私の想う国のレビュー・感想・評価
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民主主義ってなんだろう
2024年は民主主義の根幹であるはずの選挙というものについて再考を迫られる年だったなと思って、2025年最初の映画館で観るのはコチラのドキュメンタリー作品をチョイス。
ポスターを一瞥しただけだと一瞬、中東の話かと勘違いしそうだが、舞台は南米のチリ、サンティアゴで、2019年に地下鉄料金が30ペソ(現時点のレートだと5円ほど)値上がりしたことがきっかけで反対運動が起こり、その運動はやがて保守的で家父長的なチリの社会構造に異を唱えて民主化を推し進めるために150万人もの人々が参加する大きな社会運動に繋がっていく。その運動の中心にいたのが若者と女性たちで、本作はデモに参加した、ポスターにもなっている、目出し帽を被った若い母親や、初めて議会で要職についた先住民族マプチェの女性などへのインタビューを交えながら、2021年に世界最年少の36歳という年齢でブリエル・ボリッチが大統領に就任するまでの様子を描いている。
政党主導のもとに行われてきた旧来の政治運動とここで描かれる運動が決定的に異なるのが、女性や若者たちが中心であること以外に、特定のイディオロギーやカリスマ的なリーダーによって引っ張られたものではなく、自然発生的に自らの生活・人権・尊厳を守りたいという人々が集い社会構造を揺るがすうねりとなっていったことだろう。
怒りを露わにすることを嫌い、一生懸命黙って耐えることを美徳だと捉える人も我が国には少なくないであろう。でも、生活が苦しいと内輪でだけ愚痴っても行動に移すことはせず、大規模自然災害から1年以上経つのに復興が進まなくても仕方がないと我慢するだけで本当にいいのだろうか?などと年末年始の報道と対比しながらあれこれ思いを馳せた正月。
目出し帽の美女に誘われて
チリから亡命してきた詩人パブロ·ネルーダと島の青年の友情の映画イル·ボスティーノ。
複雑なチリの歴史も知らずに、ポスターの目出し帽の女性の瞳に惹かれ、新宿はケイズシネマへ。
えっ、これが2019年?
地下鉄運賃値上から始まった民衆運動はサンチェゴの広場での軍隊との衝突に発展。歴史的な町の石畳を剥がして作られる投石。催涙弾に放水車。新宿西口ゲリラや安保運動の映像しか比べるものを持ち合わせていないせいもあり、ものすごく近〜いドキュメンタリー映像の臨場感に衝撃を受けました。ヤラセ映画のちゃちなお芝居なんかみてられんませんわ。デモに集まったものすごい数の民衆を映すドローン映像は必見。
デモで鳴らされる打楽器のリズムはさすがラテンアメリカで、しびれちゃいました。
熱い。熱くて若い人たち。
カッコいい女性たち。
血が違うんだよなぁ〜
長期化。継続は力なり。
よく国民投票、憲法制定議会にまで漕ぎ着けたものです。政治家も長い間ぬるま湯に浸かってなんもしなかったのは自覚してたんでしょう。
会議議長は先住マピチュ族の言語学者の女性。
2023年に世界一若い大統領誕生。
これからチリの歴史を勉強するかも😅
この国はいい国になりそう。
いいなぁ。
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