遺書、公開。のレビュー・感想・評価
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最後まで飽きさせなかった快作
人はいつでも優位に立ちたいもの
見始めて途中から彼女を死に向かわせた原因は◯◯だろうなと気づいてしまったけど、闇というからこれからどんな驚きがあるのかと期待したものの、生きていれば当たり前にあることばかりだったのでちょっと拍子抜け。鑑賞終わってから私はこの手の話が苦手だったことを思い出してしまった。
人間観察って要は『神』視点にいるということで、それを趣味にしていた人限らず、私が人より優位に立っているという優越感が一番の敵だなと思った。まさに優生思想の卵たち。下位の人たちだって自分が一番彼女のことを理解しているんだという自負すらあった。だからずっと気持ち悪さが優っていた。若手の役者さんたちは演技もオーバーで、台詞が浮きまくり、体や手の遣い方も拙い、物語も単調で、とても長く感じてしまった。学生の舞台を見ているみたいでした。
唯一、高石あかりちゃんのシーンが一番惹かれるものがありました。さすがですね。
サスペンスでもミステリーでもない、強いていえば人間ドラマなんでしょうけど、一捻りたらず残念。モヤモヤだけが残りました。
良作
ある意味原作に忠実で、ただし全部は盛り込めないのでいかにカットさながらも、原作を維持していくのか、というのに注力してくれた作品かと思う。
なので、サプライズはなかったけど、ラストが少し意見が出てくるのかなと。
個人的には、漫画とアニメと映画は、別々の表現手段なので、同じにする必然性がなければ、原作との差異で非難される謂れわないと思っている。なので、今回はそこに関してたいして言うつもりはないけれど、漫画的な演出をよくここまであえて映画でやりましたね、と逆に評価したい。
わざとらしい、とか、大袈裟、とか、下手、とか、そういうコメントには、「そうではないんだよ。漫画読もうね。」といいたい。
それにしても、髙石あかりさん、最高でした。
ほんと、素敵な演技でした。あのくらい、やってくれて大満足。
「初日舞台挨拶中継」
意外性や驚く展開は無い
⭐︎3.5 / 5.0
物理的暴力のない『バトルロワイヤル』
2時間繰り広げられる密室劇。各キャラクターの個性が活きていたから、のめり込んで観ることができた。
チカラの暴力がないのに、空気感だけでバイオレンス。
深作欣二監督の『バトルロワイヤル』を思い出す教室内の緊迫感。
若手俳優の演技合戦なので
次のブレイク俳優が出てきそうという期待からキャラクターの演じ方を見入る。
気になったのは、
谷地役の兼光ほのかさんのぶっとんだ性格。
黒瀬役の浅野竣也さんのジメジメした性格。
漫画的だが、キャラクターとして冴えていたと思う。
そして、凛奈役の髙石あかりさん。
目を見開き感情ダダ漏れの豹変ぶり、いつもどおりカメレオン俳優だった。
そして、スクールカーストしかり、生徒の本心のリアルさしかり
どこか地に足つた学校描写でよかった。
最後の最後、ゾゾっとした理由が垣間見れたのもなかなかサスペンス感あって面白い!
