劇場公開日 2025年3月28日

「ラスト30分は超楽しかった」デーヴァラ おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラスト30分は超楽しかった

2025年4月7日
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やってしまった…
話にイマイチ乗れず、開始10分ぐらいでうたた寝。
目覚めたら、4つの村の間で天下一武道会みたいなものを開催する話になっていた。

4つの村の人間が会場に集まったところで、突然始まるミュージカル。
インド映画にはミュージカルが付き物だったことを、ここで思い出す。
画面いっぱいに映る、踊り狂う大量の髭のおっさん。
その動きが軽快で滑らかで綺麗に一致していて、観てて楽しかった。
途中、「髭ダンス」みたいな動きも入っていた気がする。
家に帰ったら、『RRR』のダンスシーンを見返したくなった。
ただ、この人たちはこの後死闘を繰り広げる予定なのに、一緒になって楽しそうに踊ってていいの?とは思った。

前半は父親、後半は息子が主人公。
父親は(心優しい)ジャイアン、息子はのび太みたいな感じ。
前半後半で村に起こることは似たようなことではあるが、前半は力による解決、後半は知恵を駆使して解決を図ろうとしていて、その違いは興味深かった。

しかし、話に魅力を感じず、ストーリー進行も鈍重に感じ(ミュージカルが始まるたびに話が止まる)、ダラダラ長くて苦痛に感じることが多かった。
途中で「INTERMISSION」の文字が出てきた時は、「えっ?まだ半分なの?」と気が遠くなった。

だが、ラスト30分。
衝撃の事実が判明してからは評価一変。
大味な映画だと思っていたら、凄まじいトリックが仕込まれていたことに感動。
ラスト30分は見応え十分で、超楽しかった。
ただ、それなら最初からそうしていればもっと早く問題が解決したのでは?とは思ったけど…

「人間は失敗して痛い目をみても、時間が経つと失敗を忘れて同じ過ちを繰り返す」というのは、「戦争」や「原発」にも通じる、どこにでもありそうな人類普遍の原理に感じた。

映画を最後まで観終わると、「クリケット・ワールドカップ」という設定が、全く何も関係なかったことに衝撃を受けた。

おきらく