Flowのレビュー・感想・評価
全66件中、21~40件目を表示
アトラクション映画的に没入感を楽しめる
濁流が押し寄せる臨場感も良かったし、カメラワークが工夫されていて(CGアニメだと作りやすいのか?よく動く)飽きずに見られました。もし動物たちがニンゲンの言葉を話す設定だったら、ありがちなセリフを聞いた瞬間興ざめしていたかも。
話がよくわからない点(天に召された鳥、最後の鯨)は、もしかしてラトビアの寓話にそういうのがあるのかな。
よく分からない所も多い、でも想像して楽しむ!
全体的にはハイクオリティでセリフが無くてもずっと飽きずに最後まで見ていられる。
印象としてはゲームの画面に近いけど、個人的にはもっと描き込みと省略の緩急があったり
作り込まれた画面の方が好み。
動物たちの仕草や交流は笑える所もあって楽しかった。特にカピパラさん!
少し戸惑ったのは、動物がリアルに描かれるのかと思いきや
途中から擬人化されすぎてどちらにチャンネルを合わせれば良いのか分からなくなった事。
動物の生態をのぞき見るようなモードで見てしまったので、自分と重ねたり感情移入したり出来ないまま見終わったけど、
自分ならどうするかとか考えながら見たらもっとスリルがあったのかも。
クジラ?についても急に怪物みたいのが出てきたから、ストーリーやこういう世界になった謎解きと関係してくるのかと思ったけどそうでもない。
最後陸でクジラと出会うのも、どういう意味があったのか、
意味なんてないのかまだ釈然としない。
でも陸に上げられて身動きが取れなくなったり、また水が溢れてきたら泳いで遠くへ行ったりを繰り返す感じは、人生を象徴しているのかもしれない。
最後、4匹が水に映された絵で終わるのも、
この世界ではまた洪水が来たり急に水が引いたりするだろうけど、それと共に生きていくという前向きな未来の暗示なのかな??と思ったけど、考察というよりもはや妄想笑
あえて現実でない世界に設定したなら理由があるはずだからもう少し答えに繋がるようなヒントが欲しかった気もするけど
それはこの監督の作品に慣れていないだけかもしれない。
ほかの作品も観て、この監督の想像力に触れてあれこれ考えるのも楽しそうだと思った!
これから起こるかもしれない事
1匹の猫と偶然出会った動物たちが、辿る安住の地へのアドベンチャー。と書けば・・冒険物語のようにとられるかもしれないが、本当はこれから起こるかもしれない危機的状況下の中での生き残りの物語。世界中が大洪水に覆われて、ある日ひとりぼっちになった黒猫が、その目で見た光景は主の姿がない風景と逃げ惑う動物達の姿。
猫が住む家の状況から人間は随分前に用意をして出ていった様子。そして猫(彼)がそこで愛されていた動物だったんだとわかる状況。何故彼を残していったのか?猫独特の単独行動にて、避難する時に姿がそこになくて、主は致し方なく出て行ったのかもしれない。庭には沢山の猫のオブジェ彼にとってはそこはまさしく安住の地だったはず。ところが突然現れた多分人の家で飼われていた数匹の犬の群れに追われ、逃げ惑う中で身近に大量の水が襲ってくる事を知る。見上げるくらいの大きな猫の像の上に避難した彼が見た光景は、もはや世界が水に沈みゆく姿・・・そして彼自身も、そこへ偶然流れ着いた1艘の船に水の中を泳いで辿り着いた猫。初めての仲間はカピバラだった。そこから次々と動物の仲間が乗り込んでくる。序盤で彼に食べ物を与えようとした白い鳥もある出来事から船に乗り込み。
居合わせた動物達を連れてどこかへの旅に出る事になる。
その旅の間にはいくつかの試練や出会いと別れがあり、その度に猫(彼)も自分で餌をとる事や分け与える事。それぞれが協調性やコミュニケーションを身につけていくのだが、ある日それまで旅の仲間だった白い鳥が思わぬ行動をとる事に、それを心配した猫がそこで体験する不思議な出来事で、観ている側はまずいろんな事を想像するかもしれない。
私はそこで宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を思い出してしまった。
全てのセリフはなくて、日本人による吹替えもない。
聞こえてくるのはそれぞれの動物達のリアルな鳴き声だ。
監督曰くその鳴き声は、まさに生のそれぞれの動物達の鳴き声をあてているそうだ。
ただ・・・カピバラだったか、それだけはなかなか録れなくて、他の動物の鳴き声をあてていたと聞いた。(笑)そのカピバラがいい行動をするんだよ。まずこの子がいなければ、この旅の仲間達はもっともめていたかもしれない。(笑)
思わず抱きしめたくなる動物だ。
その鳴き声が本当はどういった意味を表しているのかはわからないという監督。
そりゃそうだよね・・・なんだが、でも映画を観ているとその鳴き声も上手くマッチしていて、台詞がなくても何故かこちら側には自然とまるで台詞が聞こえてくるような感じになる演出は、なかなかよくできていると思いました。そして美しい風景と音楽・・・
只・・なんか肝心の動物の絵のデザインが、背景の滑らかさと違って荒く見えているのは、これでよかったのかなどうかなと・・・。動物の毛の荒さももう少しナチュラルで描けなかったのかなって・・・。そこは少し見ていて気になりました。
でも、あの荒さはもしかしたら・・・、いや・・私の中で留めておきましょう。
あれはあれで、この映画の中で表現していることがあったのかもしれないので・・・
昨今の映画の上映時間から言えば、昭和の映画のように1時間半ほどの短い上映時間となっていて、その中にも上手くまとめられていて、あらゆるシーンでのドキドキやハラハラや時にその動物らしい行動なども見れて、クスっと笑ってしまったり猫がとる行動に、猫好きならば思わず「あるある」とうなってしまう場面もみれる。(笑)
