劇場公開日 2025年1月31日

ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうたのレビュー・感想・評価

全33件中、1~20件目を表示

4.0メロディと記憶が優しく交錯し、言えなかった思いを奏でる

2025年1月31日
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鑑賞方法:試写会

夜のしじまに優しい音が鳴り響く。そこには可能性に満ちていた頃の若かりし自分がいて、次の瞬間、全ては夢だと知る・・・。このイメージとともに幕を開ける本作は、かつて10代でリリースして鳴かず飛ばずだった兄弟デュオのアルバムが30年後、思いがけず再評価される物語だ。すっかり中年となった兄弟はこの出来事をどう受け止めるのか。優しくも静謐なタッチで綴られる現在と過去の交錯が感動的。特に才能あふれ、現在も音楽を生業とする弟(ケイシー・アフレック)の秘めたる感情が明かされるたび、誰も否定することなくそれを受け止め、繊細な余韻が作品全体にゆっくり沁み渡っていく。この家族はなんと正直で思いやりある人たちなのか。しかし優しさゆえに引き起こされる葛藤がそこにはあり、30年間、向き合ってこなかった感情に向き合うことで、物語にさらなる深みが生まれる。兄役ウォルトン・ゴギンズ、父役のボー・ブリッジスの輝きも忘れ難い。

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牛津厚信

4.0夢の挫折、セカンドチャンス、家族愛の興味深い実話を丁寧に描く俳優陣の繊細な演技

2025年1月30日
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鑑賞方法:試写会

悲しい

楽しい

幸せ

ケイシー・アフレックはアカデミー賞主演男優賞を受賞した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の役柄に近い、過去の出来事を引きずるナイーヴな男ドニーを繊細に体現。だが彼だけでなく、兄ジョー役のウォルトン・ゴギンズと父親役のボー・ブリッジスもまた、音楽の才能に恵まれたドニーを支え、時に傷つきながらも変わらぬ愛で絆を守り続けた家族を味わい深く表現している。

音楽業界に限らず、才能あるアーティストやアスリート、起業家などが夢を実現させたのち挫折する筋なら実話でもフィクションでもよくあるが、ドニー&ジョー・エマーソンの場合は1979年に自主制作するもまったく売れなかったアルバムが約30年後に注目されるという、展開のユニークさでも観客の興味をそそる。原題の「Dreamin' Wild」は彼らのアルバムタイトルに由来するが、Dreamin(g)は動詞dreamの現在分詞で、形容詞wildは「荒い、激しい、無謀な」などの意味。動詞+補語の文型と解釈して直訳調の題にするなら、「果てぬ夢見て」という感じだろうか。

ドニーの妻を演じたズーイー・デシャネルは、俳優業と並行してShe & Himという音楽デュオでも活動し歌のほかにギターやウクレレを演奏するが、劇中ではドラムやパーカッションを叩いて多才ぶりを発揮(パーティー会場やスタジオリハでの音は実際の演奏の音源をそのまま使っているように思える)。コーラスで少し歌うシーンもあるが、もっと彼女の歌声を聴けたらなおよかった。

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高森 郁哉

5.0名もなき者は、ボブ・ディラン、名もなき家族はドリーミン・ワイルド

2025年3月8日
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 タイトルは偶然に似ているが、ボブ・ディランを知らない者はいない。

 一方、ドニー&ジョニー・エマーソンを知っている人は皆無である。

 広大な敷地を持つ、ある家族が、男兄弟の音楽の才能に投資をして、自腹でドーナツ版や、宣伝活動をするも、芽が出ず、多額の借金を抱えて父は破産する。

 長男のドラム担当お兄ちゃんは、さっさと音楽に見切りをつけて、肉体労働者に、

 音楽を捨てきれない弟は、音楽スタジオ勤務で、メシを食っている。

 そんな時に過去に発売されたアルバムが突如、注目され、音楽プロデューサーがアルバムの再販とツアー活動を持ちかける。

 早速、ツアーの為に猛練習をするのだが、お兄ちゃんが何度も、何度も、同じとこでトチるんだ?これが?

