「なんやねん、この話w」デーヴァラ U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
なんやねん、この話w
赤海にまつわる伝記が語られる。
のだが…話を持ち掛けた男はとても災難だと思われる。海岸で白髪の老人からとてもとてもボリューミーな昔話を聞かされる事になる。
もし、俺が当事者なら
「爺さん、いつ終わるねん、この話!?」とツッコミを入れずにおれない状況だ。
肝心の昔話はそこそこ興味はそそられるのだけれど、現状とほぼ関係ない。
デーヴァラとその息子ヴァラの物語なのだけど、息子のヴァラが死んで話は終わる…と思いきや、デーヴァラ2のタイトルが。
「おおおいっ!まだ続くんかーーいっ!」
もう、うんざりだw
時代設定は1996年なんだけど、近代文明のカケラも感じない。当時のインドの辺境の地はこういう文化圏であったのだろうかと頭を傾げる。
主人公は英雄の血脈らしいのだけど、経済的ない困窮から密輸の片棒を担いでて…とか、色々手の込んだ設定はあるものの、どうにも句読点が唐突でたまげる。
彼が改心したのは、その密輸された武器で同胞が殺されたからなんだけど、唐突に車が爆破される。別に内乱が起こってたとかテロだとかの説明はない。
いきなり、山道で、バスの前後を走ってる車が吹き飛び、バスが強襲される。
…いや、何でそうなる?
俺、寝てたか?
そう、今作はなんか台詞回しが口説いのだ。
説明が深いというか丁寧なシークエンスが多々あり、「いや、もうええて」とボヤいてしまう。
で、まぁ、デーヴァラの村vs他の3つの村みたいになって、驚異的な武力に覚醒したデーヴァラが抑止力になったりすんだけど…お決まりのHS溢れるコッテリしたアクションが展開される。
お約束の踊りパートもある。
やっぱクセになってる。楽しんでいる俺がいる。
独特なキレがある振付で、コミカルなステップも多いのに顔はキメキメで…インド人の感性って面白いと最近は思うようになってきた。
で、デーヴァラは姿を隠すのだ。
その理由としては、なるほどとも思うんだけど、このご時世に?と疑問を抱かずにはおれない。
そこから息子であるヴァラの話にシフトする。
彼には許嫁が居て、こいつがまた嘘みたいな設定を背負ってて…超絶モテ女で、女友達から「早く落ち着いてくれないと、私達の婚期が遅れる」とか言われてしまう。で、そんな彼女はヴァラに惹かれてるっぽい。好きを肯定できない中学生みたいな状態で、ホントにこの村の恋愛事情はよく分からないし、主人公2人のハイスペックさと言ったら呆然としてしまう。
話もそうだし、設定もそうなんだけど、共感を必要とせず傍観しか出来ない事が多すぎる。
頼りなさげだったヴァラは、実は父の意思を継ぎ赤海の治安を守ってたりする。
演じ分けは見事だった。
ヴァラは幼い青年に見えるし、デーヴァラは信念に殉ずる父に見える。
ラストの水中戦とかよく出来てたなあ。
バタ足はちょっと面白かったけど、全編通して肉弾戦オンリーの構成だった。
…そのパワーの表現が尋常ではないのだけれど。
で、ヴァラは自害するの。
父の伝説を立証する為に死ぬの。
つまりは、昔話としては終わったように思うの。
ヴァラに息子は居ないし…で、その後に2のタイトルが出るの。
…何を続けるんだろうか?
それは置いといたとしても、昔話に終始して今作は終わるの。
相談者の心の叫びが聞こえてきそうなの…。
「俺の案件は全く進展してないんだが!!」
…内容としては濃い話なんだけど、どうなん?w
余談だが、インド人の特に男性は顔の見分けがつかなくて…余計な部分で混乱してた。
カロリーの高い作品でした。