Flowのレビュー・感想・評価
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妄想力が溢れ出す作品
主人公は人間ではないし、
動物以外の言葉はない。
物語の入口から出口まで全て妄想いける。
絶対地上波では流れないだろうし、
音響と大画面での迫力が凄いので、
映画館で観れる人は観た方がよい。
水にトラウマある人は気を付けないと
いけないようなシーン多々あったので
そういう人は自己責任と決意が必要。
この監督が1人で作ったという前作も
俄然観たくなった。(Away/2020)
天才はどこの国にも存在する。
やさしいカピバラ
いろいろと示唆に富んだロードムービー
この監督が前に撮った映画「Away」は、映像はキレイだけど話がわかりづらく表情や動きがぎこちないという印象だった。それが本作でアカデミーの長編アニメ賞をとるという大出世。驚いてしまう。
まず映像美に圧倒される。前作も映像はキレイだったからわかっていたが、やはり凄かった。驚いたのは猫の表情の豊かや、動物たちの動きが滑らかだったこと。猫の本能や特性をちゃんと押さえたリアルな動きがとてもいい。その猫が他の動物たちと同じ船に乗り、タイトル通り水の上を流れていくロードムービーだった。
予告編を見ていたが、なるほど実は大洪水となった世界が描かれていたのか。時代や地域も全くわからない。登場するクジラのような巨大魚は古代生物のようでいて怪物のようにも見える。そもそも架空の世界かもしれないと思わせる。しかも人が全く存在しない世界だった。いや、人が生活していた痕跡は映し出される。どこかに移住したのか消えてしまったかのようだ。森の中で木の上に引っかかっている船が見えたから、大洪水が起こったのはどうやら1回ではないみたいだし、人類が滅んでしまった世界なのかもしれない。
猫がカピバラやサルや鳥、そして犬とともに1艘の船で漂流する展開は、ノアの方舟を連想させる。それぞれの動物の立ち位置や性格のようなものもいろいろと示唆に富んでいる。普通に考えればコミュニケーションなんてとれるわけがない。大きな諍いや強い絆が生まれるわけでもない。セリフがないからそもそも仲間意識があるのかどうかも怪しい。ディズニーやドリームワークスのアニメとは違うところだ。この先、彼らは一緒に暮らすわけではないのだろう。次の大洪水で死んでゆく運命かもしれない。でも水面に映る彼らの姿と、最後の猫の仕草ににちょっとした絆を感じるのは感傷的すぎるだろうか。
不思議なテイストのアニメーション映画
第97回アカデミー賞の長編アニメーション賞を受賞したラトビアのギンツ・ジルバロディス監督の作品。
突如世界規模の大洪水に見舞われた黒猫をはじめとした動物たちの旅を描く。
率直な感想としては今まで見て来たどのアニメーション映画とも違ったテイストを感じた。
動物や自然の描き方(特に水の描写には目を見張る)もたいへん美しいのだが、自分がこれまで見慣れた日本やハリウッドのCGアニメ映画ともまた違った印象を受けた。
全編セリフのない映画で設定や状況の説明もなく、すべて見た映像から感じ取る必要があるのだが、それらも見る者の感性次第なのだろう。
設定やストーリーの明確なアニメーション映画に慣れた自分にとってはなかなか不思議な映像体験であった。
一味違う
十分な余白を考える自由
海面上昇、或いは何らかの洪水により水浸しになった世界で、流れ着いたボートに数種の動物が乗り合わせて生き抜く物語です。言葉の台詞は一切なく、動物たちはそれぞれの鳴き声を発するだけです。
まず、当たり前の事ですが、動物は人間の言葉を喋らないと言う事が、ディズニー・アニメに慣らされた頭にはこんなに新鮮に響くとは思いませんでした。また、監督の前作”Away”同様に、何らの説明も加えず余白を十分に生かした物語は観る者に様々な自由を与えてくれます。この水浸しの世界は何なのか、一体人類はどうなってしまったのか、このボートは何の象徴なのか、解釈は全て鑑賞者に委ねらるのでした。また、本作でも前作同様に、水を描く事への監督の拘りが深く伝わります。世界のアニメは確実に進歩しています。一方僕は、日本のアニメを年々観なくなっています。
浴びるように観るアニメーション
TOHO梅田で一番いいスクリーン1で上映されてたので観てきた。これは、Flowの概要を知った上で観に行くならとてもオススメ出来る映画でした。
制作費5.5億(昨今の長編アニメーション映画としては格安)で、MAXでも50人以下の人員で、フリーソフトであるblenderで全編作られているけど、実際はアドオン制作とか、かなり高度なスキルを持った人たちがメインで携わってる。
これ、もしかしたらこの映画用に作ったアドオン販売でも収益が入るのでは??とにかく、技術力の高さで、節約しまくってる。
ご参考までに、野生の島のロズは制作費80億円。あれも凄く素晴らしいアニメーション表現だった。
全編セリフ無し、字幕不要で、登場するのは極端にデフォルメされていない動物たち。特に猫の動きや表情はたまらない!可愛い、癒される。ストーリーはあるし、死を連想させる描写すら美しく描かれてて、期待通り良かったんだけど、家で見てたら寝るか飽きるかもw
なので、気になってる人は是非映画館で観て!
