劇場公開日 2025年2月7日

「阿部寛の独壇場も、脇役陣にもっと見せ場が欲しかった」ショウタイムセブン ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0阿部寛の独壇場も、脇役陣にもっと見せ場が欲しかった

2025年2月14日
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鑑賞方法:映画館

興奮

テレビ局、アナウンサー、ジャーナリズム、
これらの抱える問題点を、浮き彫りにした、
フジテレビ騒動の、真っ只中なこの時期に、
これ以上は無いタイムリーな公開日を迎えた、
報道サスペンスモノの作品。

作品全体に連なる、謎解き要素の部分と、
破壊的テロリズムが与える緊迫感が、
物語の終盤まで維持され、
予告編の期待感と、遜色ないレベルで面白かった。

ただ、低予算だったのかなあという、
野外のテロ描写が、
外国映画のそれと比べ、少し残念だったのと、
良くも悪くも、主役の阿部寛の独壇場になり過ぎていて、
劇中の報道番組の中心人物だった、
生見愛瑠や竜星涼の見せ場が、
もっとあっても良かったのかなあ、とも思った。

特に生見愛瑠こと、めるるは、
たったあれだけの、出番やセリフ量だけで、
演技力があると伝わるのは、ただ事ではない。
数年後には小池栄子のような、バラドルから大女優になっても、
不思議ではない存在感だった。

それから、プロデューサー役の吉田鋼太郎は、
「太陽は動かない」でもそうだったが、
現代劇で、組織内を狡猾に立ち回ろうとする、
オジサン業界人をやると、
本当にいそうな業界人になる。

どちらかというと、業界の「花形」からは見放され、
長く不遇を味わってきた、俳優人生なのに、
世渡り上手な人間を配役されると、
「本物」に見えるから不思議だ。

物語は、テロ行為の物理的整合性に、
少し違和感があり、
ネタバラシ辺りから、少しグダったりもしたけれど、
全体を通しての見応えはあった。

良かった演者
阿部寛
生見愛瑠
竜星涼
吉田鋼太郎

ソビエト蓮舫