アーサーズ・ウイスキーのレビュー・感想・評価
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敢えての陳腐さは英国流のひねくれたユーモアか
自分がもし20代に若返ったら何をしたいだろう?と本作鑑賞を機に妄想してみるのもいい。ただしメインキャラ―のシニア女性3人たちが6時間限定の若者になって実行することといえば、ナイトクラブに繰り出して羽目を外したり、元夫に復讐したり。故人のアーサーが遺した魔法のウイスキーは量が限られているのに、貴重な若さをそんなありきたりなことに浪費していいの?ともどかしい思いも。
3人の行動と同様、脚本も行き当たりばったりで、とりとめがない。公式サイトのあらすじや予告編で筋の8割方を明かしているので、その範囲で書くけれど、終盤の大きな“冒険”がラスベガスで遊んだり、スカイダイビングしたりって、「最高の人生の見つけ方」ぽいよなあと感じたり。そういえばあの映画の原題は「The Bucket List」で、こちらの「アーサーズ・ウイスキー」でもバケットリストが作成される。陳腐なネタだらけなのだが、それも敢えて狙った英国流のひねくれたユーモアだろうか。それにしても、イギリス郊外に暮らす3人の70代女性たち、資産も教養もそこそこありそうなのに、身も心もアクティブになって“遊び納め”のつもりで行きたい場所がラスベガスってどうなんだろう。イメージに合わない気がするが、案外リアルな憧れなのか、それとも「シニア女性の願望なんてしょせんその程度でしょ」という作り手の皮肉なのか。
本人役で出演したボーイ・ジョージが「Karma Chameleon」を歌っていて、80年代洋楽を愛聴した身として懐かしかったが、でもなんで英国からベガスに飛んだご一行が英国人アーティストの彼に遭遇するのとちょっと疑問に思い、調べてみた。スーザン役で本業は歌手のルルが、キャスティング段階の当時、実際にベガスでレジデンシー公演(1つの会場で中長期にわたって多くの公演をを行うこと)をやっていたボーイ・ジョージに直接出演交渉したのだそう。ただし劇中で彼がステージで歌うシーンは、ロンドン郊外のサリーにセットを組んで撮影したようだ。ま、本筋には関係ないトリビアでした。
ダイアン・キートンさん遺作
イギリス映画らしく若返りの秘薬はウィスキー、若返りと言ってもシンデレラ並み、6時間程度で効果は切れてしまいます。そんな秘薬をおばあさんが手に入れたら独り占めだろうに友達と分け合うところが見あげた友情、若返ったら人生のやり直しっぽい展開はコメディ志向だと理解できるが、私なら研究記録を探し製薬会社に駆け込んだでしょう、ノーベル賞でも足りないくらいの大発明なのに勿体ない。ラスベガス旅行がクライマックスっていうのは俗っぽいと思ったら最後はスカイダイビングとは・・。
劇中でもリンダ(ダイアン・キートン)は死んでしまいましたが、ダイアン・キートンさんは10月11日に79歳で死去、本作が遺作となってしまいました、ご冥福をお祈りいたします。
やりたかった事
良作です。
若返る前も後もどちらも可愛いですね
【”人は老いる。それが自然の摂理。けれども・・。”今作は不思議なウイスキーを飲み若返った三人の女性が、”ありのままの自分で生きる気持ちが大切”と言う気持ちに気付くファンタジックストーリーである。】
■発明家の夫、アーサーを落雷で失ったジョーン(パトリシア・ホッジ)は、バスで席を譲られても座らない。
リンダ(ダイアン・キートン)は、元夫カールが自分より若い女に走った事で、心に傷を負い老いに抗う。
料理好きのスーザン(ルル)は、恋愛に奥手のまま、年を取った事を悔いている。
そんな、仲良し三人組は、ある日アーサーが発明したウイスキーを見つけて飲むと、20代に若返っている事に驚喜する・・、が。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・コメディタッチで物語は進むが、随所で結構深い台詞が出たりする。上手いなあと思ったのは、3人が夫々、若きときの生き方に悔いを持っている点と、それにより、老いに対し拒否感を持っている姿の描き方だろう。
余り、深刻過ぎず、けれども軽くはない描き方。
・若返った三人は、最初は狂喜するが、直ぐに元に戻ってしまう事と、若くなっても何故か心が満たされない事に気付いて行くのである。
そして、その原因が若きときの悔いにあると気付いた三人はその悔いを埋める行動に出るのである。
・ジョーンは、若きときにはタブー視されていた同性のカレンが生きている事を知り、会いに行くし、リンダは自分を裏切った元夫のカールの所に行き、強烈なキスをかましカールの同居の女を怒らせ、スーザンはキッチンカーの男との距離を縮めていくのである。
■3人が、ラスベガスに出掛けるシーンは楽しいし、可なり驚く。ナント、ステージにはボーイ・ジョージが居て、昔ながらの声で明るく”カーマ・カメレオン”を軽やかに謳いあげるのである。ビックリしたし、嬉しかったし、自分の生き方を変えずに生きるボーイ・ジョージの姿が見れただけで、満足しちゃったぞ!!
