劇場公開日 1957年1月15日

「黒澤明の最高傑作の1つだ。」蜘蛛巣城 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5黒澤明の最高傑作の1つだ。

2024年10月13日
PCから投稿

黒澤明監督が、シェイクスピアの戯曲『マクベス』を、日本の戦国時代に置き換えた一大叙事詩。三船敏郎の狂気に満ちた熱演が印象深く、映画史上最高の死のシーンとも言われている。

原作の文言を使うことが無く、シェイクスピアが持つ詩情を削除する一方、それを補って余りある、鋭敏で刺激的な映像に満ちている。原作やシェイクスピアに詳しくない方でも、十分に鑑賞できる。

黒澤作品の中でも、特に冷酷でダークな世界観に満ちた作品だ。シェイクスピア作品の翻案としても、見事に成功している。原作への忠実さにこだわらず、黒澤明による『マクベス』の再解釈が全開している。

野心を突き詰めた人間の、避けがたい因果応報を、独自の鋭さと映画的な感覚による脚色で描き切り、生々しさと力強さを併せ持った、黒澤明の最高傑作の1つといえる。

瀬戸口仁
ぷにゃぷにゃさんのコメント
2024年11月13日

フォロー&コメントありがとうございます。
三船敏郎の目ヂカラ、ほんとにすごいですね。
確かに映画史に残る死に様でした。

私はあまり映画に時間も割けられず、レビューもThe感想文程度ですが、マイペースでやってます。
今後ともよろしくお願いいたします。

ぷにゃぷにゃ
talismanさんのコメント
2024年11月5日

コメントありがとうございます!山田五十鈴は映画、舞台、テレビの全てで最大の活躍をした唯一の女優といったことを以前、小林信彦さんが書かれてました。テレビはちょこっとだけ、舞台は全く見なかったことが残念です。だからせめて映画だけでも、と思っています

talisman