Flowのレビュー・感想・評価
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ゲームを実際にプレイしたかのような独特な満足感
個人評価:3.8
前作のAwayの心地いい映像が、本作でも存分に発揮されている。
動物達の動きは、ディズニーと比較すると物足りないが、水面の描写などは特に気持ちよく、その部分に特化した作風だと感じる。
物語もどこか旧約聖書や寓話の様なストーリーで、映像ととてもマッチしている。
鑑賞後はこの世界観のゲームを実際にプレイしたかのような独特な満足感がある。
ずっと不安、でも仲間ができた
主人公のネコも動物たちも、動物語(鳴き声)しか喋らないので、
何が起きているのか、お互いにどんな感情なのか、ずっと想像力を働かせながら観た
いきなり厳しいことばかり起こるうえに、ネコはひとりぼっち、しかも、いつもの映画館でもなく、200席くらいの劇場のど真ん中でお客は私1人だけという状況で、リアルに不安に陥って不穏すぎる映画鑑賞、初めての感覚だった
自然の映像は印象的でとても綺麗だったが、水も森もリアルに迫力を持って、大きな自然の恐怖を体感した
動物たちは可愛いく面白く、とくに犬のお馬鹿さんぶりか可笑しくて、なんだか救われた
わからないことは多かったが、不安しかない中で、心が繋がって、心配したり助けたくなる仲間ができることで火が灯るような安心感‥にたどりつけたかな
猫を抱き締めたくなる
第82回ゴールデングローブ、第97回アカデミー賞で受賞を果たしたラトビア作品。
単なる映画好きとしてだけではなく、
猫好きとして、アニメ好きとして期待してました。
鑑賞後の率直な意見として...最高でした!
想像していた内容と違い、とても哲学的で切なさを秘めた傑作。
考察の余地が多々あり、観た人の数だけ解釈がある内容。
私なりの考察と伝えたい事をレビューします。
【大洪水の世界】
ここは多くの方々が指摘するように人類による環境破壊の末路だと思いました。
もしくは高次元存在(神)による天罰。
故にノアの方舟のオマージュを連想する物語。
人類はこの洪水で滅んだようにも思いますが、それ以前に滅んだようにも見える。
【猫】
本作の主人公。私も家で猫と暮らしているので終始、感情移入してました。
爪研ぎやフミフミ、寝起きの伸び等々、猫の動きに凄い拘りを感じました。
猫は表情筋が発達していないので耳や尻尾の動作、瞳孔などで今の気持ちをちゃんと伝わるようにしていたのは素晴らしかったです。
元は家猫だったのか分かりませんが、猫好きだったであろう人間の空き家に住んでおり、そこから旅が始まる。
旅の中で他の生き物に対して仲間意識を持ち、仲間の為に行動する。
道中、何度か海に落ちてか細い声で鳴く姿にハラハラしました。
猫好きとして心臓に悪い...
そんな猫も徐々に水を克服していく。
終盤、超常的な力に吸い込まれる猫と鳥。
何故、鳥だけが選ばれたのか(後述)?