私も好きな動物の1つであるワオキツネザルが、あんなに物に執着する性格なんてと、思わず動物園に行って確かめたくなってしまった。(笑)
意外な性格に驚くばかり・・・
でもそれを、人間自身にあてはめてみて見れば、この動物達がとる行動は我々自身の姿なのかもしれないとも思った。
この物語に出てくる猫や犬は、監督が飼っていた子達をモデルとしていると後で知ったんだが、愛情を込めて作られたこの作品には、私的には今もどこかで始まっている崩壊へのメッセージや人類への警告とも受け取れるなと思う場面を見た。
そしてこの映画では、人類のいた形跡はそこかしこにわずかに残されているのだが、肝心の人の姿がどこにも見られない事。被害にあったかもしれない人の亡骸さえ見えないのだ。
まったくもって忽然と姿を消した。
そうゆう風な地球の姿なんだよ。
そしてある時突然大量の水が、地球の割れ目に吸い込まれていく。
思わず助かった!と思い安堵するのだが、ここでこの彼らの旅はまだ終わらない。
猫(彼)がその先に見た今という風景は、本当に救いとなったのか・・・
船に乗り合わせた仲間達が再び集い、頭を摺り寄せながら仲良く辿り着いた喜びを確かめあっている様子に、見てるこちら側もホッと微笑ましくなるのだが、彼等の足元とエンドロール後に見えた海原を優雅に泳ぐ鯨の姿に、映画を観てその場を立ち去っていった観客達は、どんな風に想像して感じたんだろうかと思いました。
鯨は要所要所で猫達の前に現れます。
猫は水を怖がる子とそうでない子がいるけど、映画に出てきた黒猫は水を怖がらないタイプだった事で、無事に危機を脱出する事も水の中から泳ぐ魚を捕る事もできた。
白い鳥は何かをわかって行動していた・・・ようにも見えたし、その鳥が途中で合流しようとする犬たちに、まるで船に乗せる事を拒むシーンもある。
そこでいい行動をとるのがカピバラなんだが、(笑)
映画を観終わった時に、すぐにでもうちに来る野良猫の黒猫を抱きしめてやりたい気持ちにもなった。
今も遠い北極や南極であるいは永久凍土と言った地で、大量の氷が溶けだしているという。
すでに水に沈みそうな島々や都市があるとも聞く。
我々は普段そんな事をニュースになると注目して見ているのだが、普段の生活の中ではさほど気にする人もいないだろう。地球温暖化も加速を続けている中で、もはや手遅れ感も否めない。だが努力次第では、その加速を遅らせる事はできるかもしれない。その間に頭のいい人達が、何かいい案件を考え出してくれたら・・・
映画に描かれた彼らの物語は、人間がきっといくらかは原因なんだろうなと思う次第。
そして彼らはその犠牲者・・・となるのだが、申し訳ないと思いつつも前向きに明日に向かって、どこに辿り着くのか行方もわからない旅の中でも、それぞれが思う旅のゴール・・・
そして生きるという未来に向けて目を輝かせている姿に、こちらも勇気と元気を貰えるのである。
人間ならばこうゆう危機的状況下では、いづれ仲違いやいざこざや争いが起こり敵対する者もでるだろう。だがこの旅の仲間らを見ていると、時にそれも乗り越えなければならないんだと、それはそれほど難しくはないんだよ。なんでも受け入れる勇気があればできる事さと、そうゆう風にも思えた。きっとそうしなければこれからの未来は生き残れない。
同じ地球に生まれたものとして・・・
ラストが近づけば近づくほど、衝撃的なシーンも描かれている。
人類は何処へいったのか、何故彼等だけ生き残れたのか、他の地域にもだれか生息しているのか。別の物語として、黒猫が幸せに暮らしていたあの家の主とのエピソードも見たくなった。
そして私は、何度かほろりと涙が頬を伝うシーンもあった。
こうゆう未来が訪れないように、少しでも長く明るい未来が訪れる事を願う。
そしてこの旅の仲間達の幸せを祈りたい・・・
そこまで考えないで観れば、生き残った動物達の冒険物語なのだろうが、大人は大人として様々なメッセージ性を受け取りました。観る人によって違うかもしれないが、観た人これから観に行く人達はどう受け取りましたか。
不思議な高揚感
があって面白く見られました。
たぶんアーティストによって愛でられたであろ黒猫。
それが増水の危機によって本能のままに生き抜こうとする姿に共感しました。
必死にもがいてもがいて、遂には水中に潜ります。
そして猫は息絶えそうに・・
そこからの救いがあって・・
そうこうするうちに共生の関係が出来たり・・
登場動物の愛らしい画のタッチに反して、猫の細かな生態の描写や他の動物の生態の端々もリアルに描かれてて好感でした。
本作はリアルといってもあくまでリアル風で、そこは微妙なバランスさで擬人化されており特質な世界観でした。とくに猫が水中に潜るなんてありえん!? が、いつの間にか自然にお話しに委ねられるようになりどんどん没入することができました。
正直、鑑賞中あの鳥や怪魚の描写にしろ少々メロウな気がしました。
主人公である猫が無条件に助けられ救われる都合の良さを感じぜざるをえなかったからです、が
つらつら考えるうちに、
偶然必然拘らず、ああいった生かされたり召されたりの繰り返しは私達の実生活にもあるわけで、、
上手く言えないが、特に岩の頂上の所なんかは全知全能の力で選別されるのを見ると、たいへん神々しいものを見させられた気がしました。
エンヤの曲(かからんけど)が似合うような不思議に高揚する作品でした。
船酔い注意!!でも、その先に広がる圧倒的な映像詩!と猫🐈⬛!
