ブラックバード、ブラックベリー、私は私。のレビュー・感想・評価
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それはシングルじゃなくてツインです。
ジョージアの片田舎の村で日用品店を営む48歳の女性エテロの独り暮らしの変化の話。
断崖の川岸でブラックベリーを摘んでいたら、野鳥のクロツグミに目を引かれ滑落しそうになって始まって行くけれど…えっ!どういうこと?そうだったらという妄想ってことですかね…。
そしてなぜだか、店に配達に来るオッサンに発情!?
あらすじ紹介を読んでいないと、発情以外の変化はわかりにくいけれど、村の女性たちから蔑まれる様な言動に憤慨したのは変化って事なんですかね…。
一応コミカルなお話しではあるし、なんならそれでどうすんの?なブッコミのある終盤だったし、それなりには面白かったけれど…という感じかな。
ラストの意味不明。わかりにくい心情の女性作品
で、どうなったのか。気になるなぁ。
中年の危機に人生を花開かせるヒントをくれる
予告編を見て、この映画が「冴えない中年独身女性」の物語であることを知りました。僕自身も独身で中年という共通点があり、なんとなくシンパシーを感じました。同時に、この映画が人生の停滞から、どうやって希望を見出すのか、どんな「幸せの見つけ方」を提示してくれるのかに興味を抱き、観に行くことにしました。
映画館は満席。この地味にみえる映画の人気の高さに驚きました。観ている途中で、ちょうど同じ映画館でリバイバル上映されていた『バグダッド・カフェ』の主人公ブレンダを思い出しました。太った中年女性で、少し心を閉ざしているように見えるという共通点があり、どちらも「人生の実り」が中年期に訪れるという点でも重なります。
主人公エテロの冒頭での臨死体験で、「メメント・モリ」というテーマが浮かび上がります。彼女の内面で何かが劇的に変わった。しかし、周囲の人々は彼女を「未婚のまま中年になった気の毒な女性」としてしか見ておらず、彼女の変化には気づきません。
この映画は「遅れてきた青春物語」でもあります。48歳のエテロは、経営する小さな雑貨屋の売り上げも芳しくなく、店の前には新しいスーパーマーケットが開店準備中という状況。太っていて、顔つきには険があり、誰から見ても「終わった人」と見なされる存在です。しかし、そんな彼女が内面的な変化を経て、少しずつ輝いていく様子がじんわりと希望をくれるのです。
エテロの変化は劇的ではありません。「ちょっとだけ変わった」程度です。しかし、その些細な変化が彼女の人生に影響を与え、周囲との関係性を少しずつ変えていきます。内面的なほんの小さな変化が大きな可能性を生み出してくれるのです。
この映画を観て感じたのは、「劇的な行動を起こさなくても、小さな変化が人生を変えるきっかけになり得る」ということ。エテロの物語は、中年期を迎えた誰もが抱える「危機」の物語であり、彼女の一歩が人生を変える様に、勇気をもらえる映画です。
美しいジョージアの風景や古い家族観を持つ周囲との不調和もこの映画を深みのあるものにしており、物語に彩りを加えています。
劇的な展開はないものの、それだけに心に静かに、でも確実に届く映画でした。
2025初映画でじんわり幸せ
感想ぶちまけるので、これからの方は読まないで!
ヨガ帰りのいい時間にネットで最後の一席ゲット。
人気ぶりは席の埋まり具合で一目瞭然。期待値マックスでポップコーン片手に着席。
とにかく前半は、既婚者にのめり込んで、またその甘い言葉を鵜呑みにして免疫のないエテラが傷つく展開になるのではないかとハラハラしていた。超凡人の想像力で、やめろやめろと心の中で叫び、ガンかも知れないと病院に向かう所、女友達にハグされ力になるからと励まされ、いやー、それみたことか、やっぱこの救われない展開ねーと、この映画を選んだことを後悔し始めていたのだが…
最後のまさかの展開にグッと来てしまった(涙)。
思ってみれば単純かもしれない結末ではあるが、演者達の何とも言えない暗い演技と、田舎町の封鎖的な雰囲気が、あの結末を想像させてくれなかったのである。
いやー、いいサプライズ。
ナポレオンパイのサイズもサプライズ。
人生の縮図
2025年の1本目。今回もIMDb、RottenTomatoesの評価の高さだけを信じ、トレーラーやあらすじに触れることなく本作をチョイス。元日の朝にオンラインで前売りを買うためサイトへアクセスすると、すでに席がチラホラ埋まっています。金曜ですが多くの方がまだお正月休み中、結構混むことは覚悟の上でしたが、ヒューマントラストシネマ有楽町12時10分からの回はフルハウス。作品への期待が高まります。
作品は48歳エテロの約2か月間に見る「人生の縮図」。不意を突く滑稽なシーンや、ポロっと出る台詞に思わず笑ってしまうようなことはありますが、けして面白かったりほっこりしたりするような作品ではありません。ただ観始めればもうエテロから目が離せない。冒頭こそ穏やかな雰囲気で始まりますがそれも数分のこと。いきなり起こるハプニング以降は終始、エテロが自身の死生観とがっつり向き合いながらの日々。小さな村でプライバシーを守ることすら難しかったり、ヒリヒリするシーンやストレートに辛辣な会話など、けして生きやすいとは言えない環境ですが、強い意志で自分の「生きる」に立ち向かいます。
作品性から言ってもシネコンで掛かるようなタイプの映画ではありません。評価が高いとはいえ万人向けではなく中高年以上、特に女性には深く刺さるところがあるであろう本作。終わり方も余韻に浸るにはこの上なく、正月から観れば自ずと「人生」について考えてしまうような作品。感慨深い一本です。
ナポレオンパイが食べたくなります(笑)
新年早々に抜群に面白い映画に出会いました!
ジョージアの田舎の村に住む、天涯孤独のアラフィフ独身女性、エテロが主人公。
独身を貫いたことで、影に日向に口さがない村人がかなりどぎつい噂話を、いや度々本人に直接あからさまな嫌味を投げかけますが、筋金入の独身女性は心の底では少し傷つきながら、そんな素振りは露ほども見せずに小気味良い反撃を繰り広げます。
細やかな雑貨店を営みなから、このまま村で老いて、やがて静かな老後を過ごすはずだったのに…
ちょっとした、けれど本人にとっては大問題の小さな事故をきっかけに、何十年も止まっていた時計の歯車に油を指したかのように、代わり映えしないエテロの人生が軋みながら動き始めます。
あまり馴染みがないジョージアの風景、風俗、村人たちの振る舞いが物珍しく、派手な見せ場は皆無であるにも関わらす、ラストまで観客を飽きさせない巧みなストーリー展開を存分に堪能しました。
鑑賞後、多分ナポレオンパイが食べたくなります(笑)
劇場の近くの店をリサーチしてからお出掛けになることをおすすめします。
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