Flowのレビュー・感想・評価
全168件中、101~120件目を表示
いろんな意味でクオリティ低い
アカデミー賞を受賞したCGアニメーション作品。正直、ピクサーなどのハイクオリティなCGアニメに慣れてると、違和感しかない。
背景の木々はキレイなんだけど、メインの動物たちのCGは、ピクサーで言えば「トイストーリー2」の頃ぐらいのクオリティ。ただ、水の表現だけは文句無しでした(^^)b
ストーリーもよくわからないし、動物たちの行動にも違和感あり。個人的にはツッコミどころ満載で納得のいかない作品でした。
ラトビアのアニメ映画 一匹の黒猫の目線で、初めから終わりまで描かれ...
ラトビアのアニメ映画
一匹の黒猫の目線で、初めから終わりまで描かれた動画。
現れるのは、猫さん一匹と、他の様々な動物のみ。
人間の面影は皆無、言葉も皆無。
建物や、かつて使われたであろう部屋や道具類があるぐらい。
世界中が洪水で沈みはじめ。
猫らしく、最初は孤高だったものが
他の様々な動物と、追いかけられたり、助けられたり、
仲間意識が芽生えたり、警戒したり、去られたり etc.
生き延びてゆくための逞しさ、圧巻。
ふだんの私的な悩みが、小さく安っぽく見えてきました。
誰(どの生物)目線に寄り添うかで、見える物事がまるで違う印象です。
再び観にいかねば。
あとでパンフ冊子を読んで驚いたこと、
OSS(オープンソースソフト)の動画ソフトですべてつくられたとか。
お金をかければ良いってものではないですね。
YouTubeの猫動画で十分かも?
猫好きの使命として視聴してきました。
随所に出てくる猫ならではのあるある動作は、猫好きには堪りませんでした。
また、全ての動物たちが可愛いだけでなく、動きそのものも絶妙で、セリフがなくても行動の目的や意図が自然に伝わってきたのは素晴らしかったです。
とはいえ、肝心の動物の画質はPS3、水の動きはPS4レベルといったところ。
今日日、この画質ならMeta Quest3で余裕でVR鑑賞できるんじゃね?と思いながら観てました。
というか内容的も演出的にもVRで、せめて3Dで観せるべき作品だったと思います。
また、そこかしろに散りばめられている【意味深な物体やシーン】が気になる、というか鼻に付きました。
視聴者がどうにでも想像し、解釈できる余地を敢えて作ったのでしょうが、そうした部分が投げっぱなしの割りには、悪く言えばありきたりなので、画質の粗さと合わせて陳腐感を感じざるを得ませんでした。
長くなりましたが、ココからが結論です。
猫や動物たちの可愛さと癒やしが全て、それに全振りの映画です。
見終わったあとには、日頃のストレスもすっきり晴れ、とても心が癒やされたことは間違いありません。
でも、ぶっちゃけ、この感覚はYouTubeで猫や動物の癒やし動画を観たのと全く変わりません。
そうなんです、結局はYouTubeの猫動画・動物動画で十分なので、お時間が余ってる猫好き・動物好きな方のみ視聴すれば良いかもしれませんね。
い、言ってもうた(汗)
海に浮浪し異大陸の動物に逢う (南米・アフリカ・マダガスカル)
台詞なしで説明が皆無なので、消化不良な部分はあるが、動物の動きがリアルで観てて飽きない。鏡に興味を持つ猿、鏡に反射する光を追いかける猫のワチャワチャは可愛い。ゴールデンリトリバーに驚き、毛を逆立てる猫もリアルだった。
登場した動物の分布を調べると1つのテーマが浮かぶ。ネコもイヌも人里に多く、監督の出身国ラトビアを含むほぼ全世界に居る。一方、カピバラは南米固有、ヘビクイワシはアフリカ固有(サハラ以南)、ワオキツネザルはマダガスカル南部固有。つまり後者3種の分布は海に隔てられている。本作は洪水(Straume [ラトビア], flow [英])で漂流するので、異なる大陸・島の動物が集うのも不可能じゃないが、描かれた時間軸ではちと速すぎる。つまり、リアルな漂流を描いたのではなく、分布が離れた動物たちを敢えて選び、彼等が出逢う姿を描きたかった気がする。ネコとイヌが洪水によって欧州?を旅立ち、普段は会う筈のない大陸の動物たちと遭遇し、諍いもありつつ最後は協力し仲を深め、4匹が睦まじく水面に写る。困った時に必要なのは、国境や種の壁ではなく、協力しあえる仲間...なのかもしれない。
1時間5分頃から、直立した岩の上で重力を失い揺蕩う場面、何故ヘビクイワシは天に召され、ネコは地上に戻るのか? 傷ついた羽根で無理した鳥の天命か? 或いは、直後の1時間10分頃から水が引いて洪水が終わったのは、ヘビクイワシが天に昇って起こした御業なのか?