まさか映画館で船酔いするなんて…(笑)「FLOW」はその名の通り、視点も世界も常に「流れて」いて、序盤の水中パートで私はしっかりやられてしまいました。とはいえ、その酔いすら作品の一部に感じられてしまうのが、本作の不思議な力。没入感が素晴らしい。
監督はギンツ・ジルバロディスで、前作「Away」と世界観が繋がっているようにも感じられました。まず人が出てこない。そして文明の痕跡。あと動物達。さらに言えば「死」を考えさせる描写があること。作風自体、観客に自由に考えさせる、感じさせるってスタンスが引き継がれてたと思います。
登場人物は人間ではなく動物達。猫、犬、カピバラ、鳥、キツネザル…。それぞれにキャラクターが宿っていて、でもあくまでリアルな挙動を保っているのが面白い。特に猫の描写は、私が飼っているのでよく分かるのですが、凄く観察されていて、目の動きや身体の反応に感心しました。あと、キツネザルの物への執着が妙に人間臭く、とても興味深いです。
本作最大の謎は、山頂での鳥の昇天と、あの巨大なクジラ(?)の存在。鳥はただ死んだわけではなさそうで、猫も途中まで一緒に浮かんでいたことを考えると、あれは別世界への扉が開いた瞬間なのか?と思ったり。友人の「生贄説」も面白いなーと思いました。鳥の昇天後に起きる急激な水位の変化は神の怒りが収まったことの暗喩なのか、それとも祝福だったのか…。
そしてクジラ。神のような絶対的な存在のように感じました。エンドクレジット後、再び水中を泳ぐ姿を見ると、この世界の象徴のようにも思えます。水位が上がってみんなが大変な時に悠然と泳ぎ、水位が下がると打ち上げられてヘロヘロになってるクジラ…。この対比は面白いと思いました。
音楽は前作に続き壮大で美しく、映像は前作を遥かに超える完成度。特に鳥の昇天シーン、水位が急落するシーンは息を呑むほどのクオリティでした。
「FLOW」の最大の魅力は、答えを提示しないことだと思います。 観る者に自由な解釈を委ね、感情と想像力を刺激する。それはこの監督の特色なのかも知れません。今後も要注目の監督さんですね。尚、名前は覚えられん(笑)
美しい映像、リアルなネコ、生きる本能
荒廃して人がいない地球に定期的?な大洪水が訪れ、ノアの方舟よろしく色々な種族の動物たちが共に船で荒波を乗り越える物語。
とにかく映像が綺麗!森や苔むした遺跡の中を黒猫が颯爽と走り抜けるシーンや海の中の魚の群れ、そして昇天シーンと最後水が引いて木が現れるシーンはほんと気持ちよかった。
何より動物たちが極力?擬人化されておらずリアルなままなのも新しく感じた。途中ん?と思うところも、いやこれだけリアルにこだわってるんだからきっと命の危険に脅かされたら猫だって海に潜るし、泳いで魚を取るにちがいない、舵を切ったら曲がるとわかったらもう一度できるに違いない、と自分に言い聞かせてしまう。あまりのリアルさに極限状態で猫がどうするか実験とかしてないよね。。とか怖い想像までしてしまったくらい。さすがにロープ引っ張るあたりからはファンタジー感じたけど。
キツネザルはきっと元々一番人間ぽい行動をとるとして、黒猫🐈⬛に弟の如く懐く白ワンコ🐕も、助けてくれたヘビクイワシ?🦅や鯨🐋を親のように慕う猫も、パタンと寝るカピバラも、目の前のうさぎに飛びつく他の犬たちの短期記憶っぷりも、動物本能そのままなんだろうなと思える。
洪水が度々起きるのであれば、きっと生物の頂点は空を飛べる鳥たちと海に生きる者たちなんだろう、そこから漏れた弱者たちが手を取る物語なのかも。そういやうさぎはどうやって生き残ったんだ。。無理でしょ。
ラトビア映画、特に何か強いメッセージがあるわけではないように感じるけど、地球の本来の姿はこれだけ自由で予測不可能で、皆が助け合って初めて生き延びることができるんだ、ということはなんか生物本能的に受け取りました。
よかったです。
色々想像したい
時間があったので見てみたらすごく良かったですね!