Strayのプレイ動画を超ハイクオリティにした、みたいな内容なんだけど、だからこそ家でなく映画館を勧める。
技術力への賞賛も込めてのアカデミー賞受賞だったのかなと思うので、ストーリー性とかを重視して観るアニメでは無いです。blenderでここまでできる!って映像を楽しみに行くならアリアリのアリ過ぎます。
セリフは無くとも 伝わるモノはある
ギンツ・ジルバロディス監督が たった一人で制作した前作『Away』も 本作同様に「セリフが一切無い」作品でしたが、前作同様に本作も《観た人それぞれが「自由に」解釈し、観た人それぞれが「自由に」受け止める》事の出来る[シンプルで想像の余地の多い作品]かと思います。
【ストーリー(脚本) & 演出】
これまでの作品は全て「一人で制作していた」ジルバロディス監督が、比較的小規模ながらも[スタジオでの制作体制]を取って完成させたのが本作なのですが、全般的にはジルバロディス監督らしい作品であったと思います。
脚本や演出に関してもジルバロディス監督らしさが全面的に出ていましたが、一人で制作した前作よりも「格段に良くなっていた」と感じたのは、監督が経験を積んだからなのか それとも『スタジオ制作』で他のスタッフの意見も取り入れたからなのか。前作に対して好意的な感想を持った方なら 本作も問題なく楽しめるかと思います。
セリフがない分 ストーリーや演出は《余計なモノを削ぎ落とし 限りなくシンプルに》構成されていたと感じましたが、それ故に[説明が無い部分に対して「自分なりに考察や想像をして 自分なりに落とし所を見つけて納得する」事が苦手な方]や[分かりやすく正解が示されていないとモヤモヤしてしまう方]にとっては「何が言いたいのか分からない」と感じてしまう作品かも知れませんので、自分が上記のタイプだと自覚がある方にはオススメは致しかねます。
脚本評価★★★★☆
演出評価★★★★★
【キャスティング(配役) & 演技】
本作の物語や作品世界には[人間が居たという痕跡が残っているのみ]で 『人間』が物語に登場する事はありません。
作中に登場する『ネコ』『カピバラ』『イヌ』『キツネザル』『トリ』には それぞれ[人間が持つ内面の一部分を暗喩している]様な性格付けがなされており、またネコが住み慣れた場所を離れ 旅立つ事を決意させる『大洪水』もおそらくは[環境破壊による海面上昇]を示唆しているのかも知れません。
おそらく大人であれば「つい無意識のうちに それらの動物達の内面を推察しながら」鑑賞してしまうと思います。 また[まだ それら動物達の内面を推察出来ない子供]達は「動物達の行動自体から何かを感じ取って」楽しめる作品かと。そういう意味では《大人でも子供でも楽しめる作品である》かと思われます。
配役評価★★★★★
演技評価★★★★★
【映像 & 音楽】
動物達のCGや背景は どちらかと言うと《毛筆による水彩画のような質感》で表現されており、それがとても作品に合っていたと感じました。
また 劇中での音楽もジルバロディス監督が作曲されており、こちらも作品世界や物語にとてもマッチしていたと感じました。
映像評価★★★★☆
音楽評価★★★★☆
【総合評価】
レビュー冒頭でも書きましたが、本作はセリフやナレーションと言うモノは一切無く、また劇中での出来事や 登場する動物達に関しても説明が無い《シンプルで想像の余地の多い》作品なので、幅広い年代がシンプルに楽しめそうな一方で、それなりの人数で「作品が合わなかった」と感じる人も出してしまいそうな作風だと考えます。 万人受けするとまでは言えない[万人受け1〜2歩手前]くらいの作品かも…。
なので総合評価は「気持ち的には☆5だけど レビュー的には★4つ」と言った所で。
【補足】
短いエンドロール後に『もうワンシーンあります』が、そのワンシーンもまた「ストーリーのラストから エンドロール後のワンシーンに至る迄に何があったのか?」の説明も無いので、そこもまた自分で「あ〜だったのかな? それとも こ〜だったのかな?」とか頭を悩ませる事になるかも知れませんので、あまり考え過ぎない様にして下さいね!✨
文章がない大人の絵本
近年の映画のトレンドは大手スタジオではなくインディーズなのかもしれない。
今年のアカデミー作品賞はインディーズの「アノーラ」だったし、アニメーション賞も並み居る大手スタジオ作品を抑えて、受賞したのがインディーズの低予算作品の今作だったのだ。
