「これは◯◯ハラスメントと同じ理屈が描かれている素晴らしい映画だ」遺書、公開。 ブラウンちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
これは◯◯ハラスメントと同じ理屈が描かれている素晴らしい映画だ
・正直全く期待していなかったが、大穴だった。
→どうせ若手俳優だけの微妙演技の学園ものくらいの
気持ちで見に行ったが、良かった良かった・・・。
・あらすじと予告編で大体の話は分かった
・序盤、「桐島部活やめるってよ」的な感じに思えた
→題材となる張本人が登場しないまま、周りの人間からの印象だけで憶測が憶測を読む、みたいな話と思ってた
・中盤以降、色々な生徒からの色々な「告白」があり、
姫山椿の人物像が揺れる揺れる、、
各々から見た姫山椿の人物像が描かれることで、
結局、姫山椿はどういう人間なのか気になっていく・・。
ここら辺で、遺書の話と共に姫山椿との映像が頻繁に流れ始める。
某部活をやめる桐島みたいに、結局出ないとかじゃなくてよかった。
各生徒と姫山椿の思い出が映像で良い話も悪い話も映像で蘇ってくる
・終盤一気に結末まで駆け抜ける。この辺のドキドキ感や
ワクワク感はたまらなかった。
★★★
最後の怒涛の説明で色々分かってくるが、ここで印象的だったのは、
中盤で各生徒との思い出が映像で流れていたが、
それと基本同じだけどちょくちょく違った映像が流れていたことだ。
おそらく、姫山椿と各生徒それぞれの視点(つまり受け手話し手)で描かれていることを示唆していたのではないか、ということだ。
各生徒が姫山椿に対して言った言葉や思ったことが、
中盤では描かれていないのに、最後のシーンでは描き切れていなかった箇所がどんどん出てくる。
それは、
「各生徒側は覚えてない/無意識に忘れようとしていた内容を、姫山椿側はこう受け取っていた」
を表現したかったのではないか、と思った。
このシーンがこの映画で一番心にぶっ刺さった。
「私はそんな意図で言ってない」「私はそう感じた」
こんなことは学校や会社など日常茶飯事だと思うし、
一番思うのは学校のいじめっ子といじめられた側の話。
いじめた方は覚えていないが、いじめられた方は一生覚えてる、
と同じものを感じた。怖い怖い。
あとは〇〇ハラスメント系。
まさに「私はそんな意図で言ってない」が原因でなるものだろう。つまり受け手によるって話。
しかも、同じセリフ(例えば「彼氏いるの?」)でも、
相手によってセクハラになるかならないか変わっちゃうという曖昧さ。
(どれにせよこんなこと聞いたら今の時代誰でもアウトだと思うが・・・笑)
これと似たような話が展開されており、
とてもリアルで闇深い内容だなぁと感心した次第です。