「動かないアニメ」映画 先輩はおとこのこ あめのち晴れ yudutarouさんの映画レビュー(感想・評価)
動かないアニメ
テレビシリーズの続きを完結まで同じクオリティで作り上げた映画版だった。同じクオリティと言ってもテレビシリーズが特別クオリティが高かった訳ではないので、劇場のスクリーンで観ると情報量が少な過ぎてスカスカの画面を見ることになって、これならそのままテレビで終わりまでやってくれれば良かったのでは?、はたして映画化とは…?という問いが脳内を巡ってなかなかストーリーに集中出来なかった。
しかも絵の密度は置いといても、やばいぐらいに動かない止め絵連発の演出はテレビ版より酷かった。感情がもっとも高揚するシーンですら止め絵で演出されていて、なんだか逆に時間も予算もないまま作らされたのかな、と心配になった。元々、原作自体が美麗なフルカラーの漫画なので、動かないならアニメ化そのものに意味を見いだせなくなるのだが。
原作の主人公キャラクターたちの愛らしさや清々しさ溢れる真っ直ぐな青春劇による面白さはそのままに、主人公たち世代以外のキャラクターが同じ顔に皺の線が入っただけの造形だったり、背景美術が無いに等しかったりする弱点を補完しつつ、それなりにアニメーションとして動かしてくれさえすれば充分にいい作品に出来た筈なのに、すごく勿体無いと感じた。
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