「タイトルなし(ネタバレ)」かたつむりのメモワール 吉泉知彦さんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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かたつむりが主人公の粘土アニメで、仲間の動物たちと協力して困難を克服するような動物映画だと思って、振替休日で休みだった小5の長男を誘って見に行く。すると、吹き替えじゃなくて字幕だし、全然子ども向けではなく完全にチョイスをミスった。
かたつむりが主人公ではなく、主人公はかたつむりしか友達がいない気の毒な女性で、その半生がひたすら暗い調子で描かれる。画面がとにかく暗いし、ともすればグロい。長男は怖がりでもあるため焦る。アダルトな場面やセリフもあって気まずい。
人間など所詮こんなものだと登場人物がひたすら醜く描かれる。人間を一切美化するつもりがないという美意識が徹底している。特にひどいのは里親で、醜いし、善良そうな人たちだがそれも否定的に描かれる。しかしその暗い目線と人生の中でも時折光が差すことがことがあり、見ているうちに同情も共感もする。
見ているうちに、この後どうなるの?みたいに引き込まれてハッピーエンドに感動して、見てよかったという気持ちになる。娯楽映画では全然なくてアート映画だ。終わってから子どもに感想を聞くと、字幕は全部読めたそうで、怖くも退屈もなかったようでほっとした。マクドでお茶して帰った。
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