あの光が救済の類なら行動からして猫も選ばれる資格はあったはず。
【カピバラ】
所謂ムードメーカー。
カピバラが最初にいたからこそ動物達は、争わず最後まで旅を続けられたのでしょう。
この子だけは、劇中で全くブレない。
【キツヌザル】
習性でもあるのでしょうが、劇中で人間に最も近い存在。
珍しい物に執着し、特に鏡を気に入る。
自身の投影は、我々人類への警鐘にも思えました。
最後、仲間達から離れて猫の元に来たシーンはグッと来ました。
【犬】
当たり前だが動物にも個性がある。
劇中の犬達の中で唯一、仲間をいたわり合えた白い犬。
【ヘビクイワシ】
猫を守って飛べなくなった鳥。
操舵手として舟を守るリーダー的存在。
終盤、超常的な力によって光へと姿を消してしまう。
【何故、鳥は選ばれたのか?】
道中、犬の仲間達を助ける選択肢がある。
ここが重要な分岐点だったのかもしれない。
人間的な、ドラマ的な価値観で測るならば猫の行動・選択こそが主人公であり、救済されるべきだと思ってしまう。
だからこそあの光は、救済ではなく終わりの光だったと思う。
鳥は傷つき満足に飛べない。
群れにも帰れない。
飛べない鳥の末路は死である。
あの鳥は、どこか諦めがあったのではないか。
天高い山(モチーフはアララト山?)を見た時、鳥は何かを感じ取り飛び立った節がある。
【鯨】
鯨なのか、未知の海洋生物なのか...劇中で何度か姿を現す神秘的な存在。
終盤、再び洪水の兆候が顕れる。
猫は、あの岩山に向かえば助かると思い駆け出す。
しかし道中に水が無く、苦しんでいる鯨と出会う。
ここで猫は気付く。
我々にとって水は命を奪うものだが、
水が無ければ生きていけない生き物もいるのだと。
【結末】
最後、その場に留まる猫。
そんな猫に寄り添う仲間達。
このラストシーンは、心の底から泣きました。
エンドクレジット後、やはり再び洪水の世界が来た描写がありましたが、私は猫達はきっと助かったのだと信じてます。
【総評】
本作に見事な傑作です。
文句の点けようがありません。
動物を擬人化せずに台詞は無く、行動だけで表現した制作陣の手腕に脱帽です。
この世界は、多くの生命が共生して成り立ってます。
私達人類はその円環から離れつつある。
猫達の旅路は、私達にとって忘れていたものを思い出させてくれる。
この星に生きる全ての生命に祝福を。
帰宅後、一緒に暮らしている愛猫を抱っこしました。
※2025年4月10日追記
再度、映画を鑑賞してあの光について別の考えを浮かびました。
大洪水の後、ノアは祭壇を作り神に生贄を捧げたと言う。
ヘビクイワシが光の中に消えた後、水が引いた。
黒猫はヘビクイワシが生贄となり、大洪水が終わったと考えた。
黒猫が最後に駆けだしたのは、自分を犠牲にして仲間を救おうとしたのかも知れない。
しかし偶然ではあったが、自身を助けてくれた鯨が苦しんでいるのを目撃して立ち止まってしまった。
観る度に新しい発見と考察が出来る素晴らしい映画。
本当に黒猫ちゃんが尊い。
見終わった後に誰かと話さずにいられない
あまり情報を見ずに見に行きました。
猫の冒険話かなーくらいの軽い感じで。
想像よりはるかに面白くて、セリフもないけど全く長く感じなかったです。
洪水で人間が滅亡?して建物や文明が退廃したような世界、
そこで今なお沈みゆく世界で生き残っている動物たち。
動物たちがたまたま流れてきた船に乗り合わせていくのだけれど・・・。
見た後に胸がいっぱいになっちゃって🥺
切なさと哀しさはあるけど、それでも気分が落ち込まないのは
どこかに希望も見えてるからかなと思いました。
一緒に見た連れと帰り道にずーっと、「あのシーンは・・」とか話しが尽きなかったです。
誰かと色々話したくなる映画だと思う。
すごく良かったです。
ただ、私は車酔いするタイプですが、画面の揺れに酔ってそこそこ気持ち悪くなったので同じようなタイプの人はそこだけお気を付けて😊🙏
見方次第で冒険ものにもミステリーにもSFにも
急な水位上昇で行き場を失った黒猫が、流れ着いたボートに乗って旅立つ話。
セリフ一切なしなので、こういうことを言っているんだろうなーと想像するしかない。
また、世界観の説明もないので、どういうことが起こっているのかも想像するしかない。
観る人の想像力によって全く別の話になりそう。
そういう意味で子供でも大人でも楽しめます。
出てくるのは動物のみ。人間はついさっきまでいたような気配はするものの出てこない。
話の都合なのか、設定なのか、動物たちがキャラが濃く、知能が高い。
鏡や水面に映る自分の姿を気にする様子が何度も出てきたり、謎の浮遊現象だったり、気になるところをあれこれ考察するのが面白い。
個人的には名作です。
