Flowのレビュー・感想・評価
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いま、世界中の映画賞である現象が起きている。
本命とされていたあの「野生の島のロズ」を打ち破って第97回アカデミー賞 長編アニメーション賞を受賞した映画。
日本の「侍タイムスリッパー」もそうだが、大手のスタジオのビッグバジェットの作品だけが日の目を浴びるわけじゃなく、寧ろそれとは対称的な小規模作品が評価されると言う現象が、世界的に昨今起こっているような気がする。
「ワンダと巨像」、「人喰いの大鷲トリコ」、「風ノ旅ビト」、「INSIDE」
これらは、「Flow」で見事アカデミー賞の最優秀長編アニメーション賞に輝いた、ギ
ンツ・ジルバロディス監督がファンのゲーム作品である。
それも納得してしまうほどの臨場感と没入感のある作品だった。
特に上空に連れ去られる、下へ落下するといった上下の空間のダイナミックな演出が素晴らしかった。
ポストクレジットにも続きがあるので見逃し注意。
監督の前作の「Away」もおすすめですよ。
澄み切った世界観
人がいなくなった地球
主人公は黒猫、突然洪水に襲われ、流れてきた小舟に乗る。
色んな動物と同舟、最初は警戒していたが、そのうち助け合うことになる。
旅は過酷で幾多の危機を迎え、なんとか生き残るが・・・。
登場するのは動物だけなので、当然、セリフはないのだが、感情が揺さぶられる。
インクルーシブ、ダイバーシティ
太古のロマンを誇示するでもなく、
生物滅亡の危機を声高に叫ぶわけでもない。
本作は、肩肘を張らない、
ある種の達観した視点で生命の営みを描き出す。
そこにあるのは、
獰猛な生存競争でも、
状況への果敢な抵抗でもなく、
ただ時の流れに身を委ね、
あるがままに生きる生命たちの姿だ。
主人公にとっての逆境は、
目の前の壁や木に、
ただ爪がかかるかどうかというささやかな試練に過ぎない。
大洪水や天変地異といった壮大な危機は、
主人公の認識する日々のステージとは異なる次元にある。
それらは地球にとっては日常の一部であり、
我々が認識するようなドラマチックな出来事としては描写されない。
それは1000年に一度、
あるいは10000年に一度の奇跡なのか、
それとも、
我々が気づかないだけで毎日繰り返されている日常なのか。
この悠久の時間軸の中で、
記録に残らない(残っているか・・)はずの生命の営みが、
確かに残っているという示唆は、
深い余韻を残す。
地球にとってすべては平常運行であるという、
壮大で哲学的な世界観が背景に提示はされている。
そして、この独特の世界観の中で、
鏡の自分や、
水面に写る自分たちが繰り返し強調される。
それは、生命が多様な姿で存在し、
それぞれが【固有の流れ】の中で、
【そのままでいい】ということを示唆しているようにも感じられる。
インクルーシブやダイバーシティといった現代的な概念とも繋がり、
個々の生命が持つ普遍的な価値を静かに問いかけてくる。
【追伸】
野生の猿が車のサイドミラーを破壊して持ち去る事件が、
頻発しています。
大洪水になった世界に迷い込んだ猫、それは想像を超えた冒険の始まりだったー。
原題
Straume
感想
ラトビア出身のクリエイター、ギンツ・ジルバロディス監督の長編2作目となる『Flow』
世界が絶賛!アニメーションの未来を切り開く新領域!
人間は全く登場せず、キャラクターは動物のみ。人間の言語は一言も用いられず動物たちの鳴き声以外にセリフはなし!
世界観と水の表現が良かったです!
1匹の猫とさまざまな動物たちの映像体験でした!
カピバラ、ワオキツネザル、ラブラドール、ヘビクイワシなど。謎のクジラも笑
猫は大好きなんですが個人的にはラブラドールが可愛すぎました!
しかもちゃんと最後までいい奴!他の犬たちやばっ…笑
もちろんカピバラとワオキツネザルにも癒されました〜笑
ヘビクイワシはなぜ天に召されたのか?笑
動物たちの習性などもちゃんと描かれてるのもよかったです。
ちょっと85分は長かったのかなって感じました。
ラスト4匹で水面を見てるの好きでした。
水が押し寄せるシーン、濁流、波や水中での揺れの描写があるので苦手な人は注意です。
※この冒険の果てにあるものはー?
観賞必須になる日も? そう思う理由は・・・
この映画の感想は人それぞれだろうが、きっと
みんな共感してくれると思うことが一つだけある
”カピバラは無害!”
