ラスト・ダンス

アジア・フィルム・アワードが目指した“プラットフォーム”への進化 チェアマンが語る構想と実践、日本映画への思い【アジア映画コラム】
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2025年3月17日「トワイライト・ウォリアーズ」王九役が話題のフィリップ・ン、過酷な撮影でも身を投じる理由は「痛みは瞬間、映画は永遠」
2025年3月15日コロナ禍で葬儀社に転職した婚礼プランナーと老道士との邂逅。斬新な葬儀を進める前者と伝統を重んじる後者の関係を、家族問題や性差別事情を交えて描く。
道士と聞けば日本では『霊幻道士』を思い浮かぶ人もいると思う。かくいう自分もそうだったが、その人物がどんな役目を果たすのが今まで分かっていなかった。Q&A取材で監督が、道教において故人が誤って地獄に落ちるのを防ぐ役目と語っており、儀式で9枚の煉瓦を割るのも、地獄には9層あり、それらすべてを剣で破壊する事で故人を極楽浄土へ導くのだとか。原題の『破.地獄』はそこからきている。
「女性は穢れた存在だから道士になれない」というしきたりは、今の倫理観では失礼極まりないが、女性は土俵に上がれないというしきたりをいまだに引きずる相撲協会となんら変わらない。多様性が叫ばれる昨今だからこそ、本作が作られた意義がある。
とにかくマイケル・ホイが演じる、子供達との接し方が不器用な堅物老人道士がイイ。今年はジャッキー・チェンにマイケルと、幼少時から大好きな俳優を直に見られて嬉しい。元婚礼プランナー役のダヨ・ウォンは失礼ながら全く知らなかったが、香港では有名コメディ俳優らしく、Q&Aでは香港から来たと思わしき観客から歓声を受けていたのが印象的。
今回の映画祭で観る事ができた作品の中でも上位に入る。