「イカれた犯人よりもイカれたヤツら」ショウタイムセブン かばこさんの映画レビュー(感想・評価)
イカれた犯人よりもイカれたヤツら
韓国映画のリメイクとのこと。オリジナルは未見です。
テレビ局の不祥事が世の中を騒がせているこの時期に公開とは、タイムリーでラッキーな映画かも。
ニュースも所詮はショウビズの一部、キャスターはじめ、テレビ関係者のイカれっぷりがさもありなん。折本なんて、イカれた犯人に「お前、イカれてる」と言われてて笑った。
事件を利用して返り咲こうと張り切る折本が、生き生きと本当に楽しそうだったので、最後の言葉は言わずもがな。でも、この本音をテレビで言うことに意義がある。
土壇場を臨機応変に乗り切る折本はかなりかっこよかった。
犯人の動機が「裏切られたから」という「情」なのが韓国っぽい。
一番の恨みは、事故を隠蔽した電力会社でも、その電力会社とズブズブで便宜を図る総理でもなく、そこなんだ。
お陰でいくつもの隠蔽された悪事が露見したので、結果的には犯人は報われたのでは。
電力会社の事故は追求されるだろうが、電力会社と首相のアレは、うやむやにされそうな気はする。
展開が早く勢いがあって、ハラハラ・ドキドキで見ていたが、犯人が分かったあたりから失速気味になり、ラストは正直尻すぼみ。
折本の「実況」の結果はどうだったんだろう。
長身でスタイルよく適度に胡散臭く、あの年で顔面のアップに耐える阿部寛、適役すぎ。
めるるの女性アシスタントは、声が鬱陶しくウザかったが、「ばかじゃないの、たかがテレビじゃない」の一言で存在意義爆上がり。
ですよね~。だいたい今やネットの時代で、テレビはすでに時代遅れとも言われるくらい地盤沈下してますから。
結城千晴さんはもしかしたら、テレビ局の「上納」システムみたいなハラスメントにあったか目にしたかでテレビ局や業界に幻滅していた設定なのかも、と思ってしまった。フジテレビの影響です。
面白かったが、最近、面白い邦画だと思ったら原作が韓国作品、または韓国映画・ドラマのリメイクだったというのが多い。
エンタメのアイデアだけでなく人間の業がよく描かれているからより面白くなるんでしょうか。日本の映画人、がんばって!
そして、エンディングの「Perfume」 唐突過ぎ。
なんで?