主人公は山中で生きる黒猫
最近放棄されたと思われる空き家や巨大な石像があり、人間もいる世界であることは示唆されるが作中には一度も姿を現さない
ある日、黒猫の住む地域に大規模浸水が起こり
寝床にしていた空き家を放棄せざるを得なくなる
それどころか、水深はどんどん増していき猫は次第に身の置き場所を失っていく
あわや、溺れるかというところ偶然にも帆船が流れてくる
九死に一生を得た猫の前に現れたのがそう!
無害なカピバラである
警戒して威嚇する猫を気にもせず、ゴロンと横になって寝だすあたり最高に無害である
そこから船の同乗者も増え、動物だけの漂流の様子が描かれるのだがその演出力がとても高い
セリフもテロップもなく(動物達は本当に鳴き声だけ)舞台設定や物語が十分に伝わってくる作りになっている
それもシンプルで分かりやすいだけじゃないストーリーを
いつか映画制作を教える学校などで必須の観賞作品とされる日がくるんじゃないだろうか
不思議な世界だけど、なんか良いですね。
ゆったりと身を委ねていると、
黒猫の不安、怯え、が伝わってきて、ハラハラドキドキしました。
数々の苦難。
人類がいなくなって水没してしまった世界に、
生き残ったのは、さまざまな動物たち。
1匹の孤独な子猫が次第に仲間を、友達を作っていく過程・・・
ゴールデン・レトリバーのワンコ、
見守ってくれるヘビクイワシ、
鏡の大好きなワオキツネザル、
5頭が仲良く寄り添っているラストは、
「仲間ができたんだね」と、
黒猫ちゃん、“良かったね」と安堵しました。
もちろんその後を考えると、手放しで喜べる話ではないけれど、
大変な冒険でしたねー。
飼い主の森の中の家はもぬけのから、
ご主人夫妻の姿は影も形もありません。
スケッチブックと、庭や森に残された、
彼らの制作したらしい
かなりの数の彫刻像・・・巨大な猫の銅像だったり、右手だったり、
いったいここはどこで、いつの時代で、
何が起こったのだろう?
台詞も全くありません。
ナレーションもない、
わずかに時々入る状況を表す音楽、
あとは自然の音、
(風だの、雨だの、梢の音だの、
そして動物たちの声、
(鳥の鳴き声、羽音、犬の吠え声、
そして黒猫ちゃんのさまざまな、
怯えたような、助けを呼ぶ真に迫ったなき声、
動物は話さないのだから、擬人化して話す方が
本来、間違っていますが、
想像力を目一杯試される感じです。
黄色い帆のヨットは、大事なアイテムでした。
5頭が集う場所、
黒猫を助けて羽を折られたヘビクイワシ、
ラストでも黒猫を助けて、天に召されてしまいますが、
このシーンは壮大で神秘的でした。
大嵐で投げ出されてシーラカンスの巨大化したようなクジラの背で
助かった黒猫。
ヨットは崖から程近くに打ち上げられて、ボロボロ。
空中にぶら下がっています。
ヘビクイワシ、レトリバー、ワオキツネザルは飛び移れたけれど、
体重の重いカピバラは、飛び移れません。
4頭がロープを口に咥えたり、引っ張って、
必死でヨットを崖に近づけて、
カピバラはようやっと陸地におります。
それにしても、なんと言う冒険‼️
水没した古い高層建築、
ベネツィアのように運河を渡るヨットの真横に
コンクリートのビルやホテルらしき建物、
シンガポール、ベトナム、中国も?もしかして?
かなりの月日の冒険で、細っこかった子猫の筋肉はアスリートのように
盛り上がっています。
ご存じの通り、ディズニーやピクサー、ドリームワークスのアニメ映画を
尻目に、たった50人のスタッフで作った「Flow」が、アカデミー賞
長編アニメーション賞を受賞しました。
ラトビアの監督さんは、16歳からたった1人で制作していたそうです。
この「F low」は、3Dアプリケーションの「ブレンダー」を
使っているそうです。
「ライオンキング」などに比べれば、動物の毛並みや、
顔の細かい動きや表情は細かく描かれていません。
予算と人数・・・でしょうね。でも心の中は、
伝わります。
自然の光景、描写は本当素晴らしい。
地球温暖化で水没した地球、
人類は絶滅しても、動物たち、鳥、そして魚、
花々は栄えていくのでしょうか?
