口に運んでると、兄から電話が来るんだよね。
それで電話が終わると、元気に食べ始めんの。
だから、ここでは「自首させるって決めたんだ」と思ったのね。
そしたら、兄が、亡くなった浮浪者のお母さんに大量のお金を押し付けて、それで終わりにしてんの。なんで? 弟はなんで元気に飯食ったんだ。
そして弟はキャッチボールして子供と語り合います。
このときも二人はたぶん New Era の帽子かぶってんだよね。UNIQLOの1,900円の帽子とかじゃない。6〜7千円するの。金持ちなんだよ。お父さんはNIKEのTシャツだしね。
息子も反省した様子だし、まあいいかって感じ。
しかし、子どもたちは全く反省していませんでした!
ということが分かって、兄は「やっぱり自首させる」に変わるの。
兄は、あっという間に人が亡くなった事件の加害者の弁護をしてんのね。この加害者がエエとこのボンボンでどうしようもないの。
だから兄は「自分がやっていることは、このボンボンみたいのを作ってしまうことでは」と思いつつやってたんだよね、だからここで心変わりは、まあ分かる。
それを弟に告げると、弟は今度は自首に反対すんの。
ここが、分からない。
ずーっと曲がったことが大嫌いでやってきたのに、なんでここで真逆になってんだろ。
なんで元気に飯くったんだ問題だね。
ここが無理に感じたから、ラストも「なんだかなあ」だったな。
でも、そこ以外は面白かったよ。
あと「子供は何を考えてるか分からない」という描写にして徹底的に無表情で描くのね。そこも良かったよ。