 弟は当然、激怒ぷんぷん丸。同じ曲を四時間もかけるという地獄に何とか耐えたバンドメンバーは、

 復活ツアーをやるが、演奏途中にもトチるお兄ちゃんに曲の途中で、呪い言葉をかける弟。

 打ち上げで皆が喜ぶ中、

 こんなヌルいライブ、やってらんねぇよっ!?

 と、キレまくる弟。爆風スランプが二人になった時、ポルノグラフィティが二人になった理由もこんなんだったのでしょうか?

 ツアーは中止、兄弟の仲は修復可能になる。

 さぁ?どうする、どうなる?

 まぁ、今も音楽活動しているというと、EDロールで字幕が出るので、推してしるべしだが、

 その仲直りする過程がねー?いいんだなぁー、これが?

 博多にわかせんぺい顔のエイドリアン・ブロディがブルータリストで、語っていた、

 大切なのは、過程ではなく結果だ。

 という台詞があったが、過程を知っているからこそ、結果が楽しめるのではないのかい?

 俺が知っている英語は、アイ・ラブ・ユーだけなので、このデュオの歌詞は字幕でしか分からないのだが、

 どの曲もいい曲で、まるで音楽の満漢全席やぁぁぁ!!

 ボブ・ディランの映画で、音楽映画が好きになって、次の音楽映画を探している、そこのあなた、3時のあなた!

 絶対に損はしないぞ?オススメです!!

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病人28号

4.0その想いを重ねて

2025年2月26日
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泣ける

幸せ

30年前に制作したアルバムが再評価され、再び夢に歩み始めようとする男と、その夢を応援していた家族の物語。

当時は見向きもされなかったアルバムだが、思いもよらず偶然開けた道に向かい、あの頃のように兄と再び曲を奏でるがやけに神経質なドニー。そして当時の曲を演奏することに何か躊躇いがあるようで…。

終始、夢に対する想いと家族の温かさに溢れたヒューマンドラマ。

ちょっと夢への傾倒が強すぎた感はありますが、理想的な家族ですね。

ドニーの才能を信じ、大切なものを投げうってでも彼を応援したお父さん。しかしその本当の願いは…。

ジョーも素晴らしい。劣等感やジェラシーもあっただろうに…。30年ぶりに一緒に練習を始めるときの彼の嬉しそうな表情ときたら…しかし…。

バンドの軋轢あるあると言えばそうだが、何故こんなにもドニーは神経質に?しかし観ていくほどにその理由は浮き彫りになり…。成る程ねぇ。。

夢を追った男の挫折と後悔の深さがよく表されているし、楽器をやっていた男なら誰しも気持ちはわかりますよね〜(涙)!!

そんななかでも、ドームやアリーナでもなく、思っていた未来とは違えど、大切な人と大切な人の前で演奏ができること、いくつになっても変わらぬ親子であり続けられる幸せに、涙が溢れそうになった良作だった。

ズレていたのはリズムだけではなく…ってことですね♪

しかし、ジョーの「大切な人がいた…」はミスリード…!?ドニーの隠された過去って、絶対そっち方面のことだと思ってしまったのだが(笑)

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MAR

5.0ケイシー・アフレックが素晴らしい

2025年2月22日
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鑑賞方法:映画館

主人公ドニーの気持ちが、ストレートに伝わってきた。
30年前の作品が、急に今、「人々に爆発的に評価されている」と言われても、ずっと音楽から離れずに、生業としてきた身からすれば、「なぜ、今まで30年間の自分の活動を評価してくれなかったのか」ということになると思うし、30年前の自分とは明らかに感性も環境も経験も変わってきている今、10代のあの時の勢いや表現を求められて後ろ向きな「自己模範」をしても、劣化コピーになってしまう。
加えて、そこに、自分の才能を信じて身を引いてくれた兄や、援助を惜しまなかった父母に対して、これまで成功を届けられなかった後ろめたさが加わった心中は、さぞかし複雑だったことだろう。
それを表情や振る舞いで、抑制的かつ豊かに表現したケイシー・アフレックが、とにかく素晴らしかった。