もともと米アカデミー賞は大作志向が強かったのだが、近年は多様性や手作りの上質な作品に配慮する傾向を強めているように感じる。
今作品もラトビアのギンツ・ジルバロディス監督がフランスで少人数のアニメーターでオープンソースの3DCG制作ソフト、Blenderを使用して制作されたという。
内容は何らかの理由で人間がいなくなってしまった世界で家猫であったと思われる黒猫が大洪水のなか、流れてきた船で他の動物と一緒に冒険するという話。
セリフや解説は一切ないので、見たものを自分で解釈するしかない。
明らかに人間が築いた文明があり、その人間がいなくなった事、大洪水で大地が海(?)に沈んでいく事、水の中には多様な魚や動物が暮らしている事、人間が作ったものではなさそうな高く尖った山、船は方舟にも例えられそうな事、など哲学的な解釈は人それぞれに可能だ。
で、結局それぞれのシーンの意味はよくわからない。
そこは深く考えるより、大人の絵本として美しいアニメーションの世界を感じればいいのだと思う。
ただ、欧米のアニメーション作品に多いのだが、道徳的な意味が強い事や、自然を描いていて、動物たちが主人公でありながら、どこか人間からの視点のような気がしてならない部分は気になる。
無料の3DCGソフトを使っているからなのか、肝心な動物の毛並みがほぼ表現されておらず、ぬめりとしているのが気になり、最初の30分くらいが気になって仕方なかった。
正直言って、本制作前のプロトタイプのよう。
一方でハンディカメラのように縦横無尽に動くカメラアングルはアニメーションならではの気持ちよさ。
水の表現にいたっては水専門のアニメーターが専用ソフトを開発したそうで表現が美しい。
割り切って表現を捨てている部分と精緻な部分が混在していてアニメファンからすると技術面では疑問が残る。
次作では巨額の制作費が入るだろうからその利益をどう活かすのか注目したい。
猫の方舟
まさに映像体験でした
猫ちゃんや動物達が可愛いです。
台詞無いのにわかるーって思ったり
ハラハラしたり
次どうなる?って目が離せなくなります。
今までに無い映画かもって思います。
観た後に
これってこうかな?とか
どうなったかなとか
いろいろ話したくなる映画です。
これは映画館で見たもの勝ち
あのポスターあの予告編からは予想もつかない面白さ。今の時代のスクリーンにドンピシャで来る。CG、音楽、デジタルアニメーションのアウトプットとして理想的な感じ。監督、音楽もやってるのね。音楽がピッタリだったな。
最初の洪水シークエンスであっという間に取り込まれる。猫目線からの日常からの洪水。カメラが(といってもカメラではないでしょうが)地面スレスレ、水面スレスレ、そこから天を仰いだり、底なしの水中を見たり。その深さ。とにかく静かにやってくるこの世の終わりのような洪水のスケール感。怖いこと怖いこと。
そこから始まる大冒険。といっても基本的に舟に乗ってフラフラしてるだけで、ネコはネコ、サルはサル、イヌはイヌらしさを見せるのみ。ちょっと立ち寄ったところで文明の名残りはあっても人類は突然消え去ったみたいだ。おのずとノアの方舟感漂い、新しい世界の最初の4匹のように佇むヤツら。
細かい設定は生かしきれてないのかもしれないが、ネコと共に途方もない冒険に誘われた感のある演出が素晴らしかった。
ニャンコの冒険物として面白かった。ずっと同じような感じで眠くなる。
おそらく何かしらのメッセージ性があると思われる。だけど、僕はそのメッセージが何かは考えずに、ネコの冒険物として楽しんだ。何度も水に落ちてハラハラしたよ。
普段は一緒に共同生活することがない別種属の動物たちの仲間意識みたいなのが面白かった。肉食の猛獣がいなくて良かった。
僕のお気に入りは尻尾が長い猿。イロイロ集めるけど役に立ってないところがイイ。種別は分からないが公式サイトか誰かのレビューで分かるかもしれない。
カピバラは基本グーグー寝てばかり zzZ
イヌはネコになついて、他のイヌも含めてやたら吠える。ゥぅ~ワン。
ラストを覚えてないが、食い物さえなんとかなれば大丈夫だと思う。全編を通して野生動物って基本みんないつも腹ペコって思った。ぐぅ~。
あと、に鑑賞後にラトビアの位置を知る。ロシアの侵攻がいつあってもおかしくない場所やんけ。写真では風光明媚だと思った。
いやー、人間がこんなの作れますか。 命であり世界じゃないですかー。...
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