奢れるものはものは久しからず・・・かな?
人類への警鐘かもしれません。
セリフ無し
突然、森を襲った洪水から逃げる動物たちのサバイバル冒険アニメ、驚いたのは、人間は一切登場せず、黒猫が主役、犬はワンワン、猫はにゃーにゃ―でセリフ無し、これなら子供から大人問わず世界共通で愉しめますね。
国の大半が森と湖の自然豊かな国ラトビアのアニメ、最初は仲違いする動物たちも危機に瀕した時は助け合うという子供に観てもらいたいコンセプト、洪水は怖いですが猫、犬、キツネザル、カピバラ、クジラに水鳥(蛇鵜)など動物たちは生き生きとして魅力的でした。
ただ、気になったのは町にも人のいないこと、うまく逃げられたのでしょうかね、つい最近も米テキサス州で洪水のニュース、106人が死亡し、140人が依然行方不明だそうで痛々しい。地球温暖化の影響でしょうか、洪水は他人ごとではないですね。
アカデミー賞をはじめ多くの賞をとったようですが納得です。
うーんなんだかな
鑑賞前はやたらとキレイなCGが〜って前評判を聞いている程度でいました
本編見るとキレイだが予想よりはって印象、後からパンフで知りましたが総制作費が6億円くらいとの事、お値段の割にって事ね
コレはCG押しされなければもっと気にせず見れたのにと後悔、同じ値段で見れるのに大手のCGと比べると物足りなくはなる
内容としては人間がいなくなった終末世界を種の違う動物達が船旅をするんですが…
動物らしさが描かれてはいるがある場面では極端に理性的になったり突然動物っぽくなったりと動物として見せたいのかキャラクターとして見せたいのかフラフラ
終始この動物としての部分と物語の登場人物としての役割の部分が定まらないせいでモヤモヤさせられる
しかし主人公のネコだけは鳥の後を追うシーン以外は基本的にネコ
人間がいなくなったより、主人公のネコ以外の人間が全て動物に変化した世界か、動物っぽい別の生き物達で良かったんじゃない?謎のゴジラっぽいクジラもいたんだし
切ない
新感覚のアニメーション世界に引き込まれる
ジブリともディズニーとも違うアニメーションのテイストで、見始めてすぐに、これまでにない新しい感覚に陥った。
臨場感のあるカメラワークと動物たちのリアルな動き、躍動感、そして自然の効果音まで含めて本当に美しい。
風景映像は一見すると実写と紛う映像…だが、いや確かにそれはアニメーションの映像だ。アニメにも実写にも見える絶妙な映像表現がまた独自の世界観を作っている。
動物たちのやりとりにセリフはない。
しかし見ているうちにすぐ彼らの気持ちがわかるようになる。
下手な人間ドラマを見ているよりもよっぽど伝わってくるものがあって、始まって10分で感情移入していた。正直セリフのない作品でここまで心動かされることになるとは思わなかった。
大洪水に見舞われた世界で主役の猫ちゃんと動物たちの友情と冒険作品。
ポスターの主役の猫ちゃんがとても可愛いので、このビジュアルが好きならばそれだけでも85分間堪能できるかも。
ラトビア発のアニメーション作品。
ギンツ・ジルバロディス監督の長編デビュー作『Away』も是非見てみたいと思った。
猫には安全なお家でぬくぬく暮らしていてほしい…
台詞なしの長編アニメーション映画はおそらく初めての経験。
毛並みはザラッとしているのに、
動物たちが生き生きとしていること…。
猫を飼っている人にとっては、
リアリティのある仕草が盛りだくさん。
(きっと犬を飼っている人にとってもそうでしょう。ゴールデンレトリバーかわいい。)
なかなか没入感のある映像で良かったのですが、
洪水が何度も繰り返されていることや、人間が滅亡したことをにおわせる描写に、死の影がちらつきます。
猫さんが水に落ちるたびハラハラ。
鳥さんは天に召されてしまったが、猫は友だちの元に戻ることにする。
猫の成長や変化を描いているんでしょうかね。
猫、そのままでいいから、安全にのびのびして長生きしてほしいなあ。
最後、鹿が走ってて、クジラが生きてたってことは、また水が来たってことなのかな。
なんだか胸が痛くなるお話です。
映画館で
人類が絶滅した後は
あのにょきにょきは何だろう、もとは湖の底に近いところだったのか、地球規模の地殻変動があって、今も続いているようで、クジラみたいな大型海生生物がいたりして人類が絶滅してから何世紀か経過しているのか、でも、子猫が住んでいた家では最近まで人がいたよう。
