劇場公開日 2025年6月27日

かたつむりのメモワールのレビュー・感想・評価

全49件中、1~20件目を表示

4.0懸命に前に歩み続けようとする姿を、愛情あふれるタッチで描く

2025年6月30日
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鑑賞方法:試写会

人生でまたもエリオット監督の長編作に出会えたことを嬉しく思う。これが15年ぶりの新作だから、次があるとしたら私はもはや還暦過ぎ。でも待つ価値はあると確信する。彼がコマ撮りで描くキャラは皆どこか内気で、不幸に見舞われてばかり。こうやって言語化するとだいぶ切実に思えるが、実際のところ粘土で丁寧かつユーモアを交えて織り成された一コマ一コマは非常にチャーミングで、瞬きするのを忘れるほど慈愛で一杯だ。この確かな眼差しがあるからこそ、ブラックな側面があってもネガティブに傾き過ぎることはない。グレースの”ためこみ”も決して単体でいびつに照らすのではなく、心の奥底に記憶と感情があふれかえった状態の投影であることを文脈からジワリと気づかせる。誰よりもそれを理解し光と躍動を注ぐピンキーという存在がまた秀逸。急がず、ゆっくり。後退せず前に進み続けようとする人々の懸命な生き様を、本作は豊かなタッチで祝福している。

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牛津厚信

3.5双子の弟と離ればなれの生活になってしまい、心が殻に閉じ籠もってしまった少女。知り合った老婦人との交流を経て自分の生き方を見つめ直す過程を描いた物語です。

2025年7月26日
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鑑賞方法:映画館
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もりのいぶき

3.5独特のビジュアルを堪能

2025年7月22日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

斬新

 離ればなれになった姉弟の数奇な運命を、独特のビジュアルで表現したクレイアニメ。

 「メアリー&マックス」で鮮烈なデビューを飾ったアダム・エリオット監督による長編2作目。8年の歳月をかけて作り上げた労作ということである。

 正直、アニメーションとしてのクオリティは、大手のライカやアードマンと比べると見劣りしてしまう。ただ、3DCGと見紛うばかりのライカの作品よりも、本作には手作りらしい温もりが感じられて個人的には親しみを覚える。

 また、前作同様、ブラックでビザール感溢れるビジュアルは独特の世界観を創り上げていて、アート作品としても十分の見応えを感じた。ただ、このクセの強い作風は好き嫌いがはっきり分かれそうである。個人的には面白く観れたが、万人にはお勧めできない作品である。

 物語はグレースのモノローグで紡ぐ回想形式で展開されていく。ダイジェスト風な語りは少し味気ないという気もしたが、DVや貧困、いじめといった暗い内容が続くので、このくらいサラリと流してくれると逆に観やすいかもしれない。

 グレースはちょっと変わった性癖を持つ夫婦の元に引き取られ、ほとんどネグレクト状態で放置される。一方のギルバードは、狂信的な信仰一家の元に引き取られ厳格な暮らしを強いられる。どちらも酷い里親なのだが、そんな中でも二人は手紙のやり取りを唯一の心の拠り所にしながら懸命に生きていく。このあたりには前作「メアリー~」における中年男と少女の文通が想起された。遠く離れた孤独な者同士が手紙によって絆を深めていくという”いじらしさ”にグッときてしまう。

 やがて、グレースはピンキーという中年女性と出会い親密になっていく。彼女はかなり破天荒な人生を歩んできた女性で、若い頃はストリッパーをしていたり、キューバの革命家カストロと卓球をしたこともあると言う。どこまで本当なのか分からないが、とにかくぶっ飛んだお婆ちゃんであることは確かである。そんな彼女との交流を通してグレースの荒んだ心は徐々に癒されていく。この交流は微笑ましく観れた。

 もう一つ、グレースの孤独を癒してくれるのが、幼い頃から大好きだった”かたつむり”である。当然これは臆病で内向的で殻に閉じこもって生きるグレースのメタファーとなっている。この両者の関係性はストーリー全般を通して上手く表現されていて、終盤のグレースの決断にはカタルシスを覚えた。