けれども、朝、リンダがホテルの部屋で亡くなっている姿が、発見されるのである。この映画はファンタジーではあるが、決して老いという現実を軽視していないのである。
<最近、会社で思う事は30代の頃のキツサが減ったかなという事と、同期の連中で、しょぼくれて笑顔が無くまるで生気のないように見える男と、元気溌剌でいつも笑顔で皆に頼られ、生き生きと働く奴と、イロイロと変わって来たなと感じる事が多くなってきた。
今作を観ていると、ヤッパリ自分らしく、いつも口角を上げて色んな人に接していれば多くの人に頼られて忙しいから、それが逆に元気になるきっかけになるし、今作の3人を見ていると、常に好奇心を持って背筋をまっすぐにして、前を向いて歩く大切さと、何でも話せる友人がいる事の大切さを感じたかな。じゃーね。>
以外?と良かったストーリー
配信(アマゾンレンタル)で視聴。
よくあるストーリーだが、発明家で雷に打たれ亡くなった夫が飲んでいたウイスキーを飲んだ年配の御夫人3人組がウイスキーを飲んで若くなった。その若さを活かし自分を取り戻す姿に共感。以外?と良かった。予告編を観てもスルーしてしまったが、改めて観て良かった。設定は?だが、共感できたので0.5点おまけ。若い頃に戻りたいと思った作品。
共感しながら心は泣いている
タイトルなし(ネタバレ)
「年齢は数字」ってセリフがあるが、実存主義に即して考えると、数字と言っても加算される「量」だと思う。
言うまでもなく、彼女達のやる事は年をとってからもできる事。
ボーイ・ジョージのショーが見れるなら、ラスベガスをトランジットに使った時に行けば良かった。
ロンドンのウェスト・エンドでこう言ったドラッグクイーンもどきのショーを見た事があるが、英語が分からなくとも笑えた。この映画のボーイ・ジョージは口パクだね。
実存主義の西洋だものファンタジーと言えど、結果はこれで良い。もっとも、外見が変わると未来も変わるらしいが、この設定では残された時間が短い。故に自分を変える事は出来ない。
もし、自分がそうなった場合。
やはり、カフカの「変身」見たくなるね。部屋に閉じこもり不安になるね。「もう一度人生やり直すの?」
素晴らしい作品です。
英国お得意の、お年寄りが主人公のハートウォーミング映画かとおもっていたら、オープニングから雷鳴とどろく、SFコメディか?というシーンでスタート。
3人の女性を、年配バージョン、若者バージョンが入れ替わり立ち代わり演じるのだけど、年配バージョンの3人が素敵すぎる。
ダイアン・キートン、パトリシア・ホッジ、ルルがチャーミングなこと。
その3人が若返って、「最高の人生の見つけ方」的な冒険をするんだけど、当然、歩いてきた人生の苦しみやら悲しみやら後悔やらと向き合っていく様は、むしろ若い人に見てほしい。
先週、テレビで昭和の名曲みたいな番組をみていて、妻が「ボーイ・ジョージって何してんの?」っていうから「亡くなったんじゃないか?」なんて話してたばかりなので、登場した時にはちょっと震えたし、「カーマは気まぐれ」を歌ったもんだから、アメリカ人張りに上半身をゆすって踊ってしまった。
途中、ドラグクイーンにダイアン・キートンが悩みを打ち明けてアドバイスをもらうんだけど、完全にマツコ・デラックスとそのファンという感じ。
ドラグクイーン系の人は「あるがままの自分を受け入れる」ということにずっと悩み、苦しみ、乗り越えてきたからだろうけど、世界共通で包容力をもっているんだなと。
素晴らしい作品でした。
年齢は記号にすぎない
冒頭はホラー映画かよっ!?的な演出だが、ここでよもや主人公ジョーンの夫アーサーが亡くなるとは!
