シンディ・ローパー レット・ザ・カナリア・シングのレビュー・感想・評価
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タイトルそこからなんか
来日公演のチケットがたまたま取れたから観てみた。
シンディ・ローパーがいかなる人生を歩んできたか全く知らなかったので勉強になった。
80年代の明るい雰囲気の曲のイメージが強いが、母の再婚者が暴力をふるうような男でそこから自由になりたい、というのが歌手としての動機の一つなんだなと。
あと、秘書やったり古着屋で働いていた経験もあるということも知らなかったし、そもそもヒット曲を出した時点で30代に入っていたことすら初めて知った。
母親をMVに登場させていることも知らなかった。
早くから女性へのエールを送っていたし、自身は結婚して子供もいるが、親しいLGBTの友人がいたことからずっとLGBTに関する運動もやってきたのだなと。
ラストシーンでバイデンまで出てくるがシンディ・ローパーの人生としては必然性があったのだということは伝わった。
音楽と政治は切り離して欲しいけどシンディ・ローパーの人生を語る上では切り離せなかったのだろう。
映画としては映像が残っていない出来事をアニメで表現しているのはオシャレな感じがした。
印象に残っている表現で「この世界に入ってくる若い人は失敗をおそれる」「しかしそもそも私は生きるだけで精一杯。失敗だらけの人生」という感じのことをシンディ自身が言っており。成功してるように見える人もやっぱりその人にとっては紆余曲折の結果だよね、という納得感と説得力があった。これくらい売れた人が言うからこそ説得力があるし、これからの人に向けたありがたいエールである、と個人的に受け取った。
あとタイトルの付け方もいい。裁判で勝って再び歌えるようになり「カナリアに歌わせろ」と裁判官が言った言葉を使っている。この言い回しがそもそも素敵だしタイトルとして選ぶのもいい。
So unusualを貫くこと
生まれてから現在に至るまでのエピソードが
お馴染みの曲も交えながらコンパクトにまとまった
とても見ごたえあるドキュメンタリー。
恵まれない家庭で育ったが、自分の信念を貫き
長い下積み期間を経て押しも押されぬスターに。
歌のみならずファッションやアートにも造詣深く
多様性を尊重する生き方を何十年も早く、しかも自然に実践している。
70才過ぎているという事実に驚いたが
まさしく年齢は数字に過ぎない、を体現。
変わらぬオリジナリティ、可愛さ、強さを備えた素敵な女性。
しばらく彼女のMVを探してじっくり鑑賞する日々が続くかも。
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