 そして、本作はその後にもう一つサプライズが用意されている。前作は少し物悲しい終わり方だったが、それと差別化する意味もあったのかもしれない。現実を厳しく見据えた前作も良かったが、今回のような終わり方も個人的には悪くないと思った。

 全体的に個々のキャラクターは活き活きと表現されているし、物語も大変ドラマチックに展開されていて、よく出来た作品だと思う。ただ、細かく見ていくと、ここは惜しいと思った点も幾つかあった。
 ピンキーの最期の言葉”じゃがいも”。幼いグレースが出会う元判事のホームレス。この辺りは安易な”仕掛け”という気がしないでもない。
 ピンキーの手紙も大変素晴らしい内容だと思うが、できればそれをドラマの中で見せて欲しかった。

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ありの

2.0違和感あり

2025年7月20日
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鑑賞方法:映画館

オーストラリア製のクレイアニメーション。かたつむり集めが好きな主人公がいろんな人たちとの出会いによって生きる希望を見出していく物語。地味な主人公と物静かな映像のため違和感があって最後まで世界観に馴染めず楽しむことが出来なかった。

2025-109

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隣組

3.0かたつむり🐌の話かと思ってたら違った

2025年7月19日
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ひでちゃぴん

3.5ピンキーおばあちゃん

2025年7月17日
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怖い

驚く

斬新

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まこやん

4.0クレイアニメの良さ

2025年7月16日
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この題材、ストーリーで
実写で描くと
けっこうグロテスクな作品になりそうなところ
クレイアニメで描くことで
受け入れやすくなっていて
メッセージも伝わる感じがした。

少しずつ変化していく主人公が
しっかり描かれていて良かった。

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nana

5.0なんだよぉぉぉ

2025年7月15日
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鑑賞方法:映画館

これは8年がかり。『JUNK HEAD』は7年。
プロダクションデザインも丁寧に作られているし、
監督のこだわりも相当だろうから時間がかかる。
キャラクターデザインや全体的な色味は、ちょっと『アダムスファミリー』っぽくて好き。

ベースはほのぼの姉弟愛的なものだけど、監督が大人向けと言うように、ちょいちょいブラック。すごい中指立てるし、子供に尋ねられたら返答に困りそうなエピソードもあったり。

はなればなれになっても再会を夢見るグレースとギルバートを応援するも、中盤で『ロボットドリームズ』の時も同じような気持ちになったなと、少し心が閉じかけてしまった。
しかし終盤、まさかの展開に涙腺決壊。
チクショー、不意を突かれちまった。

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コビトカバ

3.5主人公の一人語りでお話しの9割は進行

2025年7月13日
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悲しい

斬新

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ねこたま

4.5前に進もうというシンプルなメッセージ

2025年7月10日
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かたつむりに偏愛してしまった双子の姉の物語

母も父も亡くなり、双子の弟とは里親制度で引き離されて過ごすことになる。
生まれつきの身体的特徴で周りからはいじめられ、里親の偏った接し方にはなじまず、偏愛していたカタツムリへの愛情がドンドンと偏っていく。

この物語に登場する多くの人たちが、なにかしらの偏愛・ユニークさを持っている。
その中の特徴が溜め込む、閉じこもるという方向の人に対して、または人生の中で多くのことを失ってしまい前向きに進む気力を持てなくなった人へ「前に進もう」というシンプルなメッセージがおくられる。

ほぼラストシーン付近から物語ははじまり、自分の身の上を回想することで映画は進む。
これはラストラストの大切な人からの手紙とも重なる。

カタツムリは命を残したら、自らの命を失ってしまうそうです。連綿と続く渦巻きのように、想いやバトンをつなぐことに対して肯定的に語られる映画で、鑑賞後の味わいが良い。