千年後か??一万年後か 知らんけど。
アニメとは思えない美しさ
猫好きなので
猫好きなので少し採点甘いですが
猫あるある犬あるある猿あるある(多分)
カピバラってあーなんだ初めて知る
セリフはまったくないですが動物達の気持ちは伝わってくる
人間がいっさい出てこないのがよかった
不思議な鳥は宇宙へ飛び立ったのか
火の鳥のようだった
最後はハッピーエンドなのかせつないエンドだった
水の中で生きている生き物は地上では生きられないよな
寄り添う黒猫がせつない
動物達のチーム感もよかった
言葉なんて必要ない
なくても心で通じ合えるんだな
架空の話で終わればよいのだが
最初に想起したのはPeter Gabrielの“Here Cones the Flood♪”だった あそこまで壊滅的ではないが、共に際限なく寂しい
むしろ初期のサバイバルゲーム= トゥームレイダーの世界観に近いのかも(基本的にはビデオゲームをしないので詳しくないけど) その世界でも寂しげな古代遺跡から一人きりでの生還を目指しており、その突き放された寂寥感には病みつきになり得る不思議な魅力もあった
この映画は異世界=人類が滅んだ後の廃墟を辿る、猫になった自分がコントローラを持たないで成り行きに身を任せるゲーム体験なのかも....架空の話で終わればよいのだが
猫•犬•猿•鳥•齧歯類‥‥動物達は敢えて低ポリゴン風にモデリングされている 背景との対比を強調したいのだろうが、狙いは不明 差別化の方策?
彫像•家•舟•船•巨大風車‥‥文明の痕跡はあれど人間はいない 『ロズ』と違い言葉もない そりゃそうだろう
猫巨像、巨大鯰?とか、塔頂から鳥が天上へ招かれるシークエンス等の意図は不明のまま
この終わり方だったらこの長さが限界だったろう
劇場から帰宅して見た国際ニュースが、見てきたばかりの大洪水という不条理のリアリティーを再現していた....
▶︎イスラエルは停戦合意後、爆撃再開4百人超の一般市民虐殺
▶︎無理筋の旧法を用いて外国人国外追放を挙行するトランプに待ったをかけた連邦地裁←弾劾指示するトランプ←それは非合法と最高裁長官
▶︎戦況優位のプーチンが停戦案に難色
▶︎当映画監督母国=ラトビア含むバルト三国が対人地雷禁止条約•クラスター弾禁止条約から脱退(非人道的だとは百も承知の苦渋の決断) ポーランドもフィンランドもこれに続く見込み
....これらはかつてソ連の毒牙にかけられた国々 艱難辛苦の末勝ち獲った自由•主権•領土を実在する悪魔から守らねばならない ロシアに隣接する旧ソ連衛星国は際限なきストレスに晒され続けている
果たして日本は高見の見物を続けられるのか、という悪夢の寝入り譚
美しい映像に吸い込まれていく
大洪水に見舞われた世界に迷い込んだ、一匹の猫を中心に描いたアドベンチャームービー。
動物たちの擬人化は一切なく、台詞も当然なし。大自然の中の水や風、木々の音、その中に響く動物や鳥たちの鳴き声、足音。場面により壮大な音楽が流れる映画。
主人公の猫が、洪水で流れてきた船に乗り合わせ、そこで出会う動物たちとともに様々な出来事に遭遇する形でストーリーは展開していく。
自然の猛威を美しく迫力ある映像と音響で描いており、映画館の大きなスクリーンにおいてのみ堪能できる素晴らしい作品。
動物たちそれぞれの特性や動きを忠実に再現しており、特に主人公の猫に関しては、鳴き声と細かな動きを完璧なまでに表現。
動物たちを取り巻く大自然を映した画像は圧巻、壮大でひたすら美しく描かれている。自然というものをここまで美しくスクリーンに表現したアニメーション映画はこれまでなかったのでは?と感じる。
全編にわたり映画としての造りが秀逸で、見応え十分。アニメーション映画に興味がなくとも、息を飲んで没入出来る作品。
猫好きには、特にお勧めの映画。
壮大なスケールの中にシンプルなメッセージが
㊗️アカデミー賞長編アニメーション賞。
てか、アカデミー賞授賞式で今作の存在を知った。ハリウッドのメジャー作品を抑えての受賞に正直びっくりした。突如プライオリティMAXになった。
洪水に呑まれゆく世界。水位は止まることを知らず高い山をも呑み込んでいく。
我々が知る神話や旧約聖書のエピソード、あるいは歴史的見解をデフォルメしたシーンが登場し、今作の企みが顕になっていく。
ボートに乗り合わせた1匹の猫とその他の動物たちの旅路は数百万年というスパンの地球の変遷を俯瞰するが如き壮大なものとなる。
動物たちの行動は、危機的な状況にあって互いに思い合うこと、助け合うことの大切さを謳った。愚行を繰り返す人類へのシンプルなメッセージとなった。
アニメーションの新しい地平
を観た。
だが、本作が切り拓いた未来は
エンドシーンの様な風景は描けるのだろうか?