序列は諸刃の刃
全く予備知識なしで鑑賞、劇場予告のみの知識です。
中身ですが、まず、話の盛り上げ方が上手いですね、徐々にテンションが上がっていくのが自分でもわかりました。
また、演者さんたちの演技も迫力がありました。ちょっとオーバーアクション気味だったと思うけど、それぞれが強い自己主張と個性をぶつけ合う様は新鮮で心地良い(お目々剥き出しの顔芸凄い)。1枚、また1枚と人の持つ仮面が剥がされ、悪意が剥き出しになっていく様は見応えあります。
だけど、序列ってのは諸刃の刃ですね。強いモチベーションにもなる反面、過度なプレッシャーにもなる。そこで誰か助け船を用意してくれたら乗り切れるんだけど、ひとりぼっちだと押しつぶされてしまうのかもしれないですね。
そういえば、2位じゃだめなんですか?って言った人いましたね。そういう人はこうはならないかな 笑。
今の子どもたちって、他人に傷つけられることに慣れてないから、各々が必死に傷つけられまい、傷つけられまいとしているように見えて、なんだか可哀想だなと思ってしまった。私が子供の頃って感情に蓋をあまりしなかったから、互いに傷だらけだった気がする。何でもかんでもセンシティブな世の中になって味気ないなと思ってしまう私は時代遅れなのかもしれない。
疾走感
学園ミステリーとしてはなかなかの良作
正直『学園ミステリー』というジャンルで
満足出来る作品が個人的に少なく、
この作品も不安混じりの鑑賞でしたが、
今まで見た学園ミステリーの中では
なかなか好みの作品だと思いました。
そもそもそのジャンル自体少ないですが。
監督・英勉さん、脚本・鈴木おさむさんは
さすが力入ってるなと感じました。
言ってしまうと粗もそれなりにあります。
特に今作は顔芸な場面がなかなか多かったのですが
「ちょっとやりすぎかな」という箇所があったり、
メインの展開にもっていくために
それなりに強引な場面もいくつか見受けられます。
しかしテンポが良く、展開もいい感じで巡るので
眠くなることはありませんでした。
鑑賞者でも推理出来る系のミステリーではなく、
脚本が後出しで新事実を持ってくる系なのは少し残念です。
学園モノに限りませんが、近年のこういった
『徐々にお互いが秘密を暴露しあっていく系ミステリー』
な作品たちと比べても
今作はよかったと思います。
生徒が主役ということで全体的に若い役者さんですが
演技は悪くなかったと思います。
まだ発展途上の方はいましたが、
『演技が酷い』と感じる役者さんは特にいない印象です。
しかし20人以上の生徒たちが演技しあう場で
高石あかりさんの演技はダントツで上手かったです。
先に言った『やりすぎな場面』でも
高石さんだけは狂気と恐怖を感じました。
残念な点としては、
『クラス全員誰も彼もが美人過ぎる問題』です。
陰キャもオタクも先生すらもほぼ全員顔が良くて
堀越学園でもここまでの顔面ハイレベルクラスないだろ
とか思ってました。
しかしこれはこの作品に限ったことではなく、
邦画全体の問題なのでとても歯痒い感じです。
序列1位、水槽の中で
自殺の理由をみんなで考える話
全く期待してなかったんだけれど意外や意外、かなり面白くて満足でございました。
若手俳優がそれぞれ個性豊かな演技で実力を発揮していたし、顔芸もよかったね!
自分の見おぼえない俳優さんがかなり多かったけれど今回の作品で顔を覚えたので他作品でも注目していきたです。
ストーリーもよかったですね、スクールカーストがここまで明確に出ちゃうとこんな感じになるだろうなって現実じみてたし、自分に置き換えて色々と考えちゃいました。
バトルロワイヤルとかでも自分がこの状況になったらどうしようとか考えこんじゃうタイプの私ですが、久しぶりに学生時代のクラスの事を思い出しましたよ・・・。
舞台はほぼ教室内だけなのに、まったくもって見飽きないし登場人物が多くてキャラの渋滞起きちゃうけれどそれぞれバランスよくセリフや見せ場があって見ごたえ十分。遺書が公開されるたびに真実に近づくのはほんと気持ちがいい。どの遺書も一見普通なんだけれど、裏に隠された意図や集合することでわかる事実。
ほんとによくできた物語でございます。
俳優陣ではやはり「ベイビーわるきゅーれ」の髙石さんよかったですね~!
キャラの豹変っぷりがお見事でございます。その他にも魅力的な方々はいますが、全部持ってかれたね。
でも物語のなかではそこまで遺物じゃない感じもバランス感あってよかったわ~。
有名俳優と有名コミック原作の大作やTVドラマの続編などお金を払う価値のない駄作が多かった昨今、邦画の未来は暗いのかと心配してたけれど本作の様なしっかり練り込まれた原作、脚本と実力ある若手を使う映画が生み出された事に安心しています。
英監督の実力を認めざるを得ない、邦画の未来は明るいと思える良作でございまいた。
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劇中セリフより
「人間観察、いい趣味でしょ?」
人間観察が趣味の奴がクソ野郎だってそれ、一番言われてるから!
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