まずアニメの描き方が優しく綺麗。
物語も相まって良い世界観を作り出していたと思います。
そしてストーリーの方は動物たちのお話ということもあり、あるといえばある、という感じです。
終末感がある世界で、動物たちが集まって何かを目指す、という感じ。人工物があるので、人は居たのだと思うが…
海面上昇?が顕著なので、恐らく今より未来の世界なのかな、と思う。ガラスっぽいのもあるので技術的には発展していたのだろう、という想像。
…という色々妄想が捗る内容でもありますね。
さそして何より動物達がかわいい!
勿論意思疎通が図れないと思うので、思い思いの行動を取っているのですが、性格が見えてくるんですよね〜。しっかり者だったり思うまま行動する者だったり…
そんな色々な動物達が集まるシーンがあるのですが、グッときましたね。
言葉がない、というのを活かした良作でした。
天変地異があっても友達をつくろう
予告で観る限り、これは絵本の世界を映像化したようなものと思っていた。
様々な動物たちが力を合わせて洪水を乗り越える話である。
たしかにそれに違いは無いのだが、映画本編を鑑賞した際にもっと没入感があった。
というのはリアリティラインを先ずどの辺りに置くか、という事に成功しているからだと思う。
冒頭、主人公の猫の住処には猫好きが作ったり描いたと見られる猫の置物や猫のデッサンが描いたまま机にあったりする。そして外には猫の大きな巨像があったりする。
劇中、動物たちはクラフトすることが出来ない。
人間たちの残した創造物を利用したり集めたりすることだけが出来る。
この猫の住処も、猫好きの人間が残したものということが出発点となっている。
これによってリアリティラインとしては、この物語は想像のものですよ、というメッセージ性を持つと受け取れた。
この導入部が無かったら、猫は猫として、互いに動物たちが協力し合うにしても、違和感を持つことになったかもしれない。
二つ目はこの想像の物語に於いて、地球温暖化などの環境異変を描いているところにあると思う。
初めは川に流れる魚を獲ろうとしていた猫だが、やがてその魚は洪水の更なる水面上昇により色彩を持つ熱帯系の魚に変わってゆく。
逃げ出す動物たちの様は、人間を描かなくても生き物はどうなるのだろうという切実さを感じることが出来た。
こうした想像の物語の切実さが描かれながら、動物たちは一番高く見える巨塔のようなものを目指すことになる。
先ずカピバラが乗っていた船に乗り、やがて物集めが好きな猿が乗ってきて、翼を怪我した鳥が乗り、猫は共に旅をしてゆく。
最後は仲間を仲間と思えたところに猫の成長があったのだろうか。
地上に横たわるクジラを見ることに、生き物の死が描かれていたのではないか。
再び天空に向かう鳥も同じように感じられた。あれも何かを悟った生き物の死だったように思う。
動物はたしかにその日暮らしかもしれない。
描かれ方としては、動物たちが排泄物もしないので、綺麗な描かれ方の上で寓話的に扱われてもいる。
ただリアルな動きがあり、だが眼差しなどは可愛らしく描かれている。
観終わった後、何か心に残るものがあった。
天変地異があっても友達を作ろう、という話だったのだろうか。
それは確かに救いのある話だと思う。
いい映画だった。
(追記)
ネコちゃんはおうちネコだったから、(飼い主を含めた)人間が居なくなって外に出るしかなくなって上の窓を割って外へ出たのかな…。
やっぱり飼い主がシザーハンズみたいな外部と接触するのが苦手な人だったんじゃないかな。それでネコちゃんもそうなっちゃったという…。
そうなると何故動物を描いたのかも分かる。生き物の生命力を描きたかったから、という…。
聞いた話だと監督のご両親はアーティストで、彫刻家と絵を描く人らしいです。
ということは、そうしたものが残された家やその近辺から抜け出ることは監督の意思の表れ、自立の表れだったように思います。
良質な緊張感とユーモアを与えてくれるアニメの新たな秀作
日本の著名なアニメ監督に出てくる有名な黒猫キャラクターに(意図的かは別として)似ている主役の猫は同様におしゃべり。
ただし、人間の言葉ではなく、目と鳴き声で感情を表してくれる。
