配信開始日 2024年11月29日

「ビートルズしか勝たんビートルマニア!時代に呼応した無自覚な開拓者たち、必然の渡米」ビートルズ ‘64 とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ビートルズしか勝たんビートルマニア!時代に呼応した無自覚な開拓者たち、必然の渡米

2024年11月30日
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14日間のアメリカ初上陸旅行に同行。ケネディ(JFK)の死から数カ月後、悲しみに暮れて喪に服していた米国を英国産リヴァプール式ユーモアとずうずうしさ -- そして明るい音楽 -- で席巻。イギリスの現象と侵略そして異常な熱狂。カメラに笑って!僕たちなりのユーモア。
本作はぼくにとって見終わった後に満たされるのに、今手伸ばしても届かないものへの想いでやっぱりどこか切なくさみしくなるような作品だ。"ビートルズ"というあらゆるカルチャーにとっての革命が本人たち以外の部分 -- 周囲の環境 -- によって加速加熱された側面があり、本人たちにとっては無自覚な部分があったことを本作は提示する。その過程で、時に後追い1ファンとしてありがたや~と崇めたくなるような当時の貴重な映像に映った彼らの姿に親近感も覚えてしまう。神聖さと人間らしさの間にぼくらもまた彼らに夢中になって、なんだか胸が苦しくなってしまうよ。

つながり。等身大にすぐふざける若者たちの様子を収めた貴重な映像と、同時に世間アメリカ社会の大騒ぎっぷりというギャップに、その瞬間その場に立ち会った一人ひとりの貴重な証言も。女の子たちはじめ熱狂する人々の様子を捉えて、当時のそうしたファンたちのインタビューも交えた構成。ビートルズ初期の曲に歌われていたようにファンとの絆に、無論エド・サリヴァン・ショーも。
音楽時代は一聴した印象だと最高にポップだとも思うけど、最高にロックンロール。"スーツにボウル頭という悪夢のようなビジュアル"イェーイェーイェー!だって、今では普通なマッシュヘアで長髪とあれだけ拒否反応示されまくった時代だもんな。音楽だけでなく、そうした面ですら道を拓き、今日まで続く影響を及ぼしていること、彼らが残したものはあまりにも大きく計り知れない。
ビートルズな何かを導いたのではなく名目、ほしてマストの上から叫んだ"大陸発見"!半世紀以上経ってもこうやって事あるごとに一つの時代、一つの側面にスポットを当てた新たなドキュメンタリー映画などが製作されるビートルズマネーの偉大さと、それらが改めて示す歴史的瞬間の重要性。デビューからの実質の活動は60年代だけで10年にも満たないのにだ!伝記映画もキャスティングから楽しみだな。
みんなビートルズの子供。音楽は癒やし、それが音楽の力。最後にデヴィッド・リンチの言葉を引用したい --「音楽は火や水や空気と同じで必要不可欠なもの」。

「歌って!」「お金が先だ」
BEATLES 4 EVER
「ラブ・ユー・ドゥ」「ラブ・ミー・ドゥだ、間抜け(wanker)」
「ジョンやジョージが生きていたら?」「愛してる。リヴァプール人は言わないが、彼は兄弟も同然だった」

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とぽとぽ