ほのぼの系の子猫の大冒険譚、かと思ったら、こんな話だったのか
人が滅んでそうなのに純血種っぽい犬たちが何種類か生き延びているのは不思議ではあります。
タイトルの「Flow」には、船で流れていく動物たちのことだけでなく、生命の流れ、という意味もあるのでは
ちょっとした哲学的要素も入っていたと思うが、私は人類が絶滅するくらいの大地殻変動の後、地球生物はどんなものが生き残って台頭するんだろうか、とずっと考えながら見てしまった。
背景の美しさが素晴らしい。背景と音楽だけで環境ビデオになりそう。特に水の描き方がすごい。洪水で押し寄せる水、川辺の澄んだ水、遺跡と化した街なかを流れる水、海の色、洪水に流される子猫の目線から見たうねる水面水中などなど、それぞれありそうで見たことがない光景。
イキモノたちの外見をわざと粗く描いて背景と一線を画したよう。でも動きはまるでホンモノみたい。
猫(めっちゃかわいい、見ていてそうそう、猫ってそうだよね、と何度も思いました)は言うまでもなく動物たちのそれぞれの特徴が良く出ていて、にまにましました。
主人公は子猫だけど監督犬派なのかも、ラブラドールなんて、活発で人懐っこくて遊び好きな性格よく出ていて笑ってしまった。カピバラの性格は知らないけど、あんな感じなんですかね。ワオキツネザル(?)には何となく哀愁を感じてしまった。
基本的に言葉を話さない動物そのまま、そこに友情を持つようになるなど、擬人化具合が絶妙で良かった。
生き延びるためには、余計なものを持っていないほうが良いようです。
身一つでぎりぎりのところを切り抜けながらのサバイバル、所有物に執着していたらヤバい。知能が人に近いサルは若干の所有欲はあったようだが執着ってほどでもない。そして、身体能力の高いものがより生き延びられるんだ、と思ったら、それじゃカピバラさんは? となったが、そこはまあ、ご愛敬で。っていうか、現代まで淘汰されてないんだから何か得意技があるんでしょう。
あのプライド高そうな天に召された鳥には特別な意味が込められているんでしょう。聖書的な何かの気がする。精神性が高すぎて周囲に馴染めない、こういう孤高の個体は、地球が変動しようがなんだろうが時々生まれるんでしょう。
ただし、もしこの鳥が点に召されたことで洪水が引いた、という意図があるならちょっと興ざめ。そこだけメルヘンチックの度合いが異質な感じがするので不要と思う。
津波の直前には潮が引くというし、鹿がわらわら走っていたのでまた洪水が来たのだろうが、水の引き具合から言って次の津波はとてつもない大きさだったのでは
大冒険を一緒に乗り切ってきた弱い異種の寄せ集めの小さいコミュニティーはどうなったんだろうか。それを思うと儚くて哀しい気持ちになりました。
ギンツ・ジルバロディス監督作品は初めて見たが、これから追っていきたいです。
大掛かりでも特殊でもない一般的な機材、フリーソフトを活用してこの作品を制作したらしい。機材の進化にも驚きです。
アニメは、作り手のセンス次第、特殊な技術や知識を有する特殊な人でなくても作れる時代になってきたのかも。
「前作と同様いい」
潮汐力異常
ギンツ・ジルバロディスの前作 Away は、ただただ画の美しさ、画面の中の風景の壮大さに見惚れる、とにかく美しい映画でした。
でもでもでも。
ストーリーの方は全く記憶に残っておらず、メッセージ性には乏しかったと言う記憶しか無くてですね。この作品も同じでした。
また、ワンコ軍団が途中で消えちゃう時間帯がなかったっけ?編集の都合でしょうか?要するに整合性の緩さですね。こう言うところとか、みんな細かいから、私含めてw
兎にも角にも。
美しさはピカイチです。コレは劇場で観なきゃ!と言う一本でした。
ちなみに。
アン・リー監督の、ライフ・オブ・パイは、その圧倒的な映像美だけで無く、幻想的なストーリーも魅力的でした。なんてのと対比すると、ギンツ・ジルバロディスそのものが、子供向き、いや子供と言うと言い過ぎかも知れませんが、思考を引き出すタイプの作家と言うより、絵描きさんタイプ、なのかも知れない、って思いました。
いずれにしても。
綺麗だった。
とっても。
全280件中、41~60件目を表示













