「現実と虚構の境目がなくなる映画」未完成の映画 Jaxさんの映画レビュー(感想・評価)
現実と虚構の境目がなくなる映画
アップリンクの試写会で観賞。
日本でも最近増えてきたモキュメンタリーだが、ロウ•イエ監督はこの作り方がなんとも上手い。最初30分は映画の撮影を巡るドキュメンタリー風だが、それ以降は殆ど未曾有の感染症に振り回されるスタッフたちや武漢の人々を描いている。実際のスタッフがスタッフ役で出演するなど、リアル感に一役買っている。
コロナ禍における武漢の実際の映像などを織り交ぜて進行するストーリーを見ている内に、現実と虚構の境目が無くなりそうだ。
筆者はコロナ禍のときにNZに住んでいたが、スーパーや薬局など生活の必須な店舗を除いてレストランも小売店もオフィスもすべてが閉鎖され、映画の武漢と同じように人気の消えた街を思い出した。ディストピア映画のようで何とも奇妙な心地にさせられたものだ。
あれを経験したからこそ身に迫る映画であると思う。コロナ禍を知らない人からしたら単なる記録映像に見えるのかもしれない。
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