終盤、水が引いて陸の上で身動き取れなかったクジラが、エンドクレジット後に海を漂っているのは、洪水が再度起きたという事か? 全然違う個体なのか? と観客が想像する余地が残された映画なんですね。
詩的な映画
動物を擬人化したアニメ映画という共通点のある「野性の島のロズ」と本作を、2本続けて観ました。
「野性の島のロズ」の動物たちは言葉を喋り、「献身的な母性愛」や「集団への自己犠牲」のわかりやすい物語で、激しく情動を刺激される映画でした。
一方本作の動物たちは人間的な振る舞いはするものの、言葉は一切喋りません。テーマもよくわからない。
じゃあつまらないかというと、そうではありません。「野性の島のロズ」を「散文的」とすると、本作は「詩的」な映画でした。美しい背景の中に象徴的な事物が羅列されています。一つ一つにおそらく隠された意味があるのでしょうが、考える映画というより、感じる映画なのだと思います。洪水で洗い流されて人間たちがいなくなった後の世界は、大変美しい不思議な世界でした。特に水の表現が見事です。そして動物たちは昼寝をしたり遊んだり助け合ったりして暮らしています。必死になったり呑気になったりしながら。
お魚くわえてなくても追いかけられる
罪深き人間に希望を与える現在の神話
バルト三国はラトビアのギンツ・ジルバロディス監督のアニメ作品でした。最初実写とアニメを組み合わせてるのかと思うほどの絵の質感に驚きました。特に光の加減がリアルで、ファンタジックな物語なのに、そんなファンタジック世界にもリアリティを与えていたように思いました。
またもう一つの特徴として、主人公が黒猫で、鳴き声はあったものの言葉は一切ありませんでした。セリフがないアニメ作品というと、昨年話題になった「ロボット・ドリームズ」が直ぐに思い出されますが、人間が出て来ないだけで都市化された街が舞台だった同作とは異なり、基本大自然が舞台であったので、セリフがなくても自然な感じであり、また登場動物たちの鳴き方や表情で彼らの感情は十二分に伝わるように創られていたので、非常に理解が進むお話でした。
ストーリーとしては、地球の水位が全体的に上がり、殆どの地面が水没してしまう中、漂流する帆船に乗った黒猫をはじめとする多種の動物たちが必死に生き残ろうとするもので、まさに「ノアの方舟」の様相でした。帆船には、先客のカピパラがいて、これは黒猫に友好的というか無関心。その後洪水の直前に黒猫を集団で襲った犬の仲間の白犬、物に異常に執着するキツネザル、黒猫を助けようとして仲間に翼を折られたヘビクイワシが加わる。まさにノアの方舟状態。
旧約聖書の方では、大烏とか鳩を放つと戻って来なかったという記載があり、どちらかと言うと鳥がネガティブに描かれた印象がある一方、本作のヘビクイワシは、主要登場動物中唯一途中で飛び立って居なくなってしまいましたものの、天に召されたという感じだったので、この辺の相違が何を意味するのかなと、知恵のない頭で考えているところです。
最終的に、ニシル山なのかアララト山なのかに模されたと思われる尖塔のような場所に辿り着いた動物たちは、団結して生きて行こうと決意した感があり、その神々しい姿に勇気を貰った気分でした。
そんな訳で、本作の評価は★4.2とします。
動物たちは無邪気で素直 見え方はきっと人それぞれ
リアルではなく間違いなくファンタジー
でも自然と納得してしまいそうなリアル感
映像も、CGで描かれる動物たちのしぐさや演技もそういった部分に一貫したものがあるように感じられた
そうして描かれる動物たちは、一切の言葉を発さない
鳴き声は上げるし、抑揚などである程度の気持ちは伝わっているかもしれないけれど、言語的な意思疎通は出来てないと思う
だからこそ(彼ら自身はそういう風に意識さえしてないだろうけど)彼らは、行動で全てを示す
そこに小賢しさはなくて、怒るとき、攻撃するときでさえ悪意のようなものは見えず、とにかく素直で正直だ
それがなんとも言えず心地好い
言語的な説明だって当然ないし、原因を究明したり解決したりしようとすることもない
だから、想像する余地が大いにある