なので、リアルに寄せた動物たちの中で、猫の目だけは大きめでデフォルメが入っているのは演出上の必然かもしれない。
とはいえ、動物たちを主役に据えたアニメ作品の中でも可能な限り擬人化を避け、本物に近づけたため、1つ1つのピンチが切実で緊張感をもたらしてくれる。
一般的な映画なら「ここは大丈夫でしょう」と思ってしまう場面でも、ドキュメンタリーを観ているかのようにドキドキしてしまう。
ドキドキしたあとに、特徴をとらえたキャラクターたちの動きでクスっとさせてくれる。
この緊張と緩和がバツグンによい。
口コミだけでほとんど事前知識なしでみたけど、映画館に行ってよかった。
そう思える映画です。
#カピパラとヘビイワシ?船の舵を操るのがうますぎです
洪水によって陸地が水で覆われてしまい。逃げる途中で小舟に乗った動物たちが共同で生活していく姿を描いた作品。淡々とした展開の中に哲学的メッセージが込められているようです。
今年のアカデミー賞受賞作品の一覧を眺めていて、作品賞
のアノーラが多くのタイトルを取ったなぁ と思った中、
他の賞、例えばアニメーションはどんな作品だったんだろう
と気になりまして。 ・_・ハイ
「 Flow 」 …うん。知らない(不勉強です…・_・;;)
ラトビア(他2つの国)制作のアニメとの事。
この国制作の作品鑑賞は、恐らく実写含めて初めてかも。
色々な賞を既に取っているようです。(不勉強で…以下略)
これは観ておかねば、という訳で鑑賞です。
鑑賞終了
何とも不思議な味わいの作品でした。 ・o・
登場するのは動物だけ。擬人化して人の言葉を話し出すしかも
ありません。ワンワンニャーニャーが響きわたります。
ストーリーといいますか…
は、有るような無いような。そんな内容です。@_@ ;
突然の洪水に慌てふためき、逃げる動物たち。
逃げる先でも次第に足元が水に浸っていく。
人の気配の無い家の中にいたクロネコ。
元は飼い主の家だったのだろうが、姿は見えない。
家から外に出てきたクロネコ。
周囲が水に浸かり始め、次第に立つ場所が無くなっていく。
目の前に小舟が流れてきた。
間一髪で小舟舟に飛び移るクロネコ。 セーフ。 ほっ。
小舟には先客が。
大きなネズミ? いや、カピパラか。
自分より大きな姿にビビリながら必死に威嚇。フーッ
カピパラは突然のクロネコの侵入にも動じない。
なんとなく、そのまま二匹を乗せて流れていく。
流れていく先々で、他の動物たちとの出会いが。
イヌ。他に数頭と一緒だったが、白い犬が残った。
サル。鏡やカップなど、綺麗なものを集めていた。
トリ。仲間のトリ達は空から小動物を狙っていた。
皆の乗った舟は、世界中を流されていくようだった。
山岳地帯の仏塔。チベット?
風車のある風景。オランダ?
運河の中を進む。ベネチア?
果たして流れて行く小舟に、辿り着く先はあるのか。
と、行く末を見届けることになります。
そんな感じのお話でした。 ・△・ハイ
◇
登場する動物は人間の言葉を話さない と、冒頭でも
そう書いた通りなのですが、動物の間で会話が成立している
のが分かるのがすごいと感じました。
セリフは無く、犬の吠える声とか猫の鳴き声とかしかセリフ?
がないのに、会話が成立しているように聞こえてくるのです。
それというのもきっと、動物の良くある行動パターンを上手く
取り入れていたからかなという気がします。
# 興奮状態の犬のグルグル回転 とか ワンワン
# 警戒モードでのネコのイカ耳 とか ナー
声の外にも、動物たちの表情描写も良く描けているように
感じられました。
水に潜って魚を捕まえるネコがいるのかは ? ですが…@▽@
(一般的にはネコは水が嫌いではないかと)
◇
全体的に、しっかり画面をみていないと展開が分からなくなる
感じがあったのと、セリフが無いため観る方の集中が ふっ と
途切れてしまいそうな時間もあったように感じました。
(途中意識が飛んだ時間があるような…)
ただ、水の表現(水上も水中も)がとても綺麗です。
基本的にはゆったりとした気分で、動物たちと一緒に楽しく
漂流できたような気もします。(…本当か?)