アーサーが遺したウイスキー🥃を飲んで若返る
ジョーン、リンダ、スーザンの3人。
最初に若返るシーンは非常にコミカルで笑えた。
今の3人と若返ったときの3人を6人の俳優が演じていて、
キャラを壊さずにうまくスイッチできているのがすごいと思うし、俳優の為せる業だと思った。見事。
若さを謳歌する3人だが、
やはり“今”の人生がこれでよかったか、この先どう生きるのかを、死生観とともに考えるところが
本作の本質的なメッセージであろうと感じた。
それはラスベガスに遊びに行った3人に色々なことが起きることで加速するし
リンダはもとより、ジョーン、スーザンの行動及び相手の反応には涙が出た。
予告だけみると、本作は60−70代の女性がターゲットと思っていたが、
実は若い人たちに観てほしい作品だ。
若いときから悔いのない生き方ができるよう、また、年を重ねたときに良い人生を歩んでいると
感じてほしいと思う。
若返ることであらためて人生を見直す&悔いのない生き方に気づく作品だが、
若いうちに心に刻んでおきたい。私も若いときに本作に出会いたかった。
スーザンの名言「年齢は記号にすぎない」。これが刺さった。元気と勇気をもらった。
自分らしく生きるファンタジー
イギリス映画はもともと好きで
友だちがいるって最高
夫が造って、遺してくれてあったウイスキーで めっちゃ羽をのばし、どんどん羽目を外す女たちの物語.。
「俺は死ぬけど、あとは君たちで元気に生きて、好きな夢を見なよ」って言ってもらえて幸せと思うよ。
男が女よりも短命なのは、生前は威張りちらしていた男たちからの、女への最大のプレゼントです。
映画のおかげかな?
皆さんのレビューが、どれも口調が揃って、ユルくってね、そこがなんとも面白いの(笑)
僕は結婚記念に梅酒を漬けたんです。
台所の下の戸棚の奥に、大きな梅酒のガラス瓶があるんです。
25年ほどで離婚したんですが
宿六のオイラの出ていったあとで、彼女はあの梅酒を呑んだかどうだかです。
ちょっと知りたいですね。
家も土地も、梅酒もあげました。
悔しいから○○○コでも入れときゃ良かったですかね? いい色になっていたはずです。
「やりたい事リスト」は三者三様で輝いてます。
若い男に抱かれたいなんて、そりゃあそうかも知れないけどね、タメイキでした。
で、元嫁には大親友の女ともだちが二人いるから大丈夫なはず。三人で僕の悪口で盛り上がってもらいたいね。
人生の賭けはラスベガスです。
勝ちもあれば負けもある。泥仕合にならぬように途中でディールをやめる人もいます。
生きるって、こんなにワクワクして楽しいってことだ!
自分らしく楽しむ人々
「今を楽しみなさい」
歳を重ねるのも悪くはない
若返ったら……なんて誰もが想像するけど、やり直したところで楽しさは一時だけ。さほど燃え上がりはしない。
でも過去に置いてきた気持ちを起こして素直に向き合えたら?
忘れかけていたわくわくドキドキをまた楽しめる。
限りある人生を楽しむのはいつだって出来る。その時に時間やお金やちょっとした勇気がないだけで辞めてしまって言い訳を探してしまいがち。
取り戻してみたくなるキッカケのウィスキー。でも1歩目を踏み出すのは自分自身ですよ。
そう思わせてくれる素敵な作品です。
年齢なんてただの記号でしょ、とはなかなかいかない
若返った時のカフェ店員との会話、「(は?何言ってるの?)アールグレイにミルクは入れないわ」 が印象的。
年齢を重ねて、新しい事に対する柔軟性がなくなってたけど、若返りを繰り返していくうちに、考え方も変わっていった主人公。やはり普通にしていたら、体の衰えに気持ちもついて行ってしまい、いわゆる「老ける」状態になってしまうのだな、と。逆に言えば、考え方を意識して変え、新しいことに挑戦し続ければ若々しくいきれるのだろな、と思える。
若返った3人娘のクラシックなファッションが可愛い。
登場人物が、癖はあれどいい人、やさしい人たちばかり。
ベガスのバーの大人な男性が素敵。あんな風な良い年の取り方をしたいので、色々経験して、それを重ねて丁寧に生きていこうと思わせられた。できるかな・・
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