ここはある程度好みが分かれるところもあるかもしれない
想像力の働かせ方によっていろんな見方ができるし、その見方によって見えるものさえ違ってきてしまいそうだから、ある種の鏡みたいなものかもしれない
近しい人といっしょに、見終わったあとでそれぞれの解釈を語って答え合わせをするのが楽しそうな映画、というのはけっこう貴重な気がする
上映時間は比較的短めだけど、説明で冗長になる時間が一切存在しないので充分な満足感とともに視聴を終えることができた
あれこれ語ってはみたけど、とにかくヘビクイワシさんがカッコいいんだよなぁ……
人間とはこのようなものであった
手描き風なタッチ、美しいCG、ダイナミックなカメラワーク、新しいアニメ
ギンツ・ジルバロディス。ラトビアのアニメーターで、基本たった一人で作品を作ってきた。そして5年前にこれもたった一人で作り上げた初長編映画「Away」は、今までに見たことない質感のアニメで、セリフなく、自然を駆け抜ける疾走感とともに、新しいアニメ旋風を起こすのではと自分なりに感じていました。そして今回、2本目の長編作品として、今度は小規模ながらチームでアニメを作り上げ発表したのが本作です。
本作の舞台は、人がいなくなった(?)世界で黒猫が主人公。なぜか水が襲い大地が沈んでいく。黒猫は、逃げるために高い所へ、異種の動物たちとともにボートに乗りながら旅をする・・・てな感じです。
まず驚くべきはCGとはいえ美しい絵。キャラクターは水彩画のように、しかし植物や背景はリアルな質感を持っていて、なんとなく美しさを感じてしまう。水の動き、瞳孔の縮瞳、動物たちの個性的な動き、どれをとっても美しい。
そしてそれらを余すことなくダイナミックに映し出すカメラワークもまた見事。動物の視点から動きをとらえるような臨場感と躍動感が画面いっぱいに溢れてるんです。また本作は鳴き声しかセリフはないですが、キャラクターの動きで何がしたいのか、何を伝えようとしているのかを感じさせる画づくりが、一種のドラマを見てるようで面白い。
しかし、その中で自分が本作から強く感じたことは、
“自然の厳しさと、互助の大切さ”かと思うんです。
物語の中で、多くの動物たちが一つの船で旅をする。同席する理由は各々あるも、その過程で自然、野生で生きていくのに厳しい掟を暗示しているように感じるんです。その中で、彼らは協力して動く場面がよく見られるんですな。違う種族だが、危機的状況に対し助けようとする場面に、互助の大切さを感じずにはいられません。だが、それ以上にラストのクジラと黒猫の対峙がとても印象的でした。それは、
時に、どうにもならないことがある。と暗示しているかのような。
そこに、自然の厳しさを感じるんですが、その後のカットがまた印象的。その中でも協力して生きていくことが大切というか、自分は一人じゃないメッセージを持っているのやないかと、自分は思うています。そう考えると、本作はただただダイナミックな美しいアニメーションだけではない、
詩的で、ユーモアがあって、大事なことを思い返させてくれそうな、そんな感じがある素晴らしい作品であると思うんです。
アニメ界に間違いなく新しい力が花を咲かせた。自分はそう思うています。ギンツ・ジルバロディスに乾杯。
映画に頭まで浸かって猫と一緒に流される。
事前予告やチラシから受けた、「ラトビアのすごい監督が手がけた、動物たちが力を合わせてとんでもないことになった世界を冒険するハートフルストーリー」的な印象のまま視聴しましたが、全く別物でした。動物である彼らの冒険を自分事として共に体験させてくる。この世界そのものを自分で考えさせてくる。自分の内面と向き合わせてくる。内省的で、監督の美学というか、美しさと哲学でぶん殴ってくる、人によってはきっと面倒臭いタイプの映画と思います。
猫ちゃんかわいいねえ、辛いけど頑張ろうねえ、なんて人間様の視点から俯瞰しながら見るつもりでしたが、抗いようのない濁流に猫と一緒に押し流され、ゆっくりと深海に落ちていくそのどうしようもなさに死の恐怖を感じ、嵐の中で海原に放り出されて自分も震え、見知らぬ絶景と日差しに歓喜して、彼らが何も言わないが故に自分が彼らの気持ちを考えてしまい、自分がその場にいる感覚に完全に飲み込まれて、ただただ映画に流され続けました。