兄も父も当然いいが、それ以上にナンシーが最高すぎる。兄のドラムの持ち味を見抜く彼女のセンスの確かさと、ドニーとの関係性は、実話に基づくが故のサービス的な表現かもしれないけれど、心底惚れてしまう。

こう来るかというラストシーンも、大好きでした。おすすめ!

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sow_miya

4.0家族愛

2025年2月20日
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鑑賞方法:映画館

家族愛。
実話ベースというが、まぁなんというかどんでん返しみたいなことは起こらない。
家族間の行き違いみたいなものも結局家族愛ゆえ。一から十まで家族愛。
歌手でもあるズーイー・デシャネルはともかく、ケイシー・アフレックも超歌ウマだった…

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ぱんちょ

3.0ワンモアタイム、ベイビー

2025年2月16日
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鑑賞方法:映画館

ケイシー・アフレックは流石に上手い

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sugar bread

3.5兄弟愛が感動できます。

2025年2月16日
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10代の頃に兄弟で製作したアルバムが30年振りに再評価されてブレイク。
その後のサクセスストーリーと思ってましたが、実は兄弟と家族愛のヒューマンドラマ作品でした。
地味なストーリーですがケイシー・アフレックとウォルトン・ゴギンズの兄弟愛が素晴らしくそれだけでも感動できます。
騙し合いや悪人が登場する話ではなく地味な展開ですがじんわりと感動できる良心作でした。
実在の人物のエンディングもなかなか良かったです。
おススメ度は普通のやや上

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Yoji

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年2月13日
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田中スミゑ 90歳

3.5家族が好きだからこその苦しみ

2025年2月13日
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鑑賞方法:試写会

青年期に兄と作ったレコードが長い時を経て脚光を浴びる

自分以外の家族は素直に喜んでいるけど、どうしても心から喜べない主人公ドニー

終盤、喜べない理由が明らかになり、それがとてもとても共感を覚えた

家族ゆえに応援したい

家族の期待に応えたい

でも家族だから本音を言えない

縁が切れたら、大嫌いになれたらどんなに楽だろうか

繋がっているからこそ、大好きだからこそ苦しいものがある

家族関係を考えさせられる内容だった

これが実話ベースだから余計に共感

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スクラ

5.0よいお父さん、お兄さんに囲まれて

Mさん
2025年2月8日
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幸せな主人公だなあと思った。
この手の映画は楽曲が気に入らないと厳しいと思うのだが、(私はほぼ全ての曲があまり好きではなかったのに)映画としてはよかったと感じた。
スタジオの壁にブルース・スプリングスティーンと思われる(ボヤボヤだったので幻のような気もするが)写真があったのがうれしかった。
「ベイビー」はイーグルスの「言い出せなくて」によく似ていた。

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M

3.5実在の人物を描く限界か

2025年2月6日
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鑑賞方法:映画館

製作から30年たってアルバムが再評価された兄弟デュオの話。
30年見向きもされなかったのに、急に注目を浴びるってどんな気持ちなんだろうと考える。単純に喜べるのだろうか。本作で描かれるのは、家族の絆だけではない。兄弟でこの再評価への感じ方が違ってくるという、音楽に対して向き合い方の違いだった。それは才能の違いとも言えるかもしれない。
「Dreamin’ Wild」というアルバムは、素晴らしい楽曲のつまったアルバムだった(サブスクで聴いてみたら本当によかった)。たしかにドラムの拙さが目立ったり、まだ洗練されていない印象を受ける。でも、それがまたいいと感じるのも事実だったりする。時代が変わって初めて受け入れられたのもわかる。
兄との関係、両親への思い、兄弟それぞれが愛した相手。後半、もっと大きな出来事(過去のトラブルが明らかになる等)があるのかと思ったが、そこまでのレベルではなかった。だから感動も薄め。ここらへんは実在の人物を描いているからあまり膨らませることはできなかったのだろう。それでも、控えめながらじんわりと感動したのだからそれなりの評価とさせてもらった。

