「パッとしない内容と阿部寛の怪演」ショウタイムセブン 白猫ロックさんの映画レビュー(感想・評価)
パッとしない内容と阿部寛の怪演
ワクワク、ハラハラする期待をもって、久しぶりに映画館に足を運んだ。
しかし、開始早々、「あ、ダメだ」と。
ステレオタイプの汚職政治家。
大犯罪をおかす犯人の、その声の軽さ。
犯人と主人公のキャスターの、相乗効果ではなく、打ち消し合う狂気性。
女性キャスターの手前で爆破したが、アレはどうやって仕掛けた? 犯人と共謀した人間がそれをするには、立場が違いすぎる。それをこちらが想像しないといけないの?
結局、映画というかこういう作品でも、誰か「感情移入」できる対象がないとダメなのではないか。
アメリカの24は、自分は面白かった。
舞台が日本ではないので、非日常的な話を受け入れるハードルが低いからのもあるが、ジャックバウアーがそういう対象であり得たから成り立ったドラマだった。
そうでなければ、単に荒唐無稽で終わった作品だった。
主人公のキャスターがダメなら、せめてこの犯人に対してそう感じられる属性をもって欲しかったが、後半でてきた姿をみると、ただのチンチクリンでしかなかった。
まぁ、文句ばかりだが、それでも阿部寛の怪演は光っていた。画力というか顔力というか。それは流石だった。
しかし、ほとんど、それしかない映画だった。