「舞台の様な照明と演技」遺書、公開。 かもしださんの映画レビュー(感想・評価)
舞台の様な照明と演技
教室という限られた空間で遺書を読んで行く物語なので会話劇が中心になってしまう作品でありながらも、映画として楽しめる仕掛けを盛り込んだ意欲作となっておりました。
特に目を奪われたのが舞台劇のような演技と光の使い方。
登場人物の感情や演技によってによって調光を変えてしまう手法に目を奪われてしまいました。
中でも高石あかりさんが教壇に立って喋り出した時のライティングは絶品です。
彼女の演技により画面は光を落とし、その色調を一変させてしまいます。
物語のターニングポイントとなるシーンでもある為、この薄暗い画面の演出は見逃し厳禁となってました。
更に、このシーンでの高石さんの演技も迫力満点でした。
独特の台詞回しと鬼気迫る表情で観る者を釘付けにしてきます。
台詞と演技の間が絶妙なのでお見逃しなく。
彼女の振り切った演技を目の当たりにする事ができます。
演技する事にためらいがない彼女の迫力に度肝を抜かれる事請け合いです。
他にも壁を取っ払い教室を撮影したり、一つの画面でピントを変えて奥行きを表現したりと映像で観客を飽きさせない工夫をしています。
映画というより舞台みたいな仰々しい演技を中心に構成したのも成功した要因だと思います。
閉塞された空間を舞台のように見せた監督の思惑がうまくいっていると感じました。
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