劇場公開日 2025年2月21日

「タイトルなし」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない 夢さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0タイトルなし

2025年6月18日
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屈託ないバーセルの笑顔。
本当にいい顔をして笑う。
若い人から笑顔や希望が消えていくのが見ていたたまれない。

イスラエルがガザに侵攻した後、私はドキュメンタリーで同様の映像を見た。ブルドーザーで家を破壊したり、何の罪もない丸腰のパレスチナ人にいきなり発砲した衝撃。イスラエルは武装し、誰彼構わず凄んだり威嚇している。挙句は学校まで潰したり。子供たちが怖がって泣き叫んでいるのに、彼らは聞く耳を持たない。

バーセルは最初の方はまだ笑顔があり、時折冗談を言って笑ったりもしていた。

ユダヤ人のユバムに対し、『君は熱すぎる』『ここの問題は何十年と続いてる』 『忍耐が必要だよ』と少し呆れ気味に笑ったのが印象的。

その後、今度はバーセルがネットの反応が薄いと呟くと、ユバムが最初はそんなものだよ、と。

段々、バーセルの顔から笑顔が消えてゆく。

僕にはスマホしかない。
あまりにも希望がない。
将来?法律の勉強を死ぬ気でしたけど、ここにいて何ができる?イスラエルに行っても建設の肉体労働しかない。
結婚?今の生活が不安定過ぎて…。

それでも二人は話しをする。
ユバムが『この事実を知った後、どう行動に移すかが大事だと思う』。

この後で、イスラエルのガザ侵攻が起こった。事態はもっと悪くなっている。せめて食糧、水だけでも届けて。
自分も含め、世界はこの暴力に無関心、見て見ぬふり。ガザの子供たちが大きくなった後、憎しみの連鎖へと繋がるんしゃないだろうか。

バーセルや彼の家族はあの地を追われたのだろうか。あのお母さんは元気なんだろうか?小さな子供たちは?
撃たれたお兄さんは首から下が麻痺だなんて…。その後、感染症で亡くなったと知った。

アカデミー賞を授賞したが、監督の一人が撃たれたとのこと。

もうやめて欲しい。
罪のない人に暴力を奮ったり、家を壊し土地を追い払う権利がどこにあるのか?
人間として恥ずかしくないのか。

ネタニヤフ、アメリカ。

イスラエルによるパレスチナ人の拷問もあると、映像で見たことがある。

日本でこうして映画が公開され、日本人の私が観た。この声がどうか届いて欲しい。

勝手なことを言うようですが、バーセルには諦めず、情報を発信し続けてほしい。

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夢