「歌唱の表現に、歌の世界に、いちいち感動」中島みゆきコンサート「歌会VOL.1」劇場版 なかじ&みゆさんの映画レビュー(感想・評価)
歌唱の表現に、歌の世界に、いちいち感動
子供の頃から僕は邦楽洋楽問わず多くの歌を聴いてきたが、もうすぐデビュー50年になるのに中島みゆきさんは新曲もオリジナルアルバムも完成度が完璧を超えていて驚かされる。
久しぶりのホールコンサートもしかり。
歌会Vol.1を(チケットが数回当選せず)僕は1回しか観ていない。
東京国際フォーラムは観ていて不安にさせられる音響だったが、劇場版を観て安心した。
みゆきさんの歌唱は女優が演技をするようでもあり、様々な感情を想像させられ、思考回路を刺激される。
聴くたびに解釈が微妙に変わるような刺激。
おちおちしていられない。
中島みゆきさんは本気で対してくる。
観客に媚びず自分を棚に上げてあぐらをかく人ではない。
ミステリアスでエキセントリック、でも癒しも希望もやすらぎも、ある。
そのバランスの取り方も見事である。
歌会はコンサートと(夜会工場とは別に中島みゆきさん本人だけの)夜会ガラ・コンサートが合体したスタイルだと本作を観ていて分かるが、
これからもシリーズ、もっと観せてほしいです。
アレンジャー&プロデューサーで歌会Vol.1でもステージで指揮をしていた瀬尾一三さんの引退宣言の時期も迫っているので、シリーズがどこまで続くかわかりませんが、
観せてほしいです。
瀬尾さんがみゆきさんと歌いながら指揮をしている姿に涙が止まらなくなった。
本編終了後のメイキング。大満足のオマケでした。
みゆきさんはコンサート終演舞台から袖で待ち、退場するミュージシャンの方々に労をねぎらうべくおひとりお一人に頭を下げる。
あるミュージシャン曰く、そういう事をするのは
みゆきさんだけである、と。
瀬尾さんがハイタッチしようとして、みゆきさんは瀬尾さんの袖に手を添える。
師匠とする瀬尾さんに軽々しくハイタッチなんてできない
とする気持だろうか。
もう、いちいち、素敵である。