そして世界についての謎も、何も説明されないが故にずっと考えてしまいます。唐突のように感じる部分がありますが、そのせいでよりこの映画の深みが増しているように思います。
ギンツ監督の多才さはすごいものだと思いますが、彼の世界観、内面を抉ってくるような静謐さの方がすごい。とても大好きな映画になりました。
あとは蛇足。
映像ですが、大作映画のしっかり予算のかかった現実と見紛うようなリアリティのあるCGではありません。個人的に最も近いなと感じたのが、「ブレスオブザワイルド」で、見ようによっては確かに粗い部分があるし、精細ではありませんが、そんなことがどうでも良くなるくらい美しい。
音楽も、世界観に合わせた、派手さはあまりないが内省的で、サントラ単体で聞いてもエレクトロとして楽しいものです。
矛盾を感じつつも美しい世界に魅了される
今作は家族と予定が合わず一人で観に行ったんですが、「どうだった?」と改めて聞かれると言葉にするのが難しかった。物語は至ってシンプル、洪水で浸水してしまった世界は、現在進行系で沈んでいる。そこで生き続ける動物たちの営み、命がけの舟旅。
猫の鳴き声が可愛いくて感情表現が豊か。ただ、その声に胸がぎゅっと苦しくなる人もいると知って、受け取り手次第だなぁと思った。安全圏が小船しかないことにずっと不安がくすぶってるなか、動物たちのやり取りが人のように個性的でユーモアがあって楽しめた。後半の不思議なシーンの解釈にちょっと悩むところ。なんとなくこれが原因なのかしら?と思うことも。ところどころシーツが綺麗すぎたり、部屋全体も蜘蛛の巣や汚れがなかったり、魚はピチピチいわないし、黒猫や他の動物たちの毛は濡れ感とかフサフサすることもなく、筆で描いた絵の具のような質感に見えました。そんな矛盾を感じつつ日本アニメとは違った美しさに魅了される。やはり人間がいない方が世界は美しいのだろうな。新鮮な思いで楽しめました。
結局家族に説明は難しく、幻想的で美しい映像が素晴らしかったとだけにとどまる。
観る人次第
不思議なアニメ。
最近の、微細な毛の1本1本まで描写されるCGアニメとは異なり、筆で描かれる様な絵画的な動画。
「ゼルダの伝説の空気感」が近いかな。
しかし、登場する動物たちの動きはきわめてリアルで、擬人化を極力しない様にしてあるのは観ていて伝わってくる。
つまり「動物そのもの」をまずは表現したいんだな、と。
映画の中で起きていることは、我々の常識から考えて、かなり大きな災厄であるようには見える。
そしておそらくこの世界に人間は存在していた(いる)であろうことも明らかにはなっている。
一方で、この世界には我々が見たことのない巨大な生物も登場する。
これを観て「何が起きているんだ?」から始まり、観客はこれを人間社会に置き換えて何らかのメッセージを受け取ろうとする。
でも、実はこの映画の中で説明的なことはほぼされることはなく、結果として純粋に「動物たちの冒険」の物語として捉える人もいるだろう。
恥ずかしながら、私もいろんな映画を観る様になって、映画の言外に隠されたメッセージを(当然あるものとして)無理にこじつけて読み取ろうとしてしまうことがある。
象徴的に登場するいろんなパーツ。
手鏡とか。
ヒクイドリとか。
ヨットとか。
なんだか深い意味がありそうで、いや実は意味なんてものはそもそもないのかも。
そういう、ある意味「うがった」映画の見方が間違っているワケではないが、単に「スクリーン上で起きていることを楽しむ」という、映画本来の楽しみに立ち返ることも、この映画が教えてくれているのかも知れない。
ただ登場する動物たちが生き生きと活動する姿だけで、これだけ楽しめるワケだし。
もちろん、社会的・哲学的メッセージを捉えたのなら、それはそれ。
もし「描きたい何か」があったのなら私の不見識で申し訳ないんだけど、あえて作品の主旨を、受け手に委ねる作品の様に思えた。
何だコレは!