アカデミー賞受賞作品として、一見の勝ちはあったかな? と
感じられる作品だとは思います。・_・ハイ
まあ、観て良かった。
★津波をイメージさせる映像で始まります。
苦手な方、その点にはご注意下さいませ。
◇あれこれ
映像から他の作品を連想したり、似ているかもと思ったキャラが
いくつか出てきたような。
■動物のデザイン
・クロネコ(ジジ? 「魔女の宅急便」)
・サル(アメディオ…にしては大きすぎ?「母をたずねて」)
・イヌ(ジョリィ? 「名犬ジョリィ」)
・トリ(アオサギ? 「 君たちはどう生きるか」)
■他の作品や場面を連想
・未来少年コナン (残され島から手作りイカダでの旅立ち)
・火の鳥 (手塚治虫 宇宙観・無情観)
・銀河鉄道の夜 (宮沢賢治 死生観)
・伝説巨神イデオン(みんな星になってしまえ の劇場版)
■込められていると感じた哲学的思考
・ノアの方舟 (ヒトが乗ってないことだけが違うかも)
・滅びと再生 (宗教観が入っているような気も…)
・共存と対立 (今の世相を反映しているのでしょうか)
などなど。
色々なことを考えさせる作品だった気がします。
その点でアカデミー賞にふさわしいかも・-・
◇最後に
この作品の始まる前の時点で、ヒトは滅んでしまったのかと
思わせる描写が、漂流中の至る所に出てきました。 ・△・;
洪水を生き延びた動物の中でも、二種類に別れていました。
目先の物事しか考えられない自己中心な者
回りの事を考え自分を変える事の出来る者
この作品が意図するものに「黙示録」のような意味合いが
あるのであれば、最後に残った4匹を中心とした新しい世界
が始まるのかなぁ と、
鑑賞後にそんな事を考えてしまう自分がいます。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
然り気無い優しさ
ラトビア発のアニメーション。
ナレーションも無く、綺麗な画像が
流れ、流れまくる。
自然界に存在する動物。
その動物達も行く末も定かではないはず。
未知の成り行きを、その流れに任せて
作っていく方向性が凄い。
黒猫は水が苦手。
だが水没した世界で生きていくはめに。
彼の前に色々な動物が現れる。
ヘビクイワシは白羽で気高い。
カピバラは落ち着いてて優しい。
狐ざるは欲張り。犬達は本能のまま。
あの海洋生物は良いタイミングで手助け
してくれてたなぁ。
その動物達の性格が無理なくそのまま
演出してたのが良かった。困ったり、少し
優しくしたり、自由な感じが。
知らない者同士が、相手を見て考えていく。
そして然り気無い優しさに変わっていく姿は
良いなぁ。
みんなで一致団結して助けたシーンも
ほんわかする。
心優しい映画。
人としてのノアが登場しないノアの方舟みたいな物語
期待に違わず、とても面白かった。
前作の「Away」よりも洗練された作品になっている。
人間は1人も出てこないが、無人となった人類の文明の痕跡は沢山出てくる。
この世界に、何故に人が誰もいないのかは、最後まで明らかにならない。
動物は沢山出てくる。
簡単に言えば、人としてのノアが登場しないノアの方舟みたいな物語。
動物は、とてもリアルに描かれている。
しかし、内面的にはかなり擬人化されていて、途中からそれが少し鼻につく感じはあった。
原題は「Straume」。
ストリーム。流れ。
こちらの方が、この物語の本質を表している気がします。
台詞は一切無しで、全編を飽きさせずに魅せるのは、スゴいと思います。
不思議な映画でした
黒猫の冒険談なのか主人公はとある黒猫
森の中を散歩中にいきなり津波がやってくる
なんとか逃げ切って家(人の居ない住居の二階を
住みかにしてるらしい)に戻るも何やら外の様子が
おかしいので飛び出すと
水面がはひたひたとあがってくる
このあたりの描写は丸で実写のようでとても
リアルでした 映画は水面の場面が多く
水面の反射とその下の水中の様子が生き生き
と描かれており 今まで見たことのない映像でした
この映像は先の展開が全く見えないので
こちらも猫視線でドキドキしてしまいました
猫屋敷だか人間が作った猫の彫り物をたくさん
配置した庭と離れには巨大な猫の像があって
そこに逃げた黒猫もヒタヒタとあがってくる
水面にとうとう逃げ場がなくなった
どうするんだ❗こちらまでドキドキしました
でもちゃんと《助け舟》がやってくるんですね
その後はカピバラ に何とか猿?にはぐれた犬
大きな白い鳥で冒険活劇 で途中黒猫は水面に
落ちたりするんだけど水中に潜って魚を捕る(笑)
この辺りはもちろん空想なんだろうけどね
嵐になって大荒れの海を泳ぐ黒猫
途中遂に溺れ死んだ?か 映画終わりか?
と思ったら鯨似の巨大な生き物の背中で
息を吹き返したのは安堵しました
·······1つ判らないのは巨大な白い鳥が
タワーのてっぺんから光る空に吸い込まれて
行ったシーンは神様に召されたのかな?
とにかく予想も付かないストーリーでドキドキ
しました音楽も素晴らしい 画像の美しさ
からこれはBD出たら保存盤になりそうです
この巨大なタワーだか塔の頂上
猫を抱き締めたくなる
第82回ゴールデングローブ、第97回アカデミー賞で受賞を果たしたラトビア作品。
単なる映画好きとしてだけではなく、
猫好きとして、アニメ好きとして期待してました。
鑑賞後の率直な意見として...最高でした!
想像していた内容と違い、とても哲学的で切なさを秘めた傑作。
考察の余地が多々あり、観た人の数だけ解釈がある内容。
私なりの考察と伝えたい事をレビューします。
【大洪水の世界】
ここは多くの方々が指摘するように人類による環境破壊の末路だと思いました。
もしくは高次元存在(神)による天罰。
故にノアの方舟のオマージュを連想する物語。
人類はこの洪水で滅んだようにも思いますが、それ以前に滅んだようにも見える。
【猫】
本作の主人公。私も家で猫と暮らしているので終始、感情移入してました。
爪研ぎやフミフミ、寝起きの伸び等々、猫の動きに凄い拘りを感じました。
猫は表情筋が発達していないので耳や尻尾の動作、瞳孔などで今の気持ちをちゃんと伝わるようにしていたのは素晴らしかったです。
元は家猫だったのか分かりませんが、猫好きだったであろう人間の空き家に住んでおり、そこから旅が始まる。
旅の中で他の生き物に対して仲間意識を持ち、仲間の為に行動する。
道中、何度か海に落ちてか細い声で鳴く姿にハラハラしました。
猫好きとして心臓に悪い...