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kenshuchu

3.0ズレているのは…

2025年2月6日
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幸せ

30年以上前に作ったアルバムがレコード会社に絶賛されて、再発のオファーが来た兄弟の話。

妻とレコーディングスタジオを経営しつつ、イベントなどでバンド演奏をして食いつなぐもジリ貧な弟に、レコード会社から電話があったと兄貴からの連絡が入り巻き起こっていくストーリー。

元々音楽のセンスがあったが挫折した弟の、この機会に賭ける思いからの刺々しさと、そしてそんな弟を理解している家族。

最後はちょっとホントにわかっているのか?と感じたけれど、現在の様子をみるにちゃんと大人になっていましたね。

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Bacchus

4.0え?そっくり過ぎん?

2025年2月5日
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でも、声は本人の方が厚みがあっていいね

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みのまる

3.0実話と聞いてしまうと、 『こんな人が周りにいたら、私には無理』とか...

2025年2月4日
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実話と聞いてしまうと、

『こんな人が周りにいたら、私には無理』とか、

そういうこと思ってしまう

お兄ちゃんとか、お父さんとか、

いい人たちに囲まれて良かったですね

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jung

3.5父の言葉に胸を打つ! お前の歌声が聴きたかった もっと!だから後悔は無いんだよ。

2025年2月4日
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泣ける

楽しい

幸せ

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The silk sky

3.5いつでもお前の味方だ

2025年2月4日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

難しい

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カズユキ

4.0家族がgiftedだったら

2025年2月3日
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なんで音楽ネタでケーシーアフレックなんだ?と謎だったが、かなり拗らせた人のお話し、適役で見ていて納得だった しかも歌上手いしお兄さん役はびっくり!アントマンに出演してた俳優さんだった、ドラム演奏シーンはどう演ってたんだろう、とてもサマになっていた
才能認められてブレイクしただけでもラッキーなんだろうけど、何だよ今更なお気持ちょっと分かるような気が それにしてもスタジオまで作っちゃったお父さんがメインだけど信じて支えた家族はなんて愛に溢れているんだろう スポーツに秀でた家族が居るご家庭もあるあるかな、そう思いました 自分だったら後悔はないなんて言えるだろうか、他の事にお金かければ良かった、皮肉の一つも言いたくなりそうだ 本人が感じている圧や恩義といった複雑な思いもよく伝わってきた
埋もれている名曲、名アーティストはもっと沢山存在するのかもしれませんね
ケイシーアフレックがout of touch歌ってたのには大興奮

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ゆう

4.0彼らに贈られたギフトは、家族の息遣いの中で生まれる特別なものだった

2025年2月3日
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悲しい

知的

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Dr.Hawk

2.5ドニー・エマーソン・・・知らんかった

2025年2月2日
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知的

寝られる

1970年代後半、ワシントン州で暮らす10代の青年ドニー・エマーソンは兄ジョーとデュオを結成し、父が自作してくれたスタジオで数々の楽曲を作った。しかし、制作したアルバム「ドリーミン・ワイルド」は世間から見向きもされなかった。約30年後、このアルバムがコレクターにより、埋もれた傑作として再評価された。そんな実話に基づく話。

聞いたこともない歌手の話で興味が持てなかった。
ドニーの妻役のズーイー・デシャネルは魅力的で、もっと観たかったかな。
104歳と迷ったが、哲代さんにすれば良かったかも。

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りあの