なんだコレは!!
心でしか感じる事が出来ない映画だった。
登場キャラ全員優しく知的で、愛するって気持ちしか産まれなかったぞ、ヘビクイワシとかクソ気高く、正しさと気品に溢れアホみたいにカッコよかったぞー!!
今年一番のアニメ映画かも知れない。
もちろんネコさんも魅力、ネコって、水苦手なのに自ら水に潜り狩を行い、仲間に食糧を与える心の大きさ。
カピバラの存在感、ワオキツネザルの少年感をも友好性。
レトリバーのお兄ちゃん感よ!
民族の壁など超え、ただ他者を助け今を生きる。
とても美しく愛のみが描かれてた。
あの龍だかクジラだか謎の巨大生物は神、天災として存在してたのだろう、彼らを助け、時に災害となり。
それは俺ら人間と同じなんだな。
でもそこを乗り越え、共存し、神とも同じ世界に生きる。
辿り着いたのは楽園かゴールかも不明だけど、ただタダ彼らは勇敢で誠実で、もう愛する気持ちしか残って無いよ。
癒される。
猫好きは疲れるし考察し放題だし地球大事
動物たちの営みをほのぼのと眺める
予告を目にしなかったので、どんな作品かは知りませんでしたが、アニメ作品は好きなので、早々に鑑賞を決めていた本作。公開日は時間が取れず、2日目の朝イチで鑑賞してきました。アカデミー賞の影響か、客入りはまずまずで期待の高さがうかがえます。
ストーリーは、森にいた1匹の黒猫が、突然大洪水に見舞われ、あたり一面が水に飲み込まれ、全てが水没していく中で、たまたま流れてきたボートに逃げ込み、なんとか難を逃れるが、そこに他の動物も乗り合わせることになり、種の異なる動物たちと交流していく姿を描くというもの。
主人公の黒猫を始めとする動物たちは、もちろんCGで描かれているのですが、精細なリアル指向ではなく、かといってかわいらしい擬人化指向でもありません。どちらかというと、一昔前の3DCGのゲームキャラを思わせる、作り物感ある造形です。ただし、その動きはやけにリアルで、ちょっとした目の動き、仕草、身のこなし等、細部にわたって本物っぽさを感じます。こんなアンバランスなキャラ造形が、なんだか新鮮です。登場時こそやや違和感を覚えましたが、すぐに気にならなくなり、いつの間にか愛着さえ感じるようになりました。
そんな動物たちが、種の違いやそれぞれのもつ習性により反目しあっていたものの、降りかかるピンチの中で少しずつ交流を深めていく様子が、ほのぼのと伝わってきます。これをいっさいのセリフを排除して描いている点がすばらしいです。言葉はなくとも目の動きや表情のわずかな変化から、心情を十分に察することができます。
ただ、心情を察することができても、そこに共感できるかどうかは別問題です。それぞれの動物に感情移入できないと、淡白なストーリーに退屈さを感じるかもしれません。自分は退屈だったわけではないですが、昨夜の飲み過ぎ、寝不足、花粉症のためにイマイチ集中できず、何度も瞬間寝落ちしてしまい、なかなか作品世界に浸れませんでした。
未曾有の危機を前にして、種の異なる動物たちが、少しずつ交流して理解を深めていく姿は、現在の世界情勢と重ねて、何らかのメッセージが込められているようにも感じます。しかし、そんな深読みをせず、動物たちの姿に癒しを求めるだけの方が、気楽に楽しめるような気がします。機会があれば、しっかり覚醒している時に改めて鑑賞してみたいと思います。
全168件中、101~120件目を表示