そんな猫も徐々に水を克服していく。
終盤、超常的な力に吸い込まれる猫と鳥。
何故、鳥だけが選ばれたのか(後述)?
あの光が救済の類なら行動からして猫も選ばれる資格はあったはず。
【カピバラ】
所謂ムードメーカー。
カピバラが最初にいたからこそ動物達は、争わず最後まで旅を続けられたのでしょう。
この子だけは、劇中で全くブレない。
【キツヌザル】
習性でもあるのでしょうが、劇中で人間に最も近い存在。
珍しい物に執着し、特に鏡を気に入る。
自身の投影は、我々人類への警鐘にも思えました。
最後、仲間達から離れて猫の元に来たシーンはグッと来ました。
【犬】
当たり前だが動物にも個性がある。
劇中の犬達の中で唯一、仲間をいたわり合えた白い犬。
【ヘビクイワシ】
猫を守って飛べなくなった鳥。
操舵手として舟を守るリーダー的存在。
終盤、超常的な力によって光へと姿を消してしまう。
【何故、鳥は選ばれたのか?】
道中、犬の仲間達を助ける選択肢がある。
ここが重要な分岐点だったのかもしれない。
人間的な、ドラマ的な価値観で測るならば猫の行動・選択こそが主人公であり、救済されるべきだと思ってしまう。
だからこそあの光は、救済ではなく終わりの光だったと思う。
鳥は傷つき満足に飛べない。
群れにも帰れない。
飛べない鳥の末路は死である。
あの鳥は、どこか諦めがあったのではないか。
天高い山(モチーフはアララト山?)を見た時、鳥は何かを感じ取り飛び立った節がある。
【鯨】
鯨なのか、未知の海洋生物なのか...劇中で何度か姿を現す神秘的な存在。
終盤、再び洪水の兆候が顕れる。
猫は、あの岩山に向かえば助かると思い駆け出す。
しかし道中に水が無く、苦しんでいる鯨と出会う。
ここで猫は気付く。
我々にとって水は命を奪うものだが、
水が無ければ生きていけない生き物もいるのだと。
【結末】
最後、その場に留まる猫。
そんな猫に寄り添う仲間達。
このラストシーンは、心の底から泣きました。
エンドクレジット後、やはり再び洪水の世界が来た描写がありましたが、私は猫達はきっと助かったのだと信じてます。
【総評】
本作に見事な傑作です。
文句の点けようがありません。
動物を擬人化せずに台詞は無く、行動だけで表現した制作陣の手腕に脱帽です。
この世界は、多くの生命が共生して成り立ってます。
私達人類はその円環から離れつつある。
猫達の旅路は、私達にとって忘れていたものを思い出させてくれる。
この星に生きる全ての生命に祝福を。
帰宅後、一緒に暮らしている愛猫を抱っこしました。
※2025年4月10日追記
再度、映画を鑑賞してあの光について別の考えを浮かびました。
大洪水の後、ノアは祭壇を作り神に生贄を捧げたと言う。
ヘビクイワシが光の中に消えた後、水が引いた。
黒猫はヘビクイワシが生贄となり、大洪水が終わったと考えた。
黒猫が最後に駆けだしたのは、自分を犠牲にして仲間を救おうとしたのかも知れない。
しかし偶然ではあったが、自身を助けてくれた鯨が苦しんでいるのを目撃して立ち止まってしまった。
観る度に新しい発見と考察が出来る素晴らしい映画。
本当に黒猫ちゃんが尊い。
猫好きなので
猫好きなので少し採点甘いですが
猫あるある犬あるある猿あるある(多分)
カピバラってあーなんだ初めて知る
セリフはまったくないですが動物達の気持ちは伝わってくる
人間がいっさい出てこないのがよかった
不思議な鳥は宇宙へ飛び立ったのか
火の鳥のようだった
最後はハッピーエンドなのかせつないエンドだった
水の中で生きている生き物は地上では生きられないよな
寄り添う黒猫がせつない
動物達のチーム感もよかった
言葉なんて必要ない
なくても心で通じ合えるんだな
よかった
猫が森をさまよっていると洪水が起こる。船で他の動物と一緒になる。擬人化せず徹底的に動物らしく描いている。最後、その乗り合わせた動物たちが協力してカピパラを助けるのは動物らしくないではないかと思うのだけど、あれだけ苦労を分かち合った動物たちなら友情が生じてそうあっても不思議ではないなどと納得できなくもない。
ちょっとウトウトした。
映像と雰囲気はわるくはない
ラトビアの映画なんて劇場で見るのは初めてかもしれない。まあ、らしさ、みたいなものは感じなかったというか、私には分からないが。
『アウェイ』という前作はネットで見たが、昔のミストとかの洋物ゲーム風な映像と雰囲気で、ちょっと観念的な世界観だった。この映画でもそれは同じで、昇天した鳥とか、『幼年期の終わり』か、という印象。人が居ないのは、あの遺跡みたいなところから、皆昇天してしまったからなのか、とそんなことを思った。やたらと知性に溢れた鳥は、遺跡に呼ばれて昇天でもしたのか。そんな描写は無かったが。