1週間寝込む場面のフラッシュバックなど、刺激の強いところもあり、気に入っています。好きな映画でした。

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まるのすけ

5.0骨の髄に染み入る映画

2025年7月10日
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泣ける

楽しい

斬新

ストーリーは相変わらずのブラックユーモアもあり、テンポも良く面白かったので、退屈したとかではないのに
自分の家族、友人を想い出させられ、
久々に映画館で嗚咽混じりに涙が止まらなくなりました。

感動のまま、帰りに売店でパンフレットを買ったら
このパンフレットかわいいですよねって店員さんから
ほのぼのトーク。
たしかにミニサイズで中身はしっかり!
パンフレットも★5です。

今度かたつむりを見かけたらシルヴィアと声をかけそうです。

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summer

4.0美術の細かさにも驚く

2025年7月9日
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Aエリオット監督、秀作「メアリー&マックス」から十数年経ち、作りがダークアート系へと変貌。それでも不遇なキャラ達が織りなす人間クサい細かな生き様表現はやっぱり丁寧。

普通の顔のキャラがいなくてウケた。
ジンとくるシーンもしっかりあって、素敵な作品でした。

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石岡将

3.5キモキモな映画でしたが 笑えたわ。

2025年7月8日
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笑える

悲しい

ドキドキ

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Hammer69

4.0タイトルなし(ネタバレ)

2025年7月7日
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泣ける

悲しい

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吉泉知彦

4.5タイトルなし(ネタバレ)

2025年7月7日
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りゃんひさ

4.0ジワジワきました

2025年7月5日
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泣ける

悲しい

斬新

簡単に言うと双子の片割れさんの自伝。
それからクリエイターさん達の個展を見ながら、ストーリーに入っていく感覚。
フォルムだけだとEテレでやりそうな子供向け?な雰囲気もありますが、ちゃんと大人向けな内容です。
感想を少しでも書いてしまうと何だかネタバレになってしまうので、詳細は省きますが涙もろい私は少し泣きました。

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たかな

4.0人生は振り返るものではない

2025年7月4日
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カワイイ

とにかく前へ進むのだーー何があろうと。
……カタツムリのように?

カタツムリはバックしないらしいですね。

人物を含め、全ての背景がとびきり可愛い小物で彩られ、人生の折々にやってくる辛さを愛で包んでいる。
幸福な瞬間はあまりに少なく些細であるからこそ、大事にしなきゃなと素直に思わせてくれる。

初めは「?」だったシーンが終わり間際には納得させられる。
シーンは物語あってこそ。
長さもちょうどよかった。

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虚無

3.5レトロな小物が可愛い

2025年7月3日
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ジャーニー

4.5かたつむりのお話……ではないw

2025年7月3日
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好き〜🩷
いつも思うけど映画って観る側のコンディションやらタイミングやらがその作品の評価にすごく影響する。
この作品は自分にとってベストなタイミングで観られた作品🌀

同監督作品を直近サクッと網羅に努めたけれど(まだ終わってない💦)、ヒトの中に存在する闇と光をとっても上手に表現する監督さんだな、と。そして初期作品(学生時代に制作された作品〜2003年のハーヴィー・クランペット)は闇多め、その後2008年のメアリー&マックスは人生の光にもスポットを当ててくれるようになった気が。(この考え方が正しいのかどぉかは2015年制作のアーニー・ビスケットで確認せねばっ)
光の部分だけでなくポジティブメッセージもメアリー&マックスからレベルアップしてた!

んが、しかし👇️
【涙活報告】泣けませんでした😅(案の定)
とりあえず会いたい人、大好きな人に会えるうちには喧嘩なんてしないで連絡しよー💜💜💜←これが最大の学び🩷

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らまんば

4.0でこぼこ

2025年7月3日
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なんと味わい深い作品か。ブラックな痛みがあるサプライズ。不気味な登場人物たちが、織り成すユーモアは、笑える。細かい手作り感か、いいね!

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DnaH