小川のほとりで

劇場公開日:2025年12月13日

解説・あらすじ

韓国の名匠ホン・サンスが、ソウルの女子大学を舞台に演劇祭をめぐる学生と大人たちの恋愛模様を描いた群像劇。

演劇祭が間近に迫ったソウルの女子大学。講師として働くテキスタイルアーティストのジョニムは、校内で起きた恋愛スキャンダルの穴埋めをするため、有名俳優で舞台演出も手がける叔父シオンを臨時の演出家として招く。演劇祭に向けて寸劇作りが始まるが、学生たちの恋愛事件の余波や、先輩の大学教授とシオンとの新たな恋の予感など、10日の間にさまざまな出来事が起こる。

ホン・サンス監督の公私にわたるパートナーである俳優キム・ミニがジョニム役で主演を務め、2024年・第77回ロカルノ国際映画祭で最優秀演技賞を受賞。共演にもホン・サンス監督作の常連俳優が集結し、ジョニムの叔父シオンを「WALK UP」のクォン・ヘヒョ、シオンを慕う大学教授を「あなたの顔の前に」のチョ・ユニ、三股をかけてクビになった演出家を「旅人の必需品」のハ・ソングクがそれぞれ演じた。日本では、2024年・第25回東京フィルメックスでは「スユチョン」のタイトルで上映。ホン・サンス監督のデビュー30周年を記念して5カ月連続で新作を上映する企画「月刊ホン・サンス」の第2弾作品として2025年に劇場公開。

2024年製作/111分/G/韓国
原題または英題:By the Stream
配給:ミモザフィルムズ
劇場公開日:2025年12月13日

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8

(C)2024Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved.

映画レビュー

5.0 遡行から未来へ。

2025年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

2024年。ホン・サンス監督。芸術デザイン系の女子大学で働く女性講師は、学生たちの演劇が行き詰ると、元俳優兼演出家の叔父を呼んでくる。叔父の大ファンだという女性教授を交え、学生たちと大人たちの特別な日々が始まる、という話。
過去に何かがあって不遇の日々を送っているという叔父の「何か」は明かされないまま物語は進む。テキスタイル作品を制作する女性講師はソウル中心の漢江を遡るように連作を制作中だが、大人たち3人がよくいくうなぎ屋の傍らを流れているのもその上流だということが最後に明かされる。学生たちの演劇の行き詰まりの原因も徐々に明らかにされていき、叔父と姪の関係も過去にさかのぼりながら明らかにされていく。川の遡行、時間の遡行。「遡行」は明らかにこの映画の主題だ。
ところが、ただ遡って終わるわけではない。演劇を終えた女子学生たちが、演出家の求めでそれぞれの将来の希望を「詩」として涙ながらに述べるとき、そこには彼女たちのこれまでを踏まえて、これからが力強く宣言されている。叔父は姉(つまり姪の母)をめぐる過去の確執に触れて興奮し姪と衝突してしまう。ところが、そこでも互いに知らなかった事実を知って素直に和解し、今後の交流を誓い合う。「遡行から未来へ」が主題なのだ。
うなぎ屋の傍らの小川を一人でさらに上流へとさかのぼり、いったん消えるものの、笑顔で再び現れるキム・ミニの姿で映画は終わる。この楽天性が映画だ、と言いたくなる。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
文字読み

3.5 カムサハムニダが、いつもより多い!

2025年12月16日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

濃淡はあれど、普段の何気ないつながりの中で、誰かが誰かのためになり、支えになり、平和を感じ、少しだけ昨日よりも生きやすくなる。そのことにカムサハムニダ。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
そろそろだな。

3.0 今の私ではない人に…

2025年12月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

即興詩のシーンがとても良かった。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
Mr. Planty

4.0 フィルメックスで見ました

2024年12月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 1件)
wyeth