blenderと言う建築系CGソフトを用いて
描かれたと言う本作は
CGソフトが持つオープン性と資本力をバックに
きっと広く遍くクリエイターへと届く筈である。
その時、そのクリエイターの中にはAIと言った
テクノロジーも間違いなく紛れ込んでくるからである。
つまり、これまで耕されてきた
アニメーション世界には紛れ込む余地の無かった
人間の悪意が紛れ込みやすくなる。
と言うことだ😢
それも人間の創作の一つであるだろうから
受け手がしっかりと取捨選択できれば問題ないが
できなければデマゴーグの出現を安易にする。
本作はその点では神話の様な美しさを湛えた作品であった
良き感性に働きかける良作◎
説明は要らない。
生きる意味が見えなくなったときに観たい映画
臆病な黒猫が主人公の物語。おそらく人間に飼われていた黒猫は、ある日突然襲ってきた津波により故郷を失い、1隻の船へと逃げ込む。そこでカピバラや犬、ワオキツネザル、ヘビクイワシと出会う。最初は関わりを避けていた黒猫だったが、船は流され、様々な困難が訪れる中、それぞれの動物が持つ力を活かしながら生き延びていく。
一見助け合っているように見える彼らだが、実際は自分が生きることに必死なだけ。それでも「生きたい」と願い行動することで、結果的に仲間を助けることにつながっていく。
印象的なのは、水の美しさ。流れるように進むストーリーとともに、その描写が作品の魅力を引き立てている。
この映画が伝えたいのは、「自分のために生きることの大切さ」なのだと思う。黒猫自身は大きく変わらないが、新たな仲間とともに生き抜くことで、確かに何かが生まれている。
◆こんな人におすすめ◆
「自分は無力だ」「生きる意味がわからない」と感じている人へ。生きているだけで、誰かの役に立っていることをそっと教えてくれる映画。
◆観た感想◆
どんなことがあっても、生きることを諦めたくないと思った。
予習と復習はいらないと感じた、しかし大人は鑑賞しながら考えないとい...
一生懸命な猫にハラハラする
映像はとても美しいし、動物たちの生態や特徴なんかもよく捉えてる。
動物のキャラではないからセリフがないし、人間はいた痕跡はあるけど出てはこないから何があったのかは分からないけど、それは大した問題ではない。
動物たちのやりとりに若干の無理設定は否めないものの臨場感がある。
それぞれ意外にも有能なのに犬たち...。
しかし思ってた洪水とは違っていて、ただの災害ではないのは想像に難くない。本能のままに生きようとする動物たちの目線で見る終末世界に圧倒され、水の表現が綺麗だと思うのと同時に怖さを感じた。
終盤の急激なファンタジー展開にスクリーンも気持ちもザワザワしつつ、無事でよかったひと安心、と思っていたら犬たち...。
明確なストーリーもセリフもないから、丁度いい長さかなと思う。
来週『Away』を観るのが楽しみ。
パンフレット売り切れで残念。
よかった
猫が森をさまよっていると洪水が起こる。船で他の動物と一緒になる。擬人化せず徹底的に動物らしく描いている。最後、その乗り合わせた動物たちが協力してカピパラを助けるのは動物らしくないではないかと思うのだけど、あれだけ苦労を分かち合った動物たちなら友情が生じてそうあっても不思議ではないなどと納得できなくもない。
ちょっとウトウトした。
映像美が素晴らしい
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