擬人化までされてはいないが、動物物の映画に多い、やたらと訓練された賢い動物、という感じではある。監督は猫好きで犬嫌いなのか、犬だけはお頭が悪いというか、それなりの描写だった。
映像はきれいだが、最近のゲームムービーと比較してもさほど優れているということもない。『野生の島のロズ』とかを見てしまった後だと、特段優れているという風にも見えない。
あまりお金がかかっていないとか、独りで作ったとか、数人のメンバーで頑張った、的な映画が時々出てくるが、商業作品として劇場で上映するのだから、見る側としてはそんな作り手の事情に情けをかけてくれる人ばかりでもないだろう。面白ければいいのだけれど。
アカデミー賞を取ってしまったので、ちょっと身構えてしまったところもあった。上振れるか下振れるのか、見終わった後だと、まあ、こんなもんなのかな、という印象。
世界ネコ歩きとかを見ていられる猫好きなら楽しめる映画なのかもしれない。私は猫好きではないので、こんな評価。
猫は水が大嫌いなはずなんだがなぁ。
3月17日(月)
我が愛しのグルミットがトム・クルーズばりのアクションを見せる「ウォレスとグルミット 仕返しなんてコワくない!」や、ドリームワークスの快作「野生の島のロズ」や、評判が良い(未見)ピクサーの「インサイド・ヘッド2」を押しのけてアカデミー賞長編アニメーション賞を受賞したラトビアの「Flow」。
興行側が読み違えたか、小規模公開で小さなスクリーンでしかやっていない。
TOHOシネマズ池袋スクリーン4で「Flow」を。平日昼間でも7割程度の入りだ。
黒猫が大水が出た世界で廃船?に乗り合わせた動物たちと水の上を彷徨う。動物を擬人化せずに言葉を話す事もない。
動物の鳴き声、泣き声、啼き声、哭き声、自然音と音楽のみである。
何故、大水になったのか?そこに居た形跡はあっても登場しない人間はどうなってしまったのか?説明も字幕もない。
監督の5年前の前作「Away」も同様に台詞無しの少年の話しだったらしい。ちょっと観てみたいね。
本作も監督・製作・編集・音楽の一人4役をこなしている。
登場するのが、黒猫と4種類の犬、アフリカのヘビクイワシ、南米のカピバラ、マダガスカルのワオキツネザルと生息地域が違う生き物が乗り合わせているのも意味があるのか。
ヘビクイワシは、黒猫に魚を与えようとして仲間に襲われ羽根を痛め翔べなくなってしまう。
ヘビクイワシはタカビーで上から目線、船の舵取りも自分で行う。カピバラはおおらかで我関せず、ワオキツネザルは自分の好きな物に夢中とキャラ分けもされている。
余談だが、私は動物園で動物を観るのが好きで、レッサーパンダやカピバラを観るのは大好きである。ちなみに私の写真は上野動物園で撮ったハシビロコウ。
映画は、黒猫の視点で描かれるが、犬に追われて全力疾走する時のスピード感、足元に迫り来る水に水没する恐怖感、ワシに捕まって大空から落下する浮遊感と変化を付けて映像が単調にならないようにしている。大木に引っ掛った船からの脱出はヒッチかトム・クルーズか。
本作で素晴らしいのは、鏡、ガラス、水面に映ったリフレクションの緻密な表現である。
それに対して毛並みなどはぬっペリしていて、こだわりが無い。ピクサーなら毛1本1本を緻密に描く所だろう。
オープンソフトで作られたとの事で、そこはこだわる所ではないと言う事か。
ヘビクイワシが天に召されて?水は引き、各々は地上の園に戻る。水の中にいた悠然としていたクジラのような生き物(瞼があるから魚ではない)は地面に横たわっている。
異種に施しをしようとした者は仲間から攻撃され、一緒に彷徨った異種は助け合う。
何の暗喩なのだろうか。
クレジット後の姿に、また水が来たと思うか、別の個体と思うかも含めて、考える映画なのかな。
自分としては、水が嫌いな猫が水中に潜って何匹も魚を穫るのが納得がいかなかったけど。水に落ちた猫は、慌てて必死で船に登ろうとしていた。あれが本当の猫の姿でしょう。
なかなかに切なさが残ります
自然に住む動物たちと1匹の猫を追う長編アニメーション
セリフはなく、動物たちの鳴き声や生態で状況を把握する
1匹の黒猫にフォーカスして、大洪水にのまれながらも必死必死に生き延びるすがたを、不安と緊張で煽られるも、リアルかつ綺麗な映像で綴られる
それぞれ大洪水を逃れて一艘の船に集結した動物たちが、言葉はなくとも支え合いながら窮地をしのぐ
世界中が洪水に呑み込まれたかのようなシチュエーションに、
何度となくハラハラとさせられる
偶然なのか奇跡なのか、巨大な魚に救われるような場面が何回かあった。
最後洪水が引いてのまれていた自然が戻ると、黒猫を救った巨大魚は打ち上げられたようになってしまい、弱っていくがどうすることもできない黒猫が切なかった
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