痴人の愛のレビュー・感想・評価
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そういう話しですか!
原作読まずに、題名のみ有名てますよね。 と思い見に行きました。 かなり席埋まってて、9割男性でした。 見終わった後、なるほどね。 男性脳と女性脳かな? こういう、女の人いるよね!という感じ。
譲治とナオミ
池袋のシネマロサで鑑賞、満席でした! 大西信満さん、奈月セナさんの熱演に画面に釘付けとなりました。 主演の二人のストーリーはもちろんの事、脇を固める各キャラクターのストーリーもきちんと描かれていて、素晴らしかった。 井土監督の「痴人の愛」、大人の恋愛要素はもちろんの事、シナリオ講座の受講生仲間の青春群像劇としても素晴らしい作品でした。
本当は何したい?
シナリオ学校に通いプロデビューを目指す中年男とBARで働く元劇団女優の話。 妻に出て行かれ娘とも会えず、バイトをしながらシナリオ学校に通いプロを目指す主人公が、講師から映画「痴人の愛」の脚本執筆のオファーを受けることになっていく。 ドロドロというかナオミ沼にハマったオッサンの恋愛映画というところがメインの様で、実はシナリオ執筆に苦悩する様子がメイン? まあ、ありがちと言えばありがちな流れだけれど、主人公の溺れっぷりが見事でなかなか面白かったし、こういう作品で最後の字幕はなかなかユニークだった。
令和版「痴人の愛」誕生!
まず「痴人の愛」の映像化の度に必ずキーとなるであろう ナオミ役の奈月セナは予想を遥かに上回る大健闘。 事前に公開されていた劇中カットの数々ですでに多彩な表情を見せており、 期待を持って鑑賞したが、本編でも期待にたがわず、ミステリアスさをも兼ね備えた エロチシズムを(着衣の有無にかかわりなく)文字通り全身で体現していた。 久々に女優誕生の瞬間に立ち会えた気がした。今後の活躍に大いに期待! 作品の方向性としては、 谷崎原作の持っていたSM倒錯愛からファムファタルものへベクトルを最初から切換し、 脇の人物の青春群像劇の要素を入れ、令和版としてのオリジナリティ確立に成功している。 登場人物はナオミに没入していく譲治に扮した大西信満をはじめとして、 群像劇を彩る脇の出演者含め全員好演。 (終盤すべてを持っていってしまった吉岡睦雄含め)無駄な出演者はほぼいない。 原作の忠実な映像化や、譲治とナオミに焦点を絞った 濃厚な情欲の世界を期待した観客にとっては少々食い足りないかもしれないが、 世のトレンド(?)に沿って男女逆転の要素を取り入れて 結果的に印象が希薄になってしまった谷崎の「リバース」2作とは (時折息を飲むほどの突出した映像美も含め)対照的な良作になった。 気になる点を2点ほど。 水中に落としてしまうナオミの写真、譲治はいつ撮ったのだろうか? 写真は1967年版ではナオミ飼育の記録として象徴的に使われていたので、 飼育の要素がほぼない今作品では必須アイテムではないかもしれないが、 この写真のナオミの表情も素晴らしいだけに(他にも撮ったのか含め) 撮影のシーンも観たかった。 そして最後に惜しい点。ラスト、ナオミ以外を文字で説明してしまったのはマイナスでは? ここまでの映像美も素晴らしかっただけに、ここは文字ではなく、 また当初のシナリオのような譲治のNによってではなく、 それこそそれらを暗示させるような写真をさらっと提示するなどの手法の方がよかったか。
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