「パレスチナの現実」ノー・アザー・ランド 故郷は他にない Hiroさんの映画レビュー(感想・評価)
パレスチナの現実
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生活の拠り所であるはずの家を、発電機を、井戸を、学校をブルドーザーで破壊される。これでもかと次々に破壊される。抵抗すると撃たれる。これでどうやって生きていけというのか? なぜ同じ人間に対してここまでできるのか? それぞれのシーンで観客が息を呑むのが感じられるほどだった。
ニュースで見聞きしている内容ではあるが、圧倒的な臨場感でそれが現実であることを思い知らされる。
主人公のパレスチナの青年が言った”幼少のころから力関係の話ばかりだった。”というセリフと、イスラエル軍人が言った”仕事の邪魔をするな!”とうセリフが耳に残っている。
そう、これだけの無慈悲な行動であっても、イスラエル軍人にとっては上から命令された仕事でしかなく、そこに良心の呵責は読み取れなかった。彼らにとっては、自分達の土地を不法占拠している犯罪者を追い出しているだけに過ぎないのだろう。そこにこの問題の根深さを感じた。
率直に言って最後まで観るのがしんどい映画ではあるが、一人でも多くの人にこの映画を観てほしいと思う。私を含めて、観たからといって何ができるわけではないが